待望の西川美和監督の新作「永い言い訳」を見る。
西川美和監督作品と言うだけで楽しめてしまう西川ファンなのだが、従来の作品に比べるとパンチ力不足をかんじたが、男性映画として十分に楽しめた。
西川監督は女流映画監督だが男性映画を撮り続けている監督でもある。
どの映画でも言葉を変えた「嘘」を描いているように思う。
本作でも主人公の本木雅弘が欺瞞に満ちた男を演じていた。
本音を出し合って付き合えば角が立つのが人の世だ。
夫婦生活だってそうなのかもしれない。
取り繕い我慢して成り立っているのかもしれない。
主人公は持ってこなかった他人への思いやりや愛情を知るようになっていくが、この男、結局はタイトル通り、言い訳だけをして真の反省をしていないのではないかと思わせる奥深さがいい。
新作パーティの様子や、妻の遺品を片付けるシーンにそれをほんの少し感じさせる演出が好きだ。
西川美和全集が発売されるには、もう1作か2作か書いてもらわねばならないだろう。
期待していますよ、西川美和さん。
新作小説&新作映画を。
(映画の詳細はこちらでフィルムセンター)