in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2017.04.16 DEZERT LIVE TOUR 2017“千秋を救うツアー”at 宇都宮KENT

2017-06-21 02:25:00 | ライブレポート


4月は毎週DEZERTを観てました。日が経ってしまったけれど、“千秋を救うツアー” 31本目・宇都宮KENTの話。

KENTは外観が浦和ナルシスに似ていました。雑居ビルで1Fがガレージみたいな駐車場になってるところが。番号を呼ばれた人から2Fへ。

フロアは下手前方に調光卓があって(フロアより数段高くなっている)、その後ろに太めの柱が1本。上手後方にPA卓。下手後方にはドリンクカウンター。なんだかいろいろと詰め込まれている設計でした。

キャパは約200名。ソールドアウトしていましたが、若干余裕があったのでもっと入りそう。ステージはやや低めで、弦楽器陣の楽器は見えないけれど、ドラムは台に乗っているのか少し見えました。



開演前BGMはおなじみThe Beatlesの「Yesterday」エンドレスリピート。KENTは幕がありました。浦和と盛岡はなかったので久々に幕見た。15分遅れの17:45分過ぎに開演。

SEは「Toy-Karte」

SORAさんは黒いタンクトップにジレのようなものを羽織っていました。髪はピンク。
Miyakoさんは黒いシャツに、毛先だけくるんとさせた外ハネヘア。
SaZさんはスタジャンに黒いシャドウをぼかしたメイク、メガネなし。

この日の1曲めは、いきなり「ゴシック」でした。いつもはライブ中盤か後半に挟む逆ダイ曲なので意外。

イントロ演奏中に、「元気ないなぁ宇都宮〜」というようなことを言いながら千秋さんが登場。アーティスト写真でも着ていた、裾に穴開きダメージのある白いロングシャツに、黒いジャケット、スカンツみたいな黒のワイドパンツ。エクステが襟足についていて、それに逆毛を立てているため、低い位置で結んだツインテールみたいに見えました。小さい女の子が自分でぐしぐし結ったような(笑)。

「自分をぶっ壊してこい!」

千秋さんの煽りによって、初っ端から暴れ倒すフロア。「遺書。」を披露する前にも「自分をぶっ壊して、再生しよう。だから遺書を書こう」と言っていて、ラストの歌詞“明日を諦めますか??”は、“明日に追いつくために”と変えていて、何度も繰り返し歌っていました。

「脳みそくん。」では“謎の整形外科医が笑いながら”と歌ったあとに「宇都宮こんにちは!」。SaZさんもMiyakoさんもステージギリギリまで前に出て弾いていました。


そして「宗教」「擬死」「告白」「遭難」の歌モノ4連発。

「宗教」も歌詞を少し変えていて、“変わらないでと願う君たちの声は 宗教としてではなくて ただの呪文です。”と歌っていました。ラストサビ前のA3メロでは“変わらないでと歌う(願う?)君たちの声は 呪文としてではなくて ぼくの宗教だ。”と。“ぼくの宗教だ。”のところはウィスパーボイス。ファンの声に縛られているみたいなニュアンスを感じました。“出来の悪いタンパク質”という抽象的な歌詞を“出来の悪い人間だ”に変えて歌っていたのも印象に残りましたね。

「擬死」“今、消えることが死ぬことよりも怖い、怖い、怖い…”と声を震わせていたり、“俺だけじゃない”とつぶやいたりしていました。「宗教」「擬死」の千秋さんは、完全に閉じこもって自分に対して歌っている感じ。

「告白」は久々に聴いた気がします。6拍子が入ってるのかと今さら気がついてSORAさんのドラムばかり観てました。「擬死」の舞うようなドラミングもカッコ良かった。

「遭難」はSaZさんのピアノと千秋さんのボーカルのみ。時々、千秋さんが後ろを向いて手で指示してSORAさんにシンバルをシャララーン♪とやらせてました(笑)。シメはドコドン!とフロアタムも叩かせる。

