トルコリラがふたたび下落している。
フィナンシャル・タイムズ(2018/8/29)によれば、きっかけはムーディーズが外貨建て負債への大きな依存を理由にトルコの20金融機関の格付けを引き下げたこと。
同紙によれば、今後1年以内に借り換えが必要なトルコの外貨建て負債は770億ドル(8.5兆円:1ドル=110円)にのぼる。リラ下落により、借り換えコストが大幅に増加しており、借り換えがスムーズに進むか注目される。
9月13日にトルコ中銀の会合が予定されているが、リラ下落を食い止めるため利上げがなされるかどうかについても注目される(FT紙は、利上げされない可能性が高く、そのため危機の終息がいつまでたってもみえてこないとしている)。
ちなみにウォール・ストリート・ジャーナルは、ドイツが金融危機をさけるためトルコへの金融支援を検討していると報じている。ただその場合、IMFの参加や財政の緊縮などが条件となる見込みで、いまのところ反緊縮を貫くエルドガン大統領の合意を得られる可能性は小さいのではないかと思われる。