木の名前の3頭はゆく
河川敷に通じる広場に色の濃いゴールデンがいるのが見えました。今まで見てきたゴールデンの中で最も濃い赤茶色。珍しいなあと眺めていると、飼い主さんの顔に見覚えがある。そのゴールデンが子犬の頃に何度かグランドで会ったことがあったのです。
そのとき毎度のように、なぜかロールパンを持参していて、ちぎっては子犬にやっているのです。ある日、うちの犬に「食べる?」と言ってロールパンをくれようとしたので、「うちの犬は太りぎみなのでけっこうです」と言ってお断りしたのですが、なぜいつもロールパンだったのか。
「まあ、こんにちは」と呼びかけると、ゴールデンの飼い主さんも思い出したらしく、というか、黒ラブ3頭も引き連れているのは、河川敷でも私くらいで、印象に残っていたのだと思います。
で、「ああ、あのスギとかマツとかいう…」と目を細めながら言ったのです。
そう、多分、木の名前であることは記憶していて、しかも呼びやすい2文字の木の名前だったということも覚えていたのでしょう。でも、3本目の2文字の木の名前が思い浮かばず、スギとマツに…。
確かに木の名前ではありますが、いくらなんでも「スギ」と「マツ」は、ねえ。
私が笑いながら「違いますよ~。トチ、ブナ、クリですよ~」と言ったら、おじさんも「そっか」と言って笑ってました。
面白かったので、散歩中に「スギ!」「マツ!」と呼びかけてやったけど、誰ひとりとして振り向きませんでした。当たり前だけどネ。