この曲はいつも以上に丁寧に歌っていました。演奏後、客席は咳ひとつ起こらずシーンと静かに。
シーンとしたまま10秒、20秒…30秒くらいかな、千秋さんがSORAさんになにやら耳打ち。イヤモニをしているためよく聞こえなかったようで、去ろうとする千秋さんの服の裾を引っ張ってもう一回聞くSORAさん。次の曲の打ち合わせかな?と思ったら、SORAさんがいきなりパチパチ拍手しながら立ち上がる! 拍手してほしかったのかー⁉︎と観客も拍手。笑う千秋さん。

ここでMC。覚えていることを抜粋。

千秋:さっきピアノ間違えたよね? 俺さっきそっちに行ったでしょ。ミスってたよね。

SaZ:ミスってないよー。というか、最後のドラムのドコドン!はいらなかったよね。

客席:(笑)

千秋:(SORAさんを見て)こいつが勝手に入れた!←指示者

SORA:あとで楽屋で正座して聞くんで教えてください!

千秋:宇都宮、どうもDEZERTです。宇都宮ケント……ケントであってるよね? ケント(メンバーに確認)? ケンティー? ケーエンティー? ケーエント?とか。あ、それケントか。宇都宮の人いる?

客席

千秋:ちょっといる。北関東だから恥ずかしがってるんだな! すいとん食べるんでしょ? 北関東。……すいとん(笑)。でもSaZくんが一番バカにしてたよね?

SaZ:してない(笑)。

千秋:小麦粉まるめたやつって言ってた。まるめてちぎったやつって(笑)。
ツアー、何本まわった? 30本くらい? 30本? ミスター大川、サンジュッポン

SORA:サンジュッポン。サーティーン!←13

千秋:サディスティック?

SORA:デザイア。

千秋:なに、それ?

SORA:ラヴィアンローズ!

千秋:くれ?

SORA:ないだー!

千秋:こうやって意思の疎通もツアーをまわってできるようになりました。あとは高崎。と、東海か。高崎……なくてもいんじゃない(笑)? 高崎はうちのスタッフの出身で。茨城は今回行けなかったんだけと、いつかやりたいなと思います。
(中略)
……ライブって簡単にできるなって思って。イベンターの人にライブやりたいって言ったら、バーっと(候補地が)出てきて、制作の人が組んでくれて。おれたちはあとは行くだけ。行ったらお弁当があって、冷たいコーラがあって、肩もんでって言ったらもんでくれて。肩もんでくれるかは言ったことないからわかんないけど(笑)。
ほかのバンドはパンパンパンとライブやっててすごいなと。おれはもうね、ステージ立つの怖いなって。きみたちもライブ、パンパン行くんでしょ? きのうもライブだった人とかいる? 土曜日だからいるでしょ? ……元気だね。貴重な休日公演です。宇都宮もね、集まってくれて感謝してます。

ツアーをこうやってまわってきて、ライブで気づいたことがある。ひとつ言いたいことがあります。いや、2つ? 3つ? いや、5つくらい!あの、ひとつ言いたいことがあって。
きみたちは難しく考えすぎ! あと、気をつかいすぎ! そんなに怒らないで?とか(苦笑)、そんなに気をつかわなくても。おれにも気をつかって、隣の人にも気をつかうんでしょ? (メンバーを見ながら)ここにいる人たちには存分に気をつかってもらいたいんですけど。
ミスター大川なんて気をつかいすぎてドラム叩けなくなるもんな? DEZERTのドラムは難しいんです。なぜかというのは、死ぬときまでに話そうと思います、ね ?

SORA:うん。

千秋:あとさ、クロールみたいなのなに? ほかのバンドとかを観に行ったときもクロールしてて。

客席:(クロール……?)

SaZ:(動きをマネする)←どうやら手扇子の模様

千秋:あれね……(フッと鼻で笑いながら)変! 前に来い!っておれが言うときもバッと前にくるのはいいんだけど、距離感考えてね! おれは近くで歌いたいからできるだけ近くに行くけど……。踊るのもね、そう。踊りたいならクラブに行って(笑)。クラブに行くか、そういうバンドに行くか。そう、おれたちの曲をBGMにしないでほしい!

