飯田橋のトロワサージュです。本日は福井情報です。
福井県若狭といえば北前船、言わずと知れた名産品の1つがおぼろ昆布です。
そして写真の竹紙昆布とは、二百人以上いるとされる手すき昆布職人の中でもたった一人しか作れない一級品。料亭向けで、一般では買えないそうです。
竹紙昆布を唯一かける職人さんの別所さんが、東京にお越しになっています。池袋西武デパートの北海道うまい物会というイベントです。初めてお会いした別所さんはとっても優しい笑顔、お茶目な語り口。その場ですいて下さったおぼろ昆布は、サクッとした食感で口の中でとろけます。ほのかな甘みと旨味の中のお酢の味。もう、急いで家に帰ってご飯と一緒に味わいたい衝動に駆られました。
おぼろ昆布の魅力は、保存料や添加物を加えていない素朴な味。シェフに話を聞くと、子供の頃はよく熱々のおにぎりに巻いて食べたそうです。私の母は、おぼろ昆布に葱と、醤油とほんの少しのお酒を入れてすまし汁を作ってくれたっけ…。別所さんのお勧めは、刺し身の昆布締め。一時間ほど置いておくと、「安い刺し身ほど、ぐっとおいしくなる」そうです。
私たちが手間をかけずに美味しく味わえる…その為には上質の昆布を選び、秘伝の醸造酢に漬け込み、熟練の職人さんがすく。有り難いです。
そしてシェフに託された竹紙昆布…難しい宿題です。
そうそう、別所さんはサザエさんのエンディングにも登場していた方です。十三日の日曜日までいらっしゃいますので、是非足を運んでみて下さい。お話していると心が温かくなる、本当に素敵な方です。