私の友人が遊びに来てこんな小話をしてくれた、心の核心を突かれ聴いていて心地よかったので紹介しましょう。
或る男の住んでいる村が洪水に襲われた。最初は家の床まで水が入ってきた、自治会の役員さんが「水嵩が増して来るので避難所に逃げて下さい」と声を掛けてくれた。しかし男は「私は神さんを信じているので大丈夫」と云って非難しなかった。
水嵩はドンドン増してきて二階まで来た、今度は消防の人が来て「このポートに乗って早く非難して下さい」と云って来た。しかし男は「私は神さんを信じているから大丈夫」と云って非難しなかった。水嵩はドンドン増してついに屋根まで来た。再度消防の人が来て「早く非難して下さい」と助けに来てくれた。しかし男は「私は神を信じているから神さんが助けてくれるので大丈夫」と云って救助を断った。水嵩はドンドン増して棟の所まで来た。男は「神さん、助けて下さい」と祈った。すると神さんの声が聞こえてきた「私は三度もお前を助け様としたがお前は総て断ったではないか。」
信心深い男が旅をしていた。険しい山道を歩いていると突然足を踏み外し谷底へ真っ逆さまに落ちて行った。幸いにも木の枝にしがみ付き何とか一命を取り留めた。男は神さんに祈った、「神さん助けて下さい」。すると神さんの声が聞こえてきた、「命を助けてやるからその枝の手を離せ」と告げられた。
我々の信心なんて都合勝手で浅いものだ。