大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

アメリカ、今週末に政府閉鎖の可能性

2018年12月18日 | 日記

 今週末の2018年12月22日(土)の午前00:01に、現在の暫定予算の期限が切れる

 ウォールストリートジャーナルによれば、現在、共和党と民主党は暫定予算を2週間延期(年初まで延期)する話合いをおこなっている。

 これに対し、予算法案の拒否権をもつトランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を建設する予算が入らなければ暫定予算案を認めないとし、議会とはげしく対立している。

 政府閉鎖になれば、生活や経済への影響は小さくない。

 通常、政府閉鎖になると議会への批判が高まるが、今回はトランプ大統領が「壁への予算がなければ政府閉鎖する」「(そうなれば)政府閉鎖を誇らしく思う」、といった発言を繰り返している。

 このため、政府閉鎖になった場合、批判はおもにトランプ大統領に向かうとする見方が多く、WSJは、そのことが議会がトランプ大統領と妥協することを難しくしているとしている。つまり政府閉鎖の可能性を高めている。

 経済が軟調ななか、トランプ大統領が暫定予算法案に署名するか(拒否権を行使しないか)注目される。

追記

 2018年12月22日(土)の午前00:01から、アメリカで政府閉鎖がはじまった。

 上院は、国境の壁を建設するお金をまったく含まない予算案を全員一致で採択。

 これに対し、下院は壁の建設費を含む予算案を共和党の多数で可決した。

 結局、暫定予算が期限切れとなる2018年12月22日までに単一の予算案を上下院で可決することができず、政府閉鎖が始まった。

 

米政府閉鎖の背景と今後 (2018/1/21)

米上院、債務上限の引き上げで合意 (2018/2/7)


英メイ首相、信任投票の結果

2018年12月13日 | 日記

 現在、2018年12月12日(水)の深夜。

 あと数時間で、保守党でメイ首相(党首)の信任投票がおこなわれる予定になっている。

 不信任になればあらたに党首を選出することになり、選出された人が次期英首相となる。

 焦点は、EU離脱のありかた

 メイ首相はさきに、EU離脱後もしばらくのあいだはEU諸国とこれまでどおり無関税で物やサービスのやりとりができること(=EU関税同盟にとどまること)でEUと合意。

 これに対し、強硬な離脱派は、ひとたびそのようなことが認められると、そのような状態が永続することになると強く反発している。離脱派は、イギリスが一国で関税などについて自由に政策決定できること-「主権の回復」-を強く求めている

 メイ首相の離脱案は、①いまのところ英議会で過半数の賛成をえる見込みがない、にもかかわらず②EUが離脱にかんする再交渉を拒否しているため別の離脱案もつくることができない。このため、メイ首相が信任されても、不信任となってもイギリスの前途は多難である。

 ニューヨーク・タイムズによれば、EU司法裁判所(最高裁に相当)は2018年12月10日(月)、イギリスがEU離脱を中止する判断をすれば、それを認めるとの判断をくだしている(中止に加盟国の同意は必要ないとされている)。

 朝には信任投票の結果がでているであろうが、どのような結果にしろ前途は依然として不透明なままである。今後どのような展開になるか注意してみていきたい。

参考

イギリスがEUを離脱したら (2016/6/19)


2018年11月、中国の自動車販売台数、前年比で14%の大幅減少

2018年12月12日 | 日記

▲ 中国における自動車販売台数の推移(出所:中国自動車工業協会)

 

 2018年12月11日(火)、中国自動車工業協会は11月の自動車販売、生産台数を発表した。

 発表によれば、2018年11月の自動車販売台数は254万7,800台前年同月にくらべ13.9%(41万台)の大幅減少となった。

 ちなみに日本の2018年11月の自動車販売台数は44万2千台(軽含む)。中国がいかに巨大な自動車市場であるかがわかる。

 ところで、図からわかるように中国では今年の7月ごろから、自動車の販売台数が前年同月を下回るようになり、その下落率が徐々に広がっている。

 中国は、リーマンショック後、世界同時好況のけん引役になってきた。中国の変調は、日本を含む世界経済にきわめて大きな影響を及ぼすことは必至。販売台数の動向を、注意してみていきたい。


フランスのマクロン大統領、最低賃金を8%引き上げ(時給1380円へ?)

2018年12月11日 | 日記

 私はこのブログとは別にホームページを開設しているが、今日の訪問者がふだんの10倍になっていて驚いた。

 調べるとほとんどは最低賃金の国際比較をしているページへの訪問であった。

 フランスのマクロン大統領が、黄色いベスト運動に折れるかたちで最低賃金を8%引き上げるとのニュースがあった影響であろう。

 ときどき、こういうことがおこる。

 ところで、フランスの現在の最低賃金は9.88ユーロ(1280円:1ユーロ=130円で計算)。

 今月のはじめには、フィリップ首相が最低賃金を1.8%引き上げ、10ユーロ(1300円)以上にすることを示唆したというニュースがあったが、今回の発表はそれを大幅に上回るものであった。

 ちなみにフランスでは週35時間労働が一般的(他のヨーロッパでも35時間労働が一般的になりつつある)。現在の1280円という最低賃金で週35時間はたらくと、1か月の賃金はおよそ19万5千円となる。これが来年1月1日(2月)から8%引き上げられることになる。

 正確な額がわかったらホームページにすぐに書き込むことにしたい。


2018年11月の米自動車販売、前年より0.5%の減少

2018年12月04日 | 日記

(一部修正)

 オートモーティブ・ニュースによれば、2018年11月の米自動車販売台数は前年比0.5%の減少になった(事前予想は上回った)

 フォードが前年比-7.1%となったほか、セダンへの依存が高い日系メーカーで減少がめだった。

 その一方で、J.D.Powerによれば新車の平均価格は33,697ドル(370万円:1ドル=110円)で過去最高となり、メーカーが販売店に払う販売報奨金も低下傾向にあるため大型車への依存が高い米自動車メーカーの利益への影響はかぎられそう。