十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

お坊さんの言葉

2022-12-14 05:00:00 | 投稿

昔、奈良県興福寺の貞慶という鎌倉時代の有名なお坊さんが、成否を顧みることなく、深く別願を起こすという言葉を残している。その意味は、「自分が、仏の世界に至りえるのかどうか。その成否がどうしても気になるのだが、そんな成否なぞ敢えて顧みず、むしろ、ただひたすらに深く仏の世界を志すのだ」ということである。私たちも世界を広げようとすれば、こうした心意気こそが求められるのではないだろうか。

話は変わるが、先日、地元にある帯広畜産大学を卒業し、国際協力機構( JICA)に長らく勤めていた方と情報交換する機会があった。JICAは、外務省が所管し政府開発援助(ODA)の実施機関の一つで、開発途上国の経済及び社会の発展に寄与することを目的としている。

彼は80歳であるが、パラグアイ、モンゴル、タイなどの海外経験が長く、今年1月、家族がいる帯広に帰国した国際人である。パラグアイは、日本の面積とほぼ同じで牛を飼っている人が多くて、人口は北海道の1.5倍の約7百万人。ほとんどが草原で、国土の3分の2が森林でおおわれている日本とは全く違うそうだ。

世界の三大瀑布のひとつである“イグアスの滝”が、70キロ先に遭ったらしい。そのイグアスの滝も地球温暖化で、今年、水量が10分の1に減っているそうである。イグアスの滝とは南米大陸のアルゼンチンとブラジルの二国にまたがる世界最大の滝で、あとふたつは、カナダにあるナイアガラの滝とアフリカのジンバブエとザンビアの2国にまたがるビクトリアの滝である。

モンゴルの面積は日本の約4倍、人口約3百万人の羊の多い国であるので、彼は羊の肉も好きらしい。モンゴルは名だたる遊牧国家で、「遊牧民の国」というイメージが強い。ただ、遊牧だけを生業にして暮らしている遊牧民の割合は、全人口の1割程度といわれている。

モンゴルの大草原は緑豊かで素晴らしい環境に見えるが、実際のところその環境は苛烈である。夏場は30度を超える日がある一方で、冬はマイナス40度になることもある。空気は乾燥しており、雨が降ることはまれである。

モンゴルは1年のうち250日が晴天といわれる乾燥した国で、1年間の平均降水量は50~250ミリ程度しかない。日本の年間平均降水量が1,500ミリ程度であることを考えれば、その少なさが分かるだろう。このような過酷な自然の中で生き抜く遊牧民の暮らしは、シンプルで無駄がなく合理的である。なお、焼き肉にミノという牛の部位があるが、胃のことらしい。

彼が日本に帰国して思うことは、生水などが飲めて綺麗な国だという。ただ、いまの日本人はハングリー精神がなく、モノを大切にしない国民だという。彼のような国際人は視野が広く、既述のお坊さんの言葉が、何か気になるのである。

これからの日本は少子高齢化で人口が減る一方なので、GDPが減少するのは仕方ないが、地球温暖化に無関心であってはならないと思う。大切なことは、我々がいかなる社会を目指すのか」ということである。

「十勝の活性化を考える会」会員


定年

2022-12-13 05:00:00 | 投稿

 

定年とは、企業公務に勤める正規雇用者が、一定の年齢に達したら仕事を退職する場合のその年齢のことである。人生に終わりはないので、人生に定年があるとすれば、死んだ時が定年だと思っている。なお、労働者が一定の年齢に達すると、自動的に雇用関係が終了する制度を「定年制」という。

私は61歳の時に脳出血で倒れて「要介護3」であった。入院生活が長らく続いたが、この度、短時間ではあるが働けることになった。10年間のブランクがあり心配であるが、「十勝の活性化の会」の元会長であったので、十勝の活性化と身体障害者のためにも頑張ろうと思っている。

十勝は日本の食糧基地であり、帯広は、“豚丼のまち”としても有名である。このふたつは食料に関係しており、食欲は人間にとってなくてはならない欲望のひとつである。十勝の活性化のためには、この欲望を活用すれば良いのである。

