大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

トルコリラ、再び下落: ドイツが金融支援を検討

2018年08月29日 | 日記

 トルコリラがふたたび下落している。

 フィナンシャル・タイムズ(2018/8/29)によれば、きっかけはムーディーズが外貨建て負債への大きな依存を理由にトルコの20金融機関の格付けを引き下げたこと。

 同紙によれば、今後1年以内に借り換えが必要なトルコの外貨建て負債は770億ドル(8.5兆円:1ドル=110円)にのぼる。リラ下落により、借り換えコストが大幅に増加しており、借り換えがスムーズに進むか注目される。

 9月13日にトルコ中銀の会合が予定されているが、リラ下落を食い止めるため利上げがなされるかどうかについても注目される(FT紙は、利上げされない可能性が高く、そのため危機の終息がいつまでたってもみえてこないとしている)。

 ちなみにウォール・ストリート・ジャーナルは、ドイツが金融危機をさけるためトルコへの金融支援を検討していると報じている。ただその場合、IMFの参加や財政の緊縮などが条件となる見込みで、いまのところ反緊縮を貫くエルドガン大統領の合意を得られる可能性は小さいのではないかと思われる。