TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

ほんじつ休ませて戴きます

2013年08月19日 | 読書日記
ほんじつ休ませて戴きます さかもとけんいち 著 主婦の友社
大阪市北区で古本屋さんを営んでいる青空書房の店主、89歳の坂本健一さんの本と歩んだ人生が語られています。本屋さんの店先に貼られている休店日を知らせるポスターもたくさん掲載されています。下書きなしで即興でいつも書かれているそうですが、どれも絵心があるステキな絵ですし、味わい深い一言が添えられていて本に対する思いや人生の機微を感じるポスターです。坂本さんが上六から生玉さんのあの急な坂をいつも自転車で登っておられたことや少年時代の筒井康隆さんが本を売りに来られていたときの話なども紹介されていました。奥さんへの手紙もステキな文章と絵で奥さんへの愛が滲み出ている手紙ばかりでした。思い上がることが大嫌い、権威や権力や高慢なことが大嫌いな坂本さんはこんなに有名になってもいつも驕らず、前向きな方なのだなあと思いました。本を本当に愛する方の言葉はどれも味わい深く、考えさせられた言葉も多かったです。いい本でした。
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