60年前、映画“橋のない川”に似ている映画を小学校の体育館で見た覚えがあります。まだ、自宅にテレビが無い時代で、文部省推薦の映画を年に1~2回、学校でやっていました。私が見た映画は、“問題”を取り上げていたもので、いまでも印象深く残っています。
登場人物の中学生の二人が、人間に違いがないのを明らかにするため、腕から血採って合っていたことが記憶に残っていますが、何という題の映画であったかは忘れました。なお、映画“橋のない川”は二度にわたって映画化され、人間の平等と尊厳を訴えています。
私は、ほとんど映画を見ませんので、本数が少ない分だけ記憶に強く残っています。記憶に残っている映画では、古い順で“八甲田山”、”寅さんシリーズ“、”北の国からシリーズ“、”おくりびと“、”幸福の黄色いハンカチ“などです。特に寅さんシリーズは、江戸川の矢切の渡しに近い所に住んでいたので、ロケ地が手に取るように分かるので身近に感じた映画でした。また、“幸福の黄色いハンカチ”も十勝のロケ地がたくさん出てきて、とても興味深いものでした。特に、海援隊の“武田鉄矢”がまだ若く、高倉健と倍賞千恵子、桃井かおりの共演が抜群でした。
ところで、絶世の美女として定評のある“小野小町”がいます。彼女の出目はいろいろな説がありますが、一説には出羽国と言われています。出羽国は、現在の秋田県と山形県ですが、伝承によると生誕地は、現在の秋田県湯沢市小野といわれており、晩年も同地で過ごしたとする言い伝えが残っています。
岩手県の元校長先生で、アイヌ語の地名を研究している人がいます。彼が書いた「アイヌ語から分かる日本史物語」の本を読むと、“小野小町”はエミシであったらしく、京にのぼったことが書かれていました。“小野小町”のひとつをとっても色々な説があり、確かな証拠がないので自分で勝手に判断するほかないと思っています。
エミシという表現は古文書にたびたび書かれていますが、初めてエミシという言葉が登場するのは、万葉仮名で書かれた日本書紀の中の歌にあります。知人は古文書を読むのが趣味で、いろいろな博物館に行ってエミシに関する古文書を読むそうです。そして、古文書を読んで分かったことは、大和朝廷側の人たちは、“エミシをやっつけた”と書き、エミシ側に立っていた人たちは、“大和朝廷にやられた”と書いている場合が多いそうです。
つまり、その地域を統治している権力者側の立場で、歴史書は書かれているのであります。歴史書とは、 “正史”が積みあげられて書かれたものでありますが、その国や地域に支配的な影響力を持っていた人などによって作られたものです。そのため正史は勝利者側の歴史書で、正確性が保証されたものではないということです。
「十勝の活性化を考える会」会長