大震災から3週間余り経った昨日は、1.8キロ沖合の洋上に浮かんだガレキの山から、1匹のメス犬が生きて救助されたことが唯一明るい話題となった。
今回の震災でどれだけ多くの犬や猫が命を落としたことだろう。
日本盲導犬協会仙台訓練センターを拠点に活躍していたPR犬のヴィンスが津波に流されて行方不明だという。ヴィンスはオスのラブラドール。震災の前日に5歳になったばかりだったそうだ。犬たちだって怖かっただろうなと思うと、胸が張り裂けそうになる。
被災地域で暮らしていた視覚障害者と盲導犬55組は何とか無事に避難できたようだが、信号や歩道の段差などを確認しながら飼い主を誘導する盲導犬にとって、そして盲導犬を頼りに歩く飼い主にとって、信号も流され、歩道にはガレキの山がうず高く積まれ、障害物が多い場所を歩くことは、どれだけ大変なことだろう。
家庭で飼われていた犬や猫が飼い主とともに命からがら逃げられたとしても、避難所で一緒に暮らすことはなかなか難しい。動物愛護団体やボランティアの人たちへ引き取りを依頼する件数も増えている。
私が飼育規制のない一戸建ての家に住んでいて、何も飼育していなかったら、被災した人たちが少し落ち着けるまで、何頭か預かってあげるのだけど……。避難している人たちも犬や猫も「みんな、こらえて」としか言えない。
福島1号原発周辺の海で基準値の3355倍の放射性ヨウ素が検出されたという発表とともに、いつもの保安院の報告者がまたまた「直ちに健康に影響はない」と言っていたが、そのとき私は「じゃあ、何倍になったら、危険だと言うのだろう」と思った。
中部大学の武田邦彦教授が、私のその疑問と同じ言葉をブログに記載しており、私が実感としてメディアに感じていたこととほぼ同じ内容のことを記述していたので、長くなるけれど、ここに引用しておきます。
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福島原発で放射性物質が漏れたとき、一般人が1年間に被曝しても大丈夫な量は、
(法律と私) 1ミリシーベルト
(解説者) 100ミリシーベルト
参考:(政府)「直ちに健康に影響はない」
と大きく違いました。これでは普通の人が迷うので、「違いの原因」だけ解説をしておきます。(中略)
100ミリシーベルトを支持する専門家とわたくしとは、放射線を浴びることによってどのくらいガンになるかという「科学的事実」については見解はほぼ同じです。
違いは「危険」と感じる程度が違います。
おそらく100ミリシーベルトを支持する専門家は、100人が50人とか100人がガンになるような場合が「危険領域」とご判断されていると思いますが、私は100人中1人でもガンになるというのは「大変なことだ」と考えているという感覚の問題かもしれません。
この判断は、読者の人がご自分のお考えに合わせて判断するべきものと思います。政府やメディアは「1万人に1人ぐらいで騒ぐのは風評だ」と言っていますが、騒がない方が風評のように思います。
さて、このことで二つ考えるべきことがあります。
一つは、一見して科学者の間で、科学的事実の解釈に差があるように見えても、よくよく見ると科学的事実は一致していても、「人生、健康、思想、政治的立場」で差がある場合があります。
このようなときに専門家はお互いに非難することなく「どこに考えの差があるのか」ということをはっきり言ったほうが聞いている方はよくわかると思います。
もう一つは政治の問題です。
かつては、日本に資本主義を支持する人と社会主義を支持するグループがあって、国会では与党と野党を形成していました。
こんどのような時には、資本主義を支持する与党の人はどちらかというと原発推進の立場から「このくらいの放射線なら大丈夫だ」という発言をし、それに対して、社会主義で野党の人は庶民を守ると言う見地から「危険だ、政府は隠している」と追及して、それがあるバランスになっていたように思います。
またメディアの中でも政府に批判的なメディアがあり、国民が放射線を浴びるのは良くないということを基本に、紙面を作り、それが政府を動かしたりしました。
しかし最近ではメディアも含めてオール与党のようになったので、今回の件でも政府の発表等を鋭く追及する力が弱かったようにも思います。
特にわたくしは、発電所周辺の海で基準値の3355倍の放射性ヨウ素が見つかった時に、保安院は「直ちに健康に影響はない」と記者会見で言っていました。政府は明らかに不適切なことでも言うこともあります。
それに対して、もし、わたくしがそこにたら、
1)それならば何万倍になれば危険になるのですか?
2)健康に影響がないということは、原発の近くの海で子供を海水浴させてもいいのですか?
