TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

海は見えるか

2016年04月09日 | 読書日記
海は見えるか 真山仁 著 幻冬舎 
主人公は、阪神淡路大震災で妻子を失った小野寺という小学校の一教師。その彼が、東日本大震災の被災地で小学校の教師を努めながら、彼の視点を通して、被災地が直面している諸々の現実の一面を描いた小説です。被災地で暮らす人々の目に見えない心の格闘や苦難、復興にまつわる地元住民と国や自治体の方針とのずれなど、知られていない被災地の悲しくて切ない現実の一面がひしひしと伝わってくる内容でした。その中でもがきながらも希望を持って生きていく人々の強さがたのもしく描かれていました。本の帯に『普通の生活がしたいんです』と大きく記載されていましたが、普通の生活ができるということの大切さがどれほど尊いものであるかということを思い知らされました。また、主人公の小野寺は校長の発言にも異論を唱えることができる一本筋が通った教師として描かれていたのも印象に残りました。図書館で借りてきた2冊のうちの1冊でした。2日で読み終えることができました。
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