「長いものに巻かれる」のは、折り合いをつけるひとつの便法だが、そればかりでは人生が面白くないだろう。ゆるく巻かれるのと堅く巻かれるのとでは、大きな違いがある。ゆるく巻かれて生涯を終えることができるなら、結構安全で安定した生き方だろうが、堅く巻かれてしまうのは息がつまり、わが身を損なう素になるだろう。
長いものに巻かれない、自由で自立した生き方を望む人は多いが、これは誰にでもできるものではない。安全・安定を担保するものがない生き方は、タイトロープを渡るに近い。動物的な勘のようなものの持ち主とか、滅多にない才能の持ち主でないと、渡り切るのは難しそうだ。
兎角世渡りは難しい。若いうちに、折り合いの達人になるよう、自己を陶冶するよりほかに、慥かな道はないようだ。
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