ドライブウエイが高度を上げて、山形盆地のはるか向こうに、冷徹に居座る朝日連峰が見えた。
何回眺めても退屈しない樹氷達ではある。樹氷の世界のドラマを追って見ます。
はるか北方に連なる山の峰が、大朝日岳(1870m)を主峰とする朝日連峰である。薄雲が懸かっているが、遠くに見える山並みは屏風のように立ちはだかっているのが判る。
手前の低い山々は白鷹山(986m)を含む白鷹丘陵である。
ロープウエイの頂上駅の休憩室の中は暖かい。
屋上からは、朝日連峰、ずっと左には更に更に遠くに、建物の影には、峯が雲で見えない月山がある筈である。
樹氷は何故できるのか。八甲田山と蔵王にだけ見られる事に付いて学者の解説がある。
図を御覧になればお解かりと思うが、下降気流になって山形盆地におりてきた乾燥した大気は、再び上昇して温度が下がる。
雪になる為の核になるものがなくなっているので、雪や氷にならずに、水分が過冷却の状態の大気が生まれる。それが蔵王に衝突する。
天候の悪い冬の蔵王では、北西の季節風が激しく吹き、気温はー10~20℃の吹雪が吹き荒れる。
樹林を造るアオモリトドマツ(常緑樹)には、過冷却になった雲粒が付着し、着氷と着雪で覆われる。
風の吹く方に向って海老の尻尾が発達し、大きな樹氷になると言う事です。
この写真の右が斜面になっています。
左:滑る斜面に挑む心が若者です。友達の見守る中で上にあがっていきました。
右:この人は滑って転んだ。上手に背中で滑りながら、雪煙を上げる。
モンスターが首を伸ばして、足元を見ています。そこに我が子でもいるように思えます。
樹氷の世界はやがて人間の足跡だけを残して、静寂の中に身を静めます。