in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2017.04.08 DEZERT LIVE TOUR 2017“千秋を救うツアー”at the five morioka

2017-04-16 16:30:42 | ライブレポート


DEZERTの“千秋を救うツアー”27本目、盛岡・the five morioka。全36公演ツアーも残り10本。終盤戦です。

the five moriokaは盛岡の繁華街と思われる大通にあります。写真のビルの3Fがthe five morioka。1FはCLUB CHANGE WAVEで、別の入り口が用意されていました。

コインロッカーなし、1袋500円のクロークあり。
キャパは180人くらいみたいです。東京のハコでいうと、新宿FNV以上渋谷RUIDO K2以下みたいな(伝わりづらい)。ステージは低いけれど横長で見やすい。後方でも端でもメンバーとの距離がめちゃくちゃ近く感じました。

床も壁も板張りで温かみのある内装です。ちょっと体育館っぽさもある。普通のビルだからか、家庭用のエアコンがついていた。音はドンシャリ系ではなく丸みのある音のように感じました。結構好き。



開演前BGMはThe Beatlesの「Yesterday」。同期用のノートPCに不調があったようで、開演直前にスタッフさんが調整していました。それもあって約20分押しの17:50過ぎにようやく開演。

登場SEは「Toy-Karte」

SORAさんはたしか黒のタンクトップ。hideさんみたいな鮮やかなピンクの髪。
SaZさんはスタジャンでたぶんグレーっぽいカラコンもつけていました。メガネなし。
Miyakoさんのインナーはパラシュートシャツ風の黒いシャツでした(浦和公演もたしかこの服)。ジャケットについていた缶バッジはヴィヴィアンのもの。

千秋さんは白いシャツにネクタイ。ボトムスは見えず。黒髪ショートカット。黒いメイク。
マイクスタンドをつかみ、「排泄物」からライブスタート。が、マイクのスイッチが入っていないようで声が聴こえない。

「マイクくらい入れとけやボケ!」と怒鳴り、スタスタと1人ステージを去ってしまう千秋さん。

これは最悪なパターンだ、終わった……と不穏な空気が漂うフロア。「千秋ー! 千秋!」とメンバーコールが起こりましたが、なかなか千秋さんは戻ってこない。だんだんメンバーコールが「千秋ぃ…! 」と悲痛な声に変わってくる。
SaZさんがワーッと両手を挙げながらドラムソロ!というように身ぶり手ぶりで煽って、それを見たSORAさんがドラムを叩いてくれて、気まずい空気を和ませてくれました。

5分も経っていなかったと思いますが、すごく長い時間のように感じました。ホントにこれはマズイのでは、と思い始めていたところに、ようやく千秋さんが帰還。

「もう1回やります」とボソッとつぶやき、「排泄物」を仕切り直し。なぜかこのときSaZさんが天井の照明の角度を調整していました(笑)。

「脳みそくん。」では千秋さんもギターをかき鳴らす。観客と掛け合いのように歌わせる場面もアリ。「肋骨少女」は最前のお客さんを筆頭に観客全員でピョンピョン飛び跳ねて、だんだん楽しくなってきました。

「遺書。」では、“さぁ遺書を書こう〜”の部分を観客に歌わせる千秋さん。何回か繰り返し歌わせるも、キーがあってなかったみたいで、「おまえらヘタクソやな! (そんな歌じゃ)ごめんなさいやで⁉︎ 歌えるやつおらんの???」とお叱りの声が飛んでくる。
「叫びながら歌え!」ということで、最後はシャウト混じりのヤケクソ合唱に。一応合格をもらえたみたいで「前に進もう」と続きが演奏されました。


ここでMC。千秋さん、たしかハロー、ハロー!と挨拶していたと思います。「遺書。」の前に「Sister」を演ったのですが、そのノリについての話。細かいところは忘れてしまったのですが、こんなニュアンス。

千秋:「Sister」わかる? さっき演ったからわかるよな? わからん人は物販で買って。3000円で売ってます。
おれらにも歴史があって……初期のころはよく演ってたんやけど、最近あんまり「Sister」演らなくなったやろ? 理由知ってる? SaZくん言ってやって(無茶ぶり)。

SaZ:(ちょっと考えて)……元気がない。

千秋:違う! 元気はあるんだけど、生ぬるい。(ゆらゆら揺れるマネをして)踊ってんの?って。踊りたいならクラブに行ってください。過去と比べるのもよくないけど、昔は激しかった。今はみんな女の子っぽい! なにカマトトぶってんの? 女の子みたいな動きしてる!

客席:(笑)

千秋:そう思うよなぁ、男! 女の子なのに男みたいな動きしてんのがおもしろかったのに。(男性ファンに同意を求めて)なぁ?
踊りたいなら本当にクラブに行ったほうがいいと思う。きみたちがもう首も動かせないくらいになったときにホールで演るんで、そのときに思う存分踊ってください。きみたちが生ぬるいと、おれらのライブも生ぬるくなる。……以上、Sisterでした。


あとはラルクの話。


千秋:岩手の人いるー?

