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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

大人目線だと、ちとツライ 冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」

2017-02-02 10:50:24 | 日記
もう1日読書のお話です。直木賞候補にもなった冲方丁作「十二人の死にたい子どもたち」こういう作品が出るのも時代なんでしょうね。私の子どもの頃は、考えもしなかった。
タイトル通り、様々な理由で「死にたい」十二人の子供たちが、いまは廃業した病院に集まります。ネットで集まった子どもたち。これも時代ですかね。みんなで安楽死するのが目的。が、集まってみると、そこには、既に一人の子どもが横たわっていました。想定外の出来事に、彼らの心は揺れます。話し合いが始まります。
登場人物は中高生の子どもですから、どこまで、きちんとキャラクター分けできているのかなと、思って読みました。それなりに、きちんとキャラ分けできているとは思いましたが、やはり、読んでいてしんどい部分はあります。「アイドルとして生きることに疲れた」というリョウコのような子どもばかりだとわかりやすいのですが、親から虐待受けているとか保険金掛けられているとか似ている理由の子もいるし、、あと、「そんなことかい!」とツッコミ入れたくなるような子も登場します。もちろん、これは、私が大人目線で見ているせいかもしれません。
一緒に論じるのは無理があるかもしれませんが、高校生を主人公に据えた宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」のほうが、私はしっくりきました。ただ、ラストは「再生」に向けて希望が感じられてよかった。これはよかったと思います。