このところ毎週のように台風が来襲する日本列島ですが、皆様は被害なかったでしょうか?台風14号は列島を縦断し、田川もものすごい暴風雨でした。9月20日の朝には、町のいたるところで木が倒れたりしていたのにはびっくりです。
さて日本の歴史上影響の大きかった台風といえば、鎌倉時代の元寇の神風が有名ですが、古代にも日本武尊(ヤマトタケル)の東国遠征の際に嵐があり、妻の弟橘媛が海中に身を捧げて一行は難を逃れたという伝説がありました。三浦半島から房総半島に渡る今の東京湾横断の際で、その媛の袖が流れ着いたのが「袖ヶ浦」という地名になっています。車のナンバープレートにもなっている関東ではおなじみの地名ですが、「妾、御子に易りて海の中に入らん。御子は遣はえし政を遂げて輻輳したまふべし」とのくだりが古事記にあります。
白鳥神社
由緒書
成道寺
そのヤマトタケルの足跡が田川にもあります。高羽(田川)の川上にいた土蜘蛛の土折猪折(ツチオリイオリ)なる者をヤマトタケルが討伐し、その体を切り割いて各地に埋め、「猪膝」「猪鼻」などの地名になったと伝えられています。またかつてブログでカエルの「鳴かずの池」「小督の墓」で紹介された成道寺は、平安時代末期には既にあり、山号「白鳥山」は隣接する「白鳥神社」と関係があるようです。神社の由緒記によると比叡山延暦寺の開祖最澄が唐から帰国の途中、ヤマトタケルが夢枕に立ち、「昔麻剝を討った高羽川の川辺に自分を祭れ」と告げたそうです。そこで最澄は神像を安置して垂迹白鳥大明神として祭りました。
ヤマトタケルは景行天皇の皇子で仲哀天皇の父に当たります。熊襲征伐、東国遠征など日本各地へ征討の旅に出ていましたが、近江国で大蛇に化けた山の神の毒に当たり伊勢国で亡くなってしまいます。そしてヤマトタケルは白鳥となって飛び去ったという伝説が各地に残ります。