十勝の活性化を考える会

     
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「帰れない」 双葉町はいま

2021-03-23 05:00:00 | 投稿

先日、NHKテレビで“「帰れない」双葉町はいま ”を放映していた。番組の中の女性は、自分が飼っていた牛が野生化していくのを見て、次のように言っていた。

「人間なんて、勝手なものです。私が飼っていた牛は食べるものがなくほとんど死んでしまったのです。残った牛も野生化して、放射能汚染により売ることさえ出来ません」と。

大地の哲学の本を書いた小坂洋右氏も、次のようにも書いている。

『福島の原発事故は、無反省なまま科学や技術に寄りかかり。万能の力を得たかのごとく奢り、畏れをなくした人間が、他の生き物たちとつながっているという感覚を忘れ、持続性をかなぐり捨てたところに起きたと私はみる。

これから何年ものあいだ、郷里で住めなくなる人がおびただしい数がでた。 と同時

自然をなくして、人間は生きられない。その原点に立ち返って、私たちが未来に大地を受け継いでいくためにはなにが必要か、本書をその思索、探求のきっかけにしてもらえばありがたい。』と。

福島第一原発事故が起きてから、今年3月11日で10年になったが、今でも双葉町では帰還困難地域になっている。私たち北海道人は、福島の人々と同じようにさまよえる子羊のような放浪生活を余儀なくされたらどうしよう。福島の人々は、今もそんな状態である。原発は、確かに他のエネルギー源と比べて、低炭素化の効果はある。しかし、いったん放射能漏れを起こしてしまった際の人体および自然環境におよぶ影響が計り知れないことは、福島原発事故を見れば分かるだろう。

ただ、コントロールしきれないリスクのある原発を停止するのは簡単で、“言うは易く行うは難し”である。 すなわち、原発停止の決断は確かに論理的であるが、エネルギーの先進国ドイツでは様々な問題に直面しており、どのよう克服していくかは世界が注目しているところである。ただ1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、それが原因で今でも甲状腺ガンなどの病気が急増している。

一方、原発ほどではないが十勝にも脱炭素化につながらないゴミを燃やす焼却炉の建設計画が進んでいる。私は車を運転できないためにバスを利用するが、バスの中では「クールチョイス」すなわち“賢い選択の車内放送が流れている。ゴミを燃やす焼却炉は、時代の流れに逆行し賢い選択とは全く思われない。 東京電力福島第一原発の事故では日本中から非難を浴びたが、十勝のゴミ処理場でも日本中の人々から笑い者にされないことを願っている。 

  「十勝の活性化を考える会」会長

                

 

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