という質問をしたと思います。
これを考えても政府発表に対しての記者の方の追及の力が弱いように思います。わたくしはそれこそがメディアや学者の役割と考えています。
(平成23年4月2日 午前9時 執筆)
仕事をしている媒体の関係で、農林水産業に携わっている方達の被害の深刻さについ目がいくし、何とか協力したいと思っている。
だから、彼らから発信されたものをこのブログにも掲載したりする。そうするときには、やはりとても悩む。放射性物質の漏えいがなければ、もっと単純に後押しできるのだけど、そこで板挟みになってしまう。
三陸沖、茨城沖、房総、東京湾の海で漁をする人たちを応援したいし、福島、茨城などの農家さんも応援したい。
それにはそこで獲れた魚やそこで収穫された野菜を、消費者が買い支えることだ。けれど、放射能汚染は見過ごせないという現実を突き付けられると、どうしていいか分からなくなる。
「原子力」という見えない怪物を前に、本当に無力感を感じる。一日でも早い収束を祈るばかりだ。
被災して多くの被曝線量計が破損した時点で、なぜ東電はすぐに何とか入手する手段を講じなかったのか。原則「1人1台」持つことが決められていたのに、チームの代表者だけに持たせたのは「数が足りなくなったから」と今になって説明しているが、どれだけ手配する努力をしたのだろうか。
被災から3週間も経って、そんなことが明らかになり、今度は1人1台を徹底すれば、作業員の全員が現場に入れなくなるため、作業が遅れることは避けられないと、さもそのせいで作業が遅れるような言い訳をしている。
東電は「被曝管理に問題はない」と言うけれど、今まで経験したことのない原子力事故の現場においては、想定外のことが起こりうる。だいたい今回の津波や大地震だって「想定外だった」と簡単に言っているじゃないですか。
作業員の人命を何と思っているのか。作業員の家族はどれほど心配していることか。
すでに海にも放射線物質で汚染された水が流れ出し、空気中にも水道水にも漏えいしているわけだから、原発内で作業している人たちが不安になるのは当たり前で、彼らの安全を守ることすらできずに、なぜ周辺住民を被曝危機から守れるのか。
本当に東電の釈明にはイジイジする。菅さんも枝野さんも、そんな東電や原子力保安院の手ぬるい対応にもっと怒るべきだ。国民を守る気なんて、まるでないかのようだ。保安院はいったい何を保安しているのか。
取材で知り合った漁師さんからの告知です。エンジョイ・フィッシャーマンとは、全国の漁師仲間が中心となって興した会社です。
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今後も引き続き、プロジェクト「舫」~東北関東震災復興のために~(仮)※と名づけて、岩手と宮城の漁師仲間を支援していければと思っています。エンジョイ・フィッシャーマンとしては漁師や水産に特化した支援と基金を進めようと思います。
また、今後拡大しそうな一次産業を苦しめる風評被害に対しても出来る限りの事はやっていこうと思っています。今後とも宜しくお願いいたします。
※「舫」とは、船をつなぎ止めておく綱のことを言います。
自分達が行なった「打瀬舟」を熊本から千葉まで回航したプロジェクトにも使わせていただきましたが、多くの仲間をお互いに繋ぎ助け合うにはピッタリの言葉だと言うことで、今回も使って行こうと思います。
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東京湾の被災地から東北の被災地に元気を!
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日時 : 4月9日(土)9時集合、10~12時、生海苔摘み・募金
場所 : お台場学園(港陽小学校)ピロティー (東京都港区台場一丁目1番5号)
東北関東震災は東北関東の太平洋沿岸に多大な災害をもたらしたことは皆さんもご存知のとおりですが、東京湾にも津波が来襲し、沿岸の養殖施設に多大な被害を与えました。
富津地区、市川・船橋地区は海苔施設の壊滅。木更津地区はアスファルト原料流失による生産不能、施設撤去・・他にも漁船などが沈没する被害が少なくありませんでした。
その中で「ザ・漁師’s」のメンバーでもある千葉・市川の福田丸さんのところも、海苔網が被災し、今年度の養殖を終えることになりました。
しかし、海苔自体はまだ立派に生きているため、絡んでしまった海苔網を陸に上げてボランティアで摘み取りし、その売り上げを震災の義援金にするという活動を始められています。
そこで、6年間海苔つくりを行なっている台場地区でも、福田さんの協力の下で生海苔摘みを行い、東北関東震災義援金を募集し、東北の漁師さん達に元気を出していただこうと思います。 一般の参加者も募集します。
是非、皆様方にもご参加いただければと思います。
当日参加でも結構ですが、海苔網にも枚数の限りがあります(10枚200kg程度の予定)事前に人数の解る方は弊社担当者(金萬)にメールにてお知らせください。
募金の主催ならびに送金先は今後関係者の皆様と協議して決めさせていただく予定です。 趣旨にご賛同いただけましたら幸甚です。
主催:お台場環境教育推進協議会 http://odaiba-nori.jugem.jp/
協力:福田海苔店(福田丸) http://www.fukudanoriten.ecweb.jp/
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自粛はやめて海を楽しもう!
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昨日、しじみ漁をする漁師でもある屋形船を営む平井丸さんとお会いしました。
http://www.hiraimaru.com/
「これから花見シーズンでお客さんがいっぱいなのに、今年はキャンセルばかりで大変ですよ!」と言ってました。
木更津で漁業を営む「ザ・漁師’s」の自分の親友でもあるスダテ「網元 つぼや」でも「GWだと言うのにキャンセルが続いて大変だよ」と嘆いていました。
それでも、「東北の被災された漁師に比べれば…」と言います。でも、東京湾の海苔漁師も「今回の被災で来年から休業せざるえない」と言う声も聞こえてきます。
こんなところにも今回の地震の影響は及んでいます。
その「網元 つぼや」のスダテ遊びですが、4月5月のキャンセル分を「乗り合い」として募集してます。乗合いとは2人でも4人でもスダテ遊びが楽しめます。そして、参加費のうちから1,000円を東日本震災の義援金に充てると表明しています。
募集日程に関しては下記ブログをご確認できます。
http://tuboya.blog71.fc2.com/