美味徒然 トロワサージュで…

飯田橋に移転したトロワサージュのソムリエが綴る
フレンス料理、ワイン、洋食にまつわるetc

古来種野菜 パート2

2014-08-19 | グルメ

飯田橋のトロワサージュです。

このお野菜…なんだと思いますか?

長さは50cm位で、直径10cm位かな?とにかくでかい重い!少し色褪せた紅色です。

これは南瓜か、はたまた山芋の一種か?

 

 

正解は…胡瓜なのです。正しいお名前は 天間紅(あままべに)きゅうり と申しまして、大分県別府の伝統野菜。南方系の胡瓜と日本の胡瓜が交配して残ったもののようです。

皮が紅色にならないと食べられないそうで、この皮がまた厚くて固い!必ず剥いてから戴きます。種を取るのもお忘れなく。中は白く、しまった肉質でシャクシャクっと歯ごたえも良く、瑞々しい味わい。あくのない瓜…と云った感じです。

うちの店の若い子の感想は、「夏休み」。たしかに…スカッとした青空と入道雲の下、冷たく冷やした紅胡瓜にかぶりついたら美味しいだろうなぁ。

ご当地では、大蒜醤油に一晩漬けたものを食べるそうです。

 


古来種の野菜

2014-08-19 | グルメ

飯田橋のトロワサージュです。

最近、私のアンテナにひっかかるのが、古来種野菜です。食に纏わる本は、つい買ってしまって…その殆どは積読なのですが、食の根幹についての話は読まずにいられません。

東京で暮らしていると、忘れてしまいがちになりますが、日本のお野菜の多様性って素晴らしい! 茄子の品種は180種類(日本だけで)、を超えると言われています。大根だって110種類もあるそうです。

こういった野菜は、毎年種を採って、その種を蒔いて…と手間ひまかけて育てられていて、守り続けているのは地域のおばあちゃん達。 台風、集中豪雨、竜巻やら、大雪…昔からあったことですが、このところの日本列島に降りかかる災害は些か激しい気がします。被害に遭ったり、後継者問題で、そっと姿を消していくものも少なくはないでしょう。

今、スーパーの店頭に並んでいる野菜は90%以上が品種改良されているものです。勘違いしてはいけないのは、決して品種改良は悪いことではありません。気候の変化に強く、日持ちするという事は我々に大変な恩恵をもたらしてくれています。

ただ…先人たちが守り続けていた種 いのち を残していく為には何ができるのだろうと考えます。

 

写真は、青山のワタリウム美術館の地下のコーナーで…。土日は説明して下さる方がいるので、お薦めの食べ方を聞けますよ。それから新宿伊勢丹でも常設コーナーができたそうです。