どのように活用すれば良いかは資本主義国家であるから、各企業が考えて決めることである。具体策は様々であるが、豚丼の店であれば、多くの人が来てリピーターになることである。豚丼の味は当然であるが、全道各地から車を利用してやってくるので、止めやすい駐車場の確保も必要だろう。

自分にとって人生の定年は、未だ先のことだと思っている。人間は生きている限り、何らかの役割を果たすことが大切であろう。

「十勝の活性化を考える会」会員


日本の大問題

2022-12-12 05:00:00 | 投稿

  

日本は人口減少問題に加えて深刻な財政悪化に陥っている。多額の国債の追加発行は避けられない状況で、日本の大問題だと思っている。政府日銀の2%の物価上昇が達成しているものの、国内経済はスタグフレーションに陥っており、実質賃金は上がってなく、日本は世界から取り残されているのである。

3年前、世に喧伝された現代貨幣理論(MMC)は、日本のようなデフレの国には効果がないと思われる。なぜなら、国債という国の借金が財政負担になり、将来への国民の負担になるからである。そして、円安や人口減少傾向と相まって、有効需要である消費と投資を誘発しないのである。ここで整理すると、日本の大問題は、以下の5点に縛られよう。

・少子高齢化     →人口減少

・グローバル経済化 →産業の空洞化

・地球温暖化     →災害の多発

・地方の衰退     →中心市街地の衰退

・財政悪化       →低賃金

以上の5点はお互いに関係しており、問題解決は一筋縄ではいかないだろう。これらを解決することは自分にはできないが、十勝の活性化については、以下のように思っている。

十勝に住む一人ひとりが幸せに暮らせるような地域を作ることが大切であり、地産地消の「地域内循環経済」の創出が必要である。生産活動が循環していけば新たな投資需要を生み、内発的な発展が期待され中心市街地の活性化にもつながるのではないだろうか。人口減少も食い止めることができるのではないだろうか。実際、十勝の人口減少率は、札幌圏に次いで低いものとなっている。それは、日本の食糧基地と言われる十勝が、「農業」で地域経済を支えているからである。人間は、食べないと生きていけないのである。

日本には、自然条件、歴史的、社会的条件によって様々な地域が存在し、そこで生じている経済上の問題は、経済のグローバル化が進めば進むほど、各地域に共通する問題が浮かび上がってくる。それが今では、インフレという物価の上昇により世界経済の悪化につながっているのではないだろうか。

地域経済の内容と仕組みを正確に知ったうえで、自分たちの地域が客観的に置かれている位置と、その個性を見極めて独自の地域づくりの方向性や具体策を考え実行に移していく必要がある。

これからは、地域社会を作っている内容と仕組みを知り、持続的発展を第一とする道を追い求めていこう。その意味で、十勝は「農業」という宝を持っているので、その宝をどのように活かしていけば良いか、行政機関を巻き込んで考えていこう。

中心市街地にある道東唯一のデパート藤丸が、来年1月末で閉店するそうである。デパートの閉店は全国的な傾向で十勝に限ったことではない。未来学者 エイミー・ウェブ氏が、社会が急速に変わっていく時、「目の前の小さな兆しをキャッチし、5年後・10年後の未来を予測することが出来る」と言っていた。デパートの閉店で、中心市街地は寂れていくということだろうか・・・。

『国富論』を書いたのはイギリスの経済学者アダム・スミスであった。「農業」が十勝を支えると思っているので、来年からは自宅の庭にも宿根草ではなく、農作物を植えようと思っている。

「十勝の活性化を考える会」会員


本“地域づくりの経済学入門”

2022-12-11 05:00:00 | 投稿

 『地域づくりの経済学入門』を読んだ。

この本にはインフレ下にあって地方分権などに関する、これからの地域づくりのことが書かれていた。地域というのは、自然と人間の関係や人間同士の関係が、地球上で総合的に結合したものであると著者は言っているのである。

我々はともすればグローバル経済だから、日本・アジア・世界がひとつにつながっているように見ているが、それぞれに個性があるのだ。人々が、みんな多様性を持っているように・・・・。

この関係を忘れ経済活動のための開発を急ぐと、地球環境や歴史的景観の破壊という取り返しのつかない損失を生み出し、公害問題という形で住民の生命や健康に危険を及ぼすことになる。