SaZ:ハハハハッ(爆笑)

千秋:なにが言いたいかっていうと、音楽がしたい! そう! きみたちと音楽がしたい。拳上げてても、棒立ちでもいいから、音楽がしたい。でも、前のほうで棒立ちは、おれの音楽が傷つくから……。
ギリギリでいこう。そう。ギリギリの音楽をしよう!覚えておいて! ギリギリね。じゃ、ギリギリなベース弾いて。

SaZ:(考え中)

千秋:遅い! 次いこう。


会話には参加していなかったけれど、Miyakoさんも話を聞きながら笑ってました。

この千秋さんの話、書いてみるとそれなりに良いことを言ってる感じがしますが、実際その場で聞いたときはちょっとモヤモヤが残るニュアンスだったんですよね。
失礼な言い方になっちゃうけども、「音楽をしたい」とかなにクサイこと言ってんだ〜!みたいな。今思い返すとその場の思いつきで言った言葉だったのかなと思うんですけど。なぜなら千秋さんもその場で自分の発言に対して「そう!」とセルフ相槌を打っていたので(笑)。そこだけおもしろくてすごく覚えてる。

そんな感じだったので、千秋さんの「おれたちの曲をBGMにしないで」という発言に対して、SaZさんが深刻な顔をせず爆笑していたのは救いでした。さっちゃんが笑っているうちは、このバンドは大丈夫感ある。



観客のノリに対する千秋さんの疑問?不満?は、「秘密」のときにも口にしていました。パタパタと観客が手バンする様子を見て「それも変!」と言ったり、土下座ヘドバンのときに「その座るのもなー予定調和みたいだけど……あえてその予定調和もいいのかもね。今日は何日? 4月17日?(16日ですが間違えていた) 今日は今日だけだから」というようなことを言ったりしていました。

「君の子宮を触る」は観客に歌わせる部分もあったのですが、バッ!と千秋さんがSaZさんを振り返ったりもしていて。SaZさんが口ずさんでいるのを見て嬉しそうにしてました。

「ピクトグラムさん」の前には、「棒立ちでノらなくてもいいよ」とポツリと言っていました。メロ部分でも手を挙げているお客さんに対して「少数派だね」と声をかけたりも。
歌詞を少し変えていて、“いつかはね 今日にすればいい”という意味のことを何度も歌っていましたね。“意味を探す朝なんて”“夜なんて”に。“意味を探す夜”と歌われると、ライブのことを指しているように聴こえる。

「拳あげてもいい! 棒立ちでもいい! ゲロ吐いてもいい! いやゲロはダメ、迷惑かけるのは!」

そう千秋さんが叫んで、ラストは「変態」。観客に対して、ジェスチャーで半分に分かれろと指示し、WODが起こりました。人が分かれたときにステージを観たら、千秋さんが裸足でした。いつも靴を履いているので意外。
歌い出しの“例えばお客様に 媚びへつらい音楽を売る”の部分を“売らない!”と叫んでました。



この日のアンコールは潔く1曲のみ。
メンバーは本編の衣装のままで、誰も着替えていなかったと思います。

「また観たいと思った人はまたどこかで逢いましょう。3500円払ってくれたらまた逢えるから・・・† 1曲歌って帰ります」

なんだか手刀バンドみたいなMC・・・。新曲「おやすみ」をしっとりと披露して終演。


ライブとしては良くも悪くもなかったんですが、千秋さんの発言からくるモヤモヤが残った日でした。現にこの宇都宮公演の翌々日に行なわれた高崎公演でいろいろとあったらしく…。宇都宮はその予兆だったのかもしれないです(笑)。
千秋を救うツアーは4本くらいしか観てないんですが、今思うと起承転結みたいなツアーだったと思います。宇都宮は「転」に差し掛かったところというか。



【SET LIST】
SE.Toy-Karte
01.ゴシック
02.「排泄物」
03.「遺書。」
04.脳みそくん。

05.「宗教」
06.「擬死」

07.「告白」
08.「遭難」

09.MONSTER
10.「死刑宣告」
11.「秘密」

12.大塚ヘッドロック
13.遮光事実
14.「君の子宮を触る」
15.「ピクトグラムさん」
16.「切断」
17.「変態」

-EN-
18.おやすみ








川沿いの桜が満開できれいでした〜。


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