blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

勝つべき戦い

2018-02-26 20:18:34 | 日記
わが事業所には、某国出身の実習生が複数名やって来ていることはどこかで書いたかもしれない。
母国を離れ外国で経験を積む機会を与えられる人というのは国を問わず相当に優秀であると思ってよい。
彼らがやって来たのは私が当地に来てから一年は経っていない時期だったと思うから、彼らの異国での暮らしも二年近くにはなっていると思う。
もちろん一人で来ているわけではなく母国の仲間がいるから、表立っては分からないがお互いを心の支えとして日々のハードワークに向かっていることと思う。

個々人の最終的な進路や目標は人によって中身も違うだろう。
契約により一定期間の後にはわが国を離れなくてはいけないので、すべては母国に帰ってからそれぞれがそれぞれの人生を切り開いていくことになる。
ただ、彼らに共通する最低限の目標である「日本語」は、彼らの将来にとっては相当に明るい材料となっていくだろう。

私は昨年まで彼らの誰とも仕事上では接点がなく、たまの飲み会で一回か二回時間をともにしただけであったが、今年に入って特に男性のほうと一緒に仕事をすることが増えた。
性格的には優しい彼らも仕事に対する姿勢は厳しいし、応援者である私もしょっちゅうダメ出しを食らう。
言葉がまだ十分にはままならないこともあってか、「ダメだよ、そんなんじゃ〜」とでも言わんばかりに首を大きく振ったりされることもある。
もちろん私にとって初めての作業であれば最初から完璧にいくことなどないと彼らも分かっているとは思うのだが、やはり慣れている人間はそうでない人間がもどかしく見えるということか。

今日はたまたま終わりがけに彼らのうちの一人と同じ作業をする流れになり、自分は分からないからお手本を一度見せてもらって挑戦するのだが、時間もかかるし結果もうまくいかない。
「何やってんだよ〜」的な仕草もないことはなかったので、バカバカしいからいっそ彼一人に任せてしまえとも考えたが、終わるまでの時間もわずか、今日は何としても少しでもうまくなって彼にイライラされないようなレベルまでは行ってやろうと思った。
ある程度私の精度も上がりダメ出しを食らう感じではなくなってきたタイミングを狙って、優しい彼には申し訳ないが「やり続ければ少しずつでもうまくなるんだよ!」という言葉を投げたが、彼は黙ったままだった。

私のような大雑把な人間と違い、彼は細かいところに気がつくタイプなので、応援者とは言え私の仕事ぶりには不満があるのだろう。
悔しい思いはあるが、彼の土俵に入って行っている以上は、彼が納得できる結果を出すしかない。
わざわざ他国からやって来て日々を頑張っている心優しい若者が相手とは言え、今日のその作業に関しては彼をどうしても黙らせたかったから必死だった。

職場という戦場、しかも圧倒的に不利な状況でも勝つべき時には勝たなくてはいけない。
その気持ちがなければ、当地においてもとっくの昔に精神的につぶれていたと思う。
同じ会社で二回もつぶれてしまったら、当地も含めて居場所はなくなる。
多少の波風を覚悟しても、感情を内にため過ぎず、とにかくつぶれないように生きていくより今の私には道はないのである。
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