十勝の活性化を考える会

     
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「寄り添う」という言葉

2021-03-22 05:00:00 | 投稿

 

先日、NHKラジオで元華北新報社編集長で相馬市出身の寺島英弥氏が、「寄り添う」という言葉を、東日本大震災に絡んで語っていた。寄り添うとは、ぴったりそばによる触れるほどそばによるという意味です。

精神的な意味で使われることが多く、心の寄り添いとして使う場合、相手の事を考え、自分の心を近づけて相手の心を理解しようとする気持ちである。当事者と当事者でない人とは基本的に違うから、被災者の立場に近づかなくてはいけないというのである。

例えば、「震災からの復興」とか「震災の風化」という言葉は、「愛」が感じられないので、被災者はあまり使わない言葉であるそうだ。確かに、復興は一向に進んでいないところがあるらしい。元安倍晋三首相は原発事故に関して、「アンダーコントロール」という言葉を使ったが、原発汚染水はコントロールされていないのである。

しかし、俳優渡辺謙(61)は、2011年3月11日に起きた東日本大震災の直後から被災地への支援を続け、被災者に寄り添ってきた。住民から人が集まる場所がなくなったと聞き、宮城県気仙沼市にカフェをオープンした。そしてある時から、応援しているとか支えているという意識がなくなってきたという。もちろん経営者の立場から、コロナ禍に対応した感染対策を行いテークアウトも行ない、時間が許せば1~2カ月に1度は店を訪れる。それが、渡辺氏の日常になっているそうだ。

東日本大震災の防潮堤について思うのだが、海が見えなくなったら味気ない浜に生まれ変わったと思うので、被災者はどう思っているのだろう。確かに、防潮堤を作る作業員さんたちで一時的に町が潤ったと思うが、“二風谷ダムと同じでデメリットも大きい。

二風谷ダムの判決では、アイヌ民族が日本の先住民族として初めて認められ、アイヌの文化享有権も認定されたが事情判決であった。事情判決とは、行政官庁の行った行為適法性争い、その取り消し・変更などを求める訴訟で、これ(ダム)を取消すことにより利益に著しい障害を生じる場合において,一切の事情を考慮したうえ,これを取消すことが公共福祉に適合しないと裁判所が認めるとき請求を棄却する判決 である。

冒頭の寺島氏が、原発被害にあった相馬市で浮かんだ言葉は、“ふるさと喪失”だったそうである。寺島氏は、ローカルジャーナリストであるが、人はそれぞれの場所で役割がある。一人一人がその役割を果たした時、日本はもっと良い国になっていると思うので、諦めずに一緒に頑張ろう。 

「十勝の活性化を考える会」会長

 

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