地域づくりとは、環境を考えて地域社会を意識的に循環させる活動ともいえよう。この地域づくりは、「住むところ=住民の生活領域としての地域」と「働くところ=生産活動としての地域」とに大きく分けられる。

平成時代に入ってから、地方分権を進めて小さな政府を目指して「平成の大合併」が行われたが、いまは地方自治体のあり方が問われている。20年前、小泉政権が提唱していた構造改革の結果、大規模店舗法の改正などによって大手企業が零細企業を席巻し、人口減少と相まって中心市街地が寂れ地方の衰退が一層加速するものになっている。

これからは、地域住民の一人ひとりが幸せに暮らせるような地域を作ることが大切であり、地産地消の「地域内循環経済」の創出が必要である。生産活動が循環していけば新たな投資需要を生み、内発的な発展が期待され中心市街地の活性化につながるのではないだろうか。

日本には、自然条件、歴史的、社会的条件によって様々な地域が存在し、そこで生じている経済上の問題は、経済のグローバル化が進めば進むほど、各地域に共通する問題が浮かび上がってくる。それが今では、インフレという物価の上昇により世界経済の悪化につながっているのではないだろうか。

地域経済の内容と仕組みを正確に知ったうえで、自分たちの地域が客観的に置かれている位置と、その個性を見極めて独自の地域づくりの方向性や具体策を考え実行に移していく必要がある。日本の食糧基地と言われる十勝の農業や畜産業を考えれば、肥料や飼料の値上がりにより離農が増えており、その影響の大きさが分かるだろう。

これからは、地域社会を作っている持続的発展を第一とする道を追い求めていこう。その意味で、十勝は「農業」という宝を持っているので、この宝をどのように活かしていけば良いか、行政機関を巻き込んでみんなで考えていこう。

オンリーワン企業とかニッチ産業を目指すのは当然である。健全な自然環境と社会環境を実現するために、自然を活かした加工方法の“オーガニック”という言葉がある。オーガニックとは、化学肥料を使わずに、水や土、太陽など「ナチュラルなもの」を存分に取り入れて栽培された製品が、オーガニック食品などと名乗ることができる。オーガニック農業なども、十勝の活性化のひとつだと思っている。

「十勝の活性化を考える会」会員


名前

2022-12-10 05:00:00 | 投稿

  

名前には、名付けた人の思いがある。先日、私が利用している機能回復型デイサービスの女性スタッフの人が、自己紹介していた。名前は、”かなえ”と言うらしい。そして驚いたことに、「日奈会(かなえ)」と書くらしい。本人が言われなければ読めない名前で、名付けた方は、神社の宮司さんだという。きっと毎日を、一期一会で生きなさいと思って名付けたのだろう。

名前には、このように名付けた人の願いが必ずある。因みに私は、妻の父親が「誠」という名前であったので、次男に誠(まこと)を志すようにと願って、“誠志(せいじ)”と名付けた。女性の名前には美智子とか多恵子など、“美”とか“恵”の字を使った名前が多いが、親の願いが分かるような気がする。

ところで、江戸時代まで公的に苗字を使ったのは、原則として公家及び武士などに限られ一種の特権とされていた。 明治になってからは、当時の国民で苗字を使用しない者も多かったため、1875年(明治8年)に初めて、苗字の使用を義務づける「平民苗字必称義務令」を出している。

北海道平取町二風谷では、14世紀前後を「ニブタニ文化期」といわれるほどアイヌの方々が多く住んでいるところである。従って、明治8年の二風谷では、「貝沢」と「二谷」姓が付けられたアイヌが多いそうである。だから、息子の嫁も平取町生まれなので、旧姓が「貝沢」といった。アイヌの国会議員で有名であった“萱野茂氏”も、養子にいく前の姓は、「貝沢」であった。ただ、津田塾大学教授の哲学者 萱野稔人(かやのとしひと)氏は、萱野茂氏とは関係ないようである。

なお、一期一会とは、茶道に由来する日本のことわざである。茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、互いに誠意を尽くす心構えを意味している。

十勝の活性化を考える会」会員