2017年10月6日(金)にアメリカの9月の雇用統計が発表された。
アメリカはこの夏、フロリダを中心にハリーケーンが猛威をふるい、雇用統計にも大きな影響を及ぼしていることが判明した。
雇用者が7年ぶりに減少したのはその最たるもの。
そんななか注目を集めているのが平均時給の急上昇である。
9月の平均時給は1年前より2.87%上昇した。
アメリカではこの理由について、ハリケーンの影響を受けた地域で賃金の低い娯楽産業の労働者が多く仕事を失った結果だとする意見が多い。
その影響はたしかにあるであろう。
ただ産業別に平均時給をみると先月と今月、小売など一部の例外を除き多くの産業で平均時給が最近数か月より高く上昇している。
賃金の急上昇がハリケーンによる一時的なものなのか、あるいは長期的な賃金・物価上昇トレンドの始まりを示すものなのかこれから数か月、注意してみていく必要があるだろう。
なおフィナンシャル・タイムズは、今回の雇用統計後、フェデラル・ファンド先物から計算される12月の米利上げ確率が前日の77.5%から90%以上に上昇したと報じている。