おせち料理・・・・その意義。

おせち料理には不可欠の三種の品があり、関西では黒豆・数の子・田作りとある。一つ目の黒豆は、まめ(真面目)に働き、まめ(健康)に暮らせるようにとの意で、黒には魔除けの意も含まれている。二つ目の数の子は卵の数がたくさんあることから子孫繁栄を願う意がある。三つ目の田作りと言うものは、カタクチイワシを醤油・砂糖・味醂で甘辛く煮たもので、豊作を祈願する意で、またの名を「五万米（ごまめ）」と書いたことから入れられるようになったが、元々カタクチイワシは、田植えの肥料に使われていたというのが語源。



但し関東の三つ目は、たたき牛蒡（ごぼう）になると言うのは知らなかったが、牛蒡は根をはるので、家族の安定・安泰する願いを込めていると言う。これは、関西では不可欠の三種の品からは外れているが、細ぉ～く長ぁ～く生きると言う意で番外にランクインしている。近頃は中華おせちと称してロイヤルオークホテルからは、こんな感じのが発売されているようだ。



現代社会に照らし合わせて見ると、少子化が進みひとりっ子にしておいて金銭面で心血を注ぐ傾向や、農業の減反政策などなど少々ズレ込んだ考えになってきた。他にも蓮根は穴からの見通しが良いとか、栗金団は色から今年も富を得れるようにとか、だて巻きは伊達政宗公が派手好きだったことから華やかな暮らしを望む説や、昆布巻きは「よろこんぶ」の語呂合わせから入れられるようになったとか。



最近の若者には、黒豆や、田作りや、牛蒡などは不人気この上なく、一斉に食べだすと必ず残り気味になってしまう。美味しく煮込めば、ここまでは不人気にならないと思うのだが、昔からの三種の品と呼ばれる名声にあぐらをかいた結果だろうが、チョイ豪華お寿司の方が喜ばれるようだ。祝い酒は、倉敷の濁り「別土枯（べっとこ）」で、おめでとうございます。

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