客席

千秋:岩手にいる人ー?←ひっかけ問題

客席

千秋:今日なんの日か知ってる?

観客A:初めての日!

千秋:初めての日か! じゃあ初めて、人とたくさんぶつかった日にしてください。(二本指を立てながら)目つぶしはダメ! 殴るのもダメ。平手打ちはいいよ。……今日はね、L'Arc〜en〜Cielの東京ドームです。

客席:(笑)

千秋:行かなくていいの? こんな僻地にいていいの? ラルク1曲なにか演っとく?

客席:(拍手)

千秋:♪とぉーおーくっのー風を〜 身ーにまーとう〜 あーなーたぁーにーは〜〜♪ ←裏声で「Blurry Eyes」

客席:(笑)

千秋:いや! おれらのライブやで! おれらの曲をやろ!


ここだったか忘れちゃったけれど、千秋さんがギターを持ってSORAさんと軽くセッションしたらりもしてました。

そして「追落」「ordinary」「ピクトグラムさん」と歌モノゾーンへ。

「ordinary」は始めるときにSORAさんが軽くシンバルを入れていましたが、そのあとはSaZさんのピアノと千秋さんの歌のみ。歌詞はまだ確定していなくて流動的かもしれない。ラストは“理由なんてひとつでいい”と歌っていたと思います。

SaZさんの奏でる不協和音に、Miyakoさんがカッティングを重ねて「ピクトグラムさん」
千秋さんも最初はギターを弾いていたんですが、なにかが違ったみたいで、メンバーの演奏を途中でストップさせて、自分もギターを置いて仕切り直し。「俺もできてる、君たちもできてる」と言っていたように思うのですが(=楽器陣の誰かがミスった?)、「できてる」じゃなくて「生きてる」って言ってたのかもしれないです。このへんなにがあったのかよくわからなかったんですよねぇ。

でも、仕切り直した「ピクトグラムさん」、この日のライブのターニングポイントだったと思います。ライブ前半の千秋さんのMCもあったからか、客席では自然と手が挙がってました。
Miyakoさんのギターだけになる間奏部分では、千秋さんが“不安定でいい 1人だっていい”と歌いながら、その言葉に“言いわけだ”と付け加えていたんですよね。「ピクトグラムさん」の歌詞は、良く言えば「救い」だけど、捉えようによっては「逃げ」でもあるわけで。一瞬のエスケープ、非常口であって、本質的には救われていない。それがちゃんとライブで表現されていたので、ガツーンときました。

「ゴシック」では演奏前に千秋さんが「前に詰めろ!」と煽ったことで、観客が1/2くらいに圧縮。逆ダイパートを繰り返して、フロアはぐちゃぐちゃ。千秋さんはステージから身を乗り出して、観客に半分埋もれてるし、SaZさんは水撒くし、Miyakoさんも下手で半分ダイブしたり、上手で水撒いたり、ベー!と舌出したりアグレッシブ。
千秋さんは端にいるお客さんも気にかけていて、「せめて真ん中に来い!」と煽ったりもしてました。あと、途中でギターを持ってSaZさんとバトルしたり。

「教育」もたしか前に詰めたまま演奏されたと思います。1曲めの「排泄物」でのマイクの一件のあと、不機嫌にならずにライブできてる!と思っていたけれど、ここで掘り返して怒ってました(笑)。「マイク入れ忘れるなんてなぁ!?」みたいなことを千秋さんが言って中指立てて、それをマネして観客も中指立てて、\お前が嫌いさ!/とみんなで叫んだのがおもしろかった。スタッフさんが不憫だけども、このときだけはみんな千秋さんの味方だったと思います(笑)。全員で中指を立てている光景が、すごくインパクトあっていい絵面だった。

「秘密」は中盤で土下座ヘドバンをする部分があるんですが、千秋さんが「寝ろ!」と指示。千秋さんもステージで寝っ転がってたので、床に寝転がれってことかな?と思っていたら、お客さんのほとんどが座ったままその場で頭を垂れて( ˘ω˘ )スヤァ…しだしてかわいかった。

ここで千秋さんがステージを降りて、スタスタとフロアの一番後ろにあるPA付近までやってくる。前かがみになってユラユラしていたと思ったら、そのまま「君の子宮を触る」の演奏が始まり、千秋さんはまるまる1曲フロア後方で歌っていました。
観客はそんな千秋さんを取り囲むように、自然と円になっていました。フロアの前半分にいるお客さんはステージで演奏する楽器陣を観ていて、後ろ半分にいるお客さんは千秋さんを取り囲むという図。

歌の入りの“君のしっきゅうを〜さわるぅ↑”の部分で、近くにいたお客さんにマイクを向け、戸惑う様子を見て笑う千秋さん。サビは、千秋さんを囲んだお客さんも一緒に歌っていたんですが、なんだかこのとき降りてきている感じがしました。
「神々しい」というのではなくて、「無垢」とか「全能感」が近いかなぁ。周りに雑念がなくて、めちゃくちゃ純度の高い空間が生まれていたんです。文章じゃ伝わらないかもしれないけど、あ、今すごいもの見てる!って感覚でした。


