2017年3月13日(月)、議会予算局(CBO)は、共和党・下院のオバマケア改廃案の影響を分析した結果を公表した。
(プラスの影響1:財政赤字削減)
個人や州への補助金削減により10年間(2017-2026年)で財政赤字を3370億ドル(約39兆円:1ドル=115円で計算)減らす。
ちなみにWSJによれば、2010年にCBOは、富裕層への増税などによりオバマケアでも2019年までに財政赤字が1240億ドル(14兆円)減るとの分析を公表している。
(プラスとマイナス:保険料)
保険に加入しない人への罰金がなくなることで、健康な人が保険に加入しなくなり、おもにその結果として2020年にかけて保険料が上昇する。
2018,9年の保険料の上昇率は、15-20%になるとみられる。
ただし2020年以降は保険料が低下し、2020年にはオバマケアを続けるより10%程度安くなる。
(マイナス)
2018年に1.4千万人の人があらたに無保険になる。
それが2020年には2.1千万人、2026年には2.4千万人にまで増加する。
この結果、2026年における無保険者は5.2千万人に達する(オバマケアでは2.8千万人)。
大統領選挙以前はどの世論調査をみても、オバマケアを否定的に見る人が、肯定的にみる人より多かったが、最近では、オバマケアを肯定的にみる人が過半数を超えるようになっている。
共和党支持者の間でも不満が大きくなっており、現在アメリカでは共和党・下院のオバマケア改廃案がこのまま上院を通過することは不可能とみる人が増えている
今後、どのようなスピードで、どのように法案修正が進むか注目される。