ワシはちょっと前に胃腸を悪くして、あんまりたくさん食べれないのだが、夏は食欲旺盛である。水っぽい野菜や果物がとくに好きで、スイカ、トマト、さくらんぼ、きゅうり、茄子、とうもろこし。こんなものをけっこう食っている。
とくに風呂上りのスイカが大好きで、口の中で溶かして味わうように食う。スイカはご存知の通り、中心部が甘く、外に向かうにつれて甘くなくなる。
ワシはぜいたくに、真ん中のほうだけたべて、皮に近づくとあまり食わずに捨てる。仕事をしてる大人だけに許された大人食いと称している。小さいころは、最後まで食えと親に怒られたものであるのに、である。
この話を会社で雑談の中で若い人に言うと、一堂にスイカは種があって面倒くさくていやだという。これがよくわからない。種なんか食ってどうかなるわけではないのだから、逐一吐き出す必要なんぞないのである。
種に惑わされて、スイカという、日本人の夏にのみ許された、大いなる喜びと感動を逸するとしたら、随分もったいない話である。
そういう意味では、カットスイカはいまいちかも。