ステージに戻った千秋さん、仰向けになってお客さんに背中を支えてもらいながら(お客さんを椅子の背もたれみたいにしてるのが王様みたいでちょっとおもしろかった)、最後の曲はあれだよね?とSaZさんに話しかける。
それを受けたさっちゃんは、「包丁の正しい使い方〜終息編〜」のイントロを弾いたのですが、千秋さんが「違う!」と反論。お客さんの手から逃れてストン、とフロアに降り立ち、「丸をつくれ!」と。千秋さんが円の中心に立ち、本編ラストは「変態」でした。

イントロでは千秋さんに向かってモッシュ。流されるまま、フロアで歌う千秋さん。途中で転んだお客さんを千秋さんが助けたらしく、「おれが助けた! おれが助けた!」というアピールも上手のほうから聞こえてきました。助けられたお客さんだと思うんですが、「ありがとう!」という声も聞こえてきて、青春かよ!って感じでした。さわやかでしたね(笑)。



アンコール。
千秋さんはKMKのApple Xシャツ。SaZさんはグッズのHELP MEと描かれた救われたいVer.Tシャツ。MiyakoさんとSORAさんはなに着ていたか忘れてしまった。


アンコールとはいえ、休ませることなく「不透明人間」でモッシュ。「不透明人間」のラストで挙がった手を見て、「その手は挙げたままにしろ!」と千秋さんが煽り、続けて「遮光事実」。ミドルチューンでありながら、聴かせる面もある曲なので、普段はそこまで激しく動いたりはしないのですが、この日はフリとかあまり関係なしにフロア全体がノリながら聴いていたと思います。

ここでMiyakoさんがギターチェンジ。見えなかったけれど、たぶんテレキャスか黒のゼマイティスだと思います。「今ギター持ち替えたから静かな曲やると思ったやろ? 違うから、激しいのやるから」と我々の予想を否定する千秋さん。ですが、披露されたのは新曲の「おやすみ」(←静かな曲)。

「ordinary」「ピクトグラムさん」の流れもあって、この日はこの曲が「赦し」の歌に聴こえました。すぐに変われなくてもいい、ひと休みしながらでもいいみたいな。ライブで聴くごとに印象が変わりそうでこれからが楽しみです。
歌い終えた千秋さんは、照れ隠しかなんなのか両手で中指を立ててました。


終演時間は20:10ごろ。
マイクが入ってないトラブルがあって、当初はどうなることかハラハラしましたが、それが良い方向に作用して、結果的にすごくいいライブでした。小箱かつソールドせずという条件もあって、物理的にも精神的にもすごく近かったからかな。

ひとつ思ったのは、やっぱりまだメンバーの背中は、支えたい背中、守りたい背中って感じがしました。これからだんだんとそれが、頼もしい背中になっていくんだろうか?


【SET LIST】
SE.Toy-Karte
01.「排泄物」×2
02.胃潰瘍とルソーの錯覚
03.大塚ヘッドロック
04.脳みそくん。
05.おいしい脾臓は笑わない
07.肋骨少女
08.Sister
09.「遺書。」

10.「追落」
11.ordinary(未発表曲)
12.「ピクトグラムさん 」×2
13.MONSTER
14.「死刑宣告」
15.ゴシック
16.「教育」
17.「秘密」
18.君の子宮を触る
19.「変態」

EN.
20.「不透明人間」
21.遮光事実
22.おやすみ(未発表曲)





2 Comments

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岩手お疲れ様でした! (へぶん)
2017-04-28 14:43:11
‪sisterであんだけ言っといて、次の曲「追落」ってw逆を付いてくるから面白いですねー。とはいえ、「追落」「ordinary」「ピクトグラムさん」と歌モノゾーン+モンスターは涙腺崩壊しましたね。‬
‪軽めのセッションはピクトの前ですかね?ノリが微妙で(?)そらさんにちあきさんが仕切りにパンク?ロカビリー調のハネるリズムをギターで伝えていたのですが、伝わらず諦める形かと。自分の中ではあのセッションのリズムがかなり引っかかってます。‬
‪子宮、変態の円はデザガリ名古屋、くるくる福岡、ちあ救心斎橋などでも見れてキてるみたいですね。あの輪に参加するのは初めてでしたが、濃厚な音楽体験でした。池袋楽しみ!‬
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Re:岩手お疲れ様でした! (澄華)
2017-04-29 15:02:04
>へぶんちゃん
盛岡おつかれさまでした!セッションやってた記憶すっぽ抜けてて(笑)。でも、このときもデラの曲かな?と一瞬思ったのを覚えてるので、そういうノリのリズムだったと思います。
ファイナルも楽しみましょう〜
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