南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
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安藤・前宮崎県知事の訃報
政治
/
2010年04月30日
宮崎県。
私が中2~高3という青春(?)の5年間を過ごした県。
未だに民放が2局しかない県。
陸の孤島と言われ、宮崎リニア実験線を視察した運輸大臣時代の某都知事に「ブタ小屋しかない」と言わしめた、交通機関が未発達の県。
少し前までは日本で最下位を争うほどのマイナーな県だったが(もっとも私の親の世代は新婚旅行のメッカだった訳だが…)、東国原知事が就任して以来、国内有数の知名度を持った県となった。一時期宮崎に住んでいた私、はたまた九州出身の私としては、宮崎県が有名になるのはとても喜ばしく、嬉しく思っている。
その東国原知事が誕生するきっかけとなったのが、安藤忠恕前知事の汚職事件。官製談合と贈収賄の疑惑で就任わずか1期目にして、その座を追われたのだ。
その安藤前知事が、今日亡くなった。享年69。血液の癌と言われる「悪性リンパ腫」だった。
安藤前知事が知事に初当選したのは2003年。ちょうど私が就職したのと同じ年だ。だが、私が安藤前知事に興味を示したのは、その名前だ。「忠恕」と書いて「ただひろ」と読む。
そう、論語を読んだことがある人ならばすぐにピンと来るはずだ。
『夫子の道は忠恕のみ』…孔子様は、真心をもって己を尽くし、他人に対する思いやりを持つことに一貫していた。
(夫子…孔子に対する尊称。忠…まごころ。恕…おもいやり)
「恕」の字については次の論語にも。
『それ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ』…(人が一生でなすべきことを1文字で表すとすれば)それは「恕(思いやり)」である。自分がして欲しくないことは、他人にもしてはいけない。
この故事成語を知って以来、「恕」の字は私が大好きな漢字の一つでもある(「怒」に似ているが意味はまったく違う)。
忠恕という素晴らしい名前を親から授かり、その名に恥じず、県職員として長く宮崎のために尽くし、ついに宮崎県知事までに上り詰めたのに、このようなことで職を辞することになり、とても残念に思っていた。
昔から「あまりよすぎる名前は名前負けするからかえってよくない」とも言われるので、その代表的だと思ったりもした(失礼ながら…)。
しかし、いずれにしても宮崎県知事を務められ、宮崎県の発展に多大なる貢献をされた方である。そのような方が亡くなられたのは残念でならない…。
それに、大きい見方をすれば、東国原知事を誕生させた最大の功労者と言えるのかも知れないのだ。
汚職事件は本当はどうだったかのか。裁判はまだ途中だったので、真相はもう明かされることはないのだろう。
安藤前知事はずっと「自分が主体的にやったことではない」と無実を訴えていたという。その裁判に身を削り、命を縮めてしまったのかも知れない。
裁判はこのまま打ち切りになるのだろうが、今は、もう、そっとしてあげたいような気もする…。
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