10月10日、トヨタ人財育成研究所 所長 肌附安明(はだつき やすあき)氏の講演が朝明商工会館であった。講演の内容は簡単に云うと「日本の物作りの技術と精神」の様な内容でした。色々と参考になる話の中でトヨタの主力車であるハイブリット車の「プリウス」の開発が面白かった。
講演する肌附氏
1997年、京都議定書(気象変動に関する国際連合枠組条約)が決まった。つまりこのまま人類が地球温暖化の原因に成っているCO2等のガスを排出すると地球は崩壊する、依ってCO2の排出を規制しようと会議で決まった。当時トヨタの奥田社長はそれに対応する車を作る様に社員に激を飛ばした。この京都議定書にアメリカや中国、インド等は反対して批准しなかった。
トヨタは悪戦苦闘してハイブリット車を作ったがトラブル続きで物に成らずトヨタ本体を揺るがすほど赤字が出たそうです。当時のアメリカ車はガソリン1Lで3Km程度しか走らないが不思議と油を撒き散らす大型車がよく売れた。ハイブリットの技術が完成した時、トヨタはGMと共同生産しようと持ち掛けたが日本の技術にGMはプライドを傷つけられたのかソッポをむいた。
あれから10年、時代は様変わりしてしまった。ガソリンは高騰してガソリンを大量消費するアメリカ車は売れなくなった。プリウスはこんな時代でも売れすぎて生産が追いつかない状態が続いています。
トヨタは有限の資源である石油の高騰や地球環境に優しい製品でないと売れないことを読んで戦略を立てたがアメリカは目先の利益を優先し技術開発を怠った。
トヨタの取り組んでいる新技術の一部
人間は窮地に追い込まれると英知を絞り新しい技術が開発され新しい時代に突入する、此れから10年~20年も経つとどんな社会に成っているでしょうか。
何年経っても変らないのが人間の欲望(財欲、名誉や権力欲等)、これは太古の昔から今もそして未来も変らないでしょう。