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養老孟司著「ヒトの壁」を読了

2023年06月27日 17時08分09秒 | 読書・本を読む事への楽しみ誘い。日蓮正宗御本。その他一般著作物電子書籍・辞書類
 
 養老孟司先生著作の「ヒトの壁」を本日、読み終わった。勿論、電子書籍である。
 ただ、鎌倉市内にある、自宅を舞台に、「コロナ禍」で世間は騒いでいるが、それを横目に見て、文明論を語ったり、自由に論を進めている。
 最後は、愛猫「まる」の、生と死を描き、最後はその愛猫が亡くなった所で、大体の、この本の結論、というのか、幕を閉じる。
 あとがきを書いている、令和三年2021年十一月には、前に出版した、「バカの壁」が、四百五十万部を突破したと、述べる。
 しかし、謙虚なもので、それは、ある先輩に、「あんたの書く事位はだれでも考えているんだよ。ただ表現能力がないだけだ」と言われた、と書き、そうかも知れないな、と著者、養老先生は仰る。
 そこまで、考えが及ぶ、先生の思考法に、皆の注目が集まるのだ。学者は、「新しい発見・思考法」を求められるのが常だが、養老先生は、特段、新しい考えを提示しようとは思わなかったと言う。
 ただ、こうした学者の考え方、自然科学の考えと、世間の考え方の、「ズレ」を、常日頃から探求しつつ、そのズレが、考える動機となっていたのだと。
 明治以来、日本の欧米化に伴い、日本の独自の、古い伝統的価値を持つ考え方と、欧米の新規の考え方との、正に、衝突が、日本の各世代間にも起こっていた。その、欧米流の考え方がダメだとか、間違っているとは、先生は、正面からは論じた事は無いと。それに対する回答も無いと言う。それで良い回答があるのなら、本を書く動機にはならない。要はどう、折り合いをつけるのか。
 無限に思考が、養老先生からは、発せられ、続いてゆく。
 そこへ、二十年近く飼っていた、猫の「まる」が、段々衰弱してゆき、やがて亡くなる。その、断片が、最後のこの本の掉尾を飾る。
 もう、猫も、飼いたいが、自分自身の寿命も考えて、飼いたくはないと言う。その辺の事情は、養老先生には家族もいるが、私は一人暮らしであり、非常に身につまされた。
 やはり、猫を飼えると言うのは、贅沢な趣味だと、私自身も、納得尽くで、そう思う。しかし、自分の周りに、何一つ、何一匹、自然界の、動物がいないのが、私は、私のうちでは、父母が家にいた頃は、ペット屋さんをやっていた関係から、動物無しの生活は、ただ、寂しい。それだけだ。
 動物に恋慕してしまった、今回の、養老先生の「ヒトの壁」という本の、読後感であった。

以上。よしなに。wainai


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