8月31日は、スーパーブルームーンでした。

9月1日の河北新報
スーパームーンとブルームーンについて考える。
8月31日の満月は、地球との距離が今年の中で最も短い、またその月の2度目の満月、
ということで「スーパーブルームーン」として話題になりました。
この機に両者の定義について。
なお、「スーパームーン」や「ブルームーン」を肯定するか否定するかの議論には踏み込みません。
まず「スーパームーン」、天文用語でないというのはよく言われますが、定義があいまいというのは
ちょっと言い過ぎで、ちゃんと定義はあります。
「スーパームーン」は1979年に占星術師のリチャード・ノルが定義しました。その定義は、
(1) 月の遠地点距離と近地点距離の差を求める。
(2) (1)で求めた距離の90%の距離を求める。
(3) (2) で求めた距離を遠地点距離から引く。
(4) 月と地球の距離が(3)よりも短い満月または新月が「スーパームーン」でした。新月もあります。
一方「ブルームーン」。現在広まっている定義はスカイ&テレスコープ誌が1946年に間違った記事を
掲載し、間違いであるにもかかわらず、そのまま広まってしまったものです。
本来の定義では、8月31日の満月はブルームーンではなかった。
本来の定義(春夏秋冬の3か月区切りの季節区分の中に、普段は満月が3回あるところ
4回あることがあり、その3番目の月を「ブルームーン」と呼んだ)もあまり古いものではないらしい。
「ブルームーン」という言葉自体は400年以上前からあり、ただ「馬鹿げている」というような
意味で、暦上の意味(その中でも特にスカイ&テレスコープ誌の誤った記事による意味)が本当に
広まったのは、ここ30年ほどのこと。
でもまあ、そういう難しい話を怖い顔をして論じあうのは殺伐としていけません。
古来より月を愛してきた民族の一人として、素直に美しい月を愛でたいものです。
次の満月は9月29日「中秋の名月」です。
アメリカ先住民では8月の満月を「スタージョンムーン」(スタージェンムーン)と呼ぶようです。
スタージョンとはチョウザメのこと。Starと関係があると占星術師としては喜んでしまうところですが、
綴りはSturgeonだそうです。
この時期、チョウザメの漁が最盛期を迎えたことに由来しています。
満月を見上げながら、豊漁を願ったのでしょうか。
今回は何故かしら、「スーパーブルースタージョンムーン」と呼ばれませんでした。