大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

東京地裁、ゴーン氏の保釈決定: 海外からの役員リクルートに朗報

2019年03月05日 | 日記

 日本でもゆっくりであるが海外からCEOをよぶことが増えている。

 よく知られているところでは、武田薬品のクリストフCEOやマクドナルドのカサノバCEO、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長をあげることができる。

 ほかにも、トヨタがAIを利用して自動運転技術を開発するために立ち上げたTRI-IDという企業でも元グーグルのジェームス・カフナー氏がCEOを務めるなど、最先端企業で海外役員を獲得する動きが強くなっている。

 こうした流れに冷や水を浴びせたのがゴーン氏の長期拘留である。

 ゴーン氏は、長期にわたって拘留され、弁護士の立ち合いなしに尋問を受けているが、これは日本の感覚に直すと、外国でいきなり逮捕され弁護士に連絡することができないまま裁判に進むようなもので、欧米からはとても異様な状況ととらえられている。

 ブルームバーグは、日本の自動車メーカーのため海外役員をリクルートする会社関係者の発言として、役員レベルのリクルートで接触した15人の2/3がゴーン氏の件を懸念事項にあげ、二人の役員候補がゴーン氏の件がどうなるかわかるまで判断を留保していると伝えている。

 今回の保釈決定が、こうした流れを変え、日本の司法制度を欧米レベルに近づけるきっかけになればなあと思う。

 なおブルームバーグによれば、すでに日本の上場企業の8%に外国人役員がいるとされている。