日本遺産の景観「浜茶」も冠水 台風影響で京都・山城

2017-10-31 19:57:58 | 災 disaster
 超大型の台風21号は京都・山城地域にも激しい風雨をもたらし、各地で道路の寸断や農地の冠水など、被害が相次いだ。

 国道163号が笠置町などで22日午後10時ごろから通行止めとなり、23日午前8時半ごろに解除された。木津川、井手、宇治田原、笠置、和束、南山城の各市町村では土砂崩れや倒木、落石による通行止めが相次いだ。

 宇治市莵道でも23日午前3時ごろ、昨年9月に大雨で土砂崩れが起きた市道で、鉄製の防護柵ごと斜面が崩れた。三室戸寺に近く、復旧の見通しは立っていない。

 木津川市加茂町の海住山寺では参道の一部が崩れた。通行は可能で、注意を呼び掛けている。

 民家の被害も相次いだ。木津川市加茂町大野で1棟が床上浸水した。同市木津で10棟、和束町石寺で1棟が床下浸水した。また井手町田村新田で23日午前2時半ごろから約80世帯が一時停電した。

 木津川沿いでは茶畑が冠水した。茶園の覆いにたまったごみや、茶葉に付いた泥の処理が課題になりそうだ。

 八幡市の河川敷に広がる「浜茶」の茶園約15ヘクタールが増水で漬かった。高級てん茶の生産地として知られ、景観が「日本遺産」に指定されている。都々城(つづき)茶生産組合事務局(JA京都やましろ)によると、施肥や防除作業をしていた最中で、影響を調べている。城陽市でも川沿いの茶畑約20ヘクタールが冠水した。

 各地でビニールハウスの被害や、刈り取り前の稲の倒伏も相次いだ。キュウリ栽培のハウスが破損し、応急処置していた久御山町の男性(60)は「事前に補強していたが予想以上に風が強かった。ただでさえ雨続きで育ちが悪く、野菜の値段が上がるのでは」とこぼした。

 観光施設にも影響が出た。淀川河川公園(京都府・大阪府)は、背割堤地区(八幡市八幡)を含む全地区が22日昼前から臨時閉園した。再開の見通しは未定という。

 笠置町隅田の温浴施設「わかさぎ温泉 笠置いこいの館」は、近くを流れる白砂川の増水で駐車場が冠水し、23日は臨時休業した。

【 2017年10月24日 12時21分 】


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