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普通の生活の中での、思いついたこと、考えたこと。何かを表現したい、書いておきたいと思った時に、ココで発散しています。

「ちゅうちゅう」効果の話

2008-03-27 09:11:39 | 学校&就活
「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」 という絵本を娘たちと読みました。


まっくろくて、ぴかぴか光っていて、きれいなかわいい機関車、「ちゅうちゅう」。
いつも後ろに、炭水車と客車をつなげて、村から街へと元気よく走ります。


ある日、ちゅうちゅうは考えました。

「わたしは、もう、あの おもい きゃくしゃなんか ひくのは ごめんだ。
わたしひとりなら、もっと もっと はやく はしれるんだ。そうしたら、
きっと みんなが たちどまって、わたしを ながめてーーーーわたしだけを ながめて、いうでしょう。
『なんて きれいな すてきな きかんしゃだ!あれ ごらん。
ひとつだけで はしっているよ』って」



そして、機関士がコーヒー店へ行っている間に、一人で走り出してしまいます。
後ろにつながっていた炭水車も、途中で離れてしまい、どこまでも
ひとりで どんどんと走って行きます。
暴走する機関車に、街は大騒ぎ。
ちゅうちゅうも、炭水車がないので、やがては燃料切れになってしまい、
「40ねんもつかわれていないむかしのせんろ」にまよいこんで、止まってしまいました。

そこへ、機関士たちが助けにきてくれて、炭水車をつなげ、無事に「おうち」に帰る、というお話し。



どんなことでも、「一人でできている」わけではなくって、
必ず、助けてくれるひとがいる。その存在を忘れてはいけない。

そして、意識していなくても、人は誰かの役にたっている。

「人の役にたつ」ことは、自分の存在意義の一つでもある。

などということを胸にしまって、以下のこと。


職場で、過去2年間、自己啓発の授業を担当してきました。
学生たちが社会へ出る前の大切な時期に、ふさわしいテーマは何だろうと
自問自答しながら、試行錯誤しつつ、毎回取り組んできました。
学生からの手ごたえもよく、方向性としては間違っていないとの思いを強くしました。

今年は、「3度目の正直」という感じで、さらに補足を加えて、深いところまでもっていこう、と思っていたのですが、


その授業、「今年から専任がやることになりました。」との、上司からのお言葉。

専任というのは、学校職員、つまり正規雇用の先生方のことで、私は非常勤ですから、専任ではないのです。

内容的にも、自己啓発というより「就職のための自己分析」が主になるとのこと、
それだったら今までやってきたこととも違うし、要するに「お呼びでない。」

残念ですが ずっとやってきたことの担当はずされた なんて、普通の仕事でもよくあることですよね。
仕方がありません。

一度は、「これまでやってきた蓄積と、毎回の原稿もあるし、今年もやらせてもらえないでしょうか」
と、意見してみようか、とも思ったのですが、

やめました。もう決まったことですし。


別の用事で、今度その授業を担当になる専任講師のM先生と、電話連絡とったついでに、
その授業のことになり、「内容考えてありますか」とお聞きしたら、
「まだ、そこまで回ってなくて、全然考えてません、これからなんです」とのお答え。


・・・その瞬間、胸をよぎった思い。

「・・・・ちょっと待って!これから考えるなんて、いったい何ができるの?
私、この授業のために、自分でセミナー聞きに行ったり、図書館へ通ったり、
何冊も本を買ってまとめたり、ほんとに大変だったんだから!それで、2年もやってきたのよ!
なんでも、3回目になれば、多少は自信つくもの、私にやらせてくれればいいのに。
あと2週で授業が始まるというときに、全然考えていない、なんて、どういうこと?
それで教わる学生も気の毒だわ!」


・・・でも そこで 私の口から自然に出てきた言葉は、まったく違うことでした。

「先生。私、原稿あるから、何でも言って下さい。こういう内容でありますかって言われたらすぐ用意できると思うし、
心配しないでください。・・・私、助けてあげられると思うから。」


不思議なことに、本心から「助けてあげよう」と一瞬にして思ってしまったのです。
なぜだろう?「ちゅうちゅう効果」?


M先生、さきほどまでの申し訳なさそうなお声とは違って、

「あっほんとうですか、助かります、嬉しいなあ、ありがとうございます!」と、
ほんとにはずんだ声でお答えになり、ああよかった、と思いました。



・・・・私は、もう少しで「暴走機関車 ちゅうちゅう」になってしまうところでした。

「わたしがわたしが」という気持ち、自己顕示欲、これは誰もが持っている。
でも、正しい方向に示していけるか。そこには「責任」という言葉もついてくる。
無責任に暴走することが自己顕示ではない。


仕事の内容が変わったからといって、自分まで否定されたわけではない。
今度は、与えられたフィールドの中で、自分らしく、積み重ねていけばいいのです。
いってみれば走る線路が変わっただけのことで、新しい景色を楽しみつつ、
後ろについてくる炭水車や客車を一生懸命ひっぱることが、何より大切な仕事なわけです。




・・・たったこれだけのことですが、「ちゅうちゅう」を読んだあとだったから、
こんな気持ちになれたのかも、と思いました。
大人や子どもという垣根を越えて、素晴らしい絵本は、
「人に何かを気づかせる」そして「人の気持ちを変えていく」力を持つものです。



「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」機会がありましたら、是非お手にとって見てください。
ちなみに、作者のバージニア・リー・バートン は、「名馬キャリコ」や「ちいさいおうち」の作者としても有名、
もっとも優れた絵本に与えられる「コールデコット賞」も受賞しています。




明日からグアムに旅行です。
ちょっとお休み。
・・・暴走しない程度に、楽しんで来ます!(^_-)-☆


(^^)/~~~




コメント (2)
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