道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

折り合いをつける

2024年03月10日 | 随想

「折り合いをつける」ことは、社会生活を円滑に進捗させる上で極めて重要である。この世は折り合いの「つけっこ」で成り立っている。折り合いのつけ方の上手・下手は、世渡りの巧拙を決めることになる。トラブルの種を蒔かないためには「折り合いの宜しき」が肝要である。

「長いものに巻かれる」のは、折り合いをつけるひとつの便法だが、そればかりでは人生が面白くないだろう。ゆるく巻かれるのと堅く巻かれるのとでは、大きな違いがある。ゆるく巻かれて生涯を終えることができるなら、結構安全で安定した生き方だろうが、堅く巻かれてしまうのは息がつまり、わが身を損なう素になるだろう。

長いものに巻かれない、自由で自立した生き方を望む人は多いが、これは誰にでもできるものではない。安全・安定を担保するものがない生き方は、タイトロープを渡るに近い。動物的な勘のようなものの持ち主とか、滅多にない才能の持ち主でないと、渡り切るのは難しそうだ。

兎角世渡りは難しい。若いうちに、折り合いの達人になるよう、自己を陶冶するよりほかに、慥かな道はないようだ。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソバーキュリズム(Sobercuri... | トップ | 「深坂越え」ご案内 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