TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

顔ニモマケズ

2018年06月09日 | 読書日記
顔ニモマケズ 水野敬也 著 文響社
前書きで、「日本人は世界の中でも自分の外見に問題があると感じている人の割合が多く、この外見へのこだわりや劣等感は人生の幸福度を大きく左右する問題である。」とご自身の思春期の顔のむくみを取り上げられて実感しておられたことが述べられています。確かに、日本は、その歴史と文化の中で、他国よりは外見を大事にすることに重きを置くことを文化としてきた国かもしれません。作者は、この外見の劣等感や悩みを解決するにはどうしたらよいかという可能性に繋がるような言葉に出会います。それは、「見た目問題」の解決に取り組む、NPO法人の紹介で、顔や外見に症状を持つ方々とのお話の中での言葉だったそうです。この本は、顔や外見に症状を持つ9人の方々と作者のインタビューを通して、9人の方々が、それぞれの症状に対して、どのように、向き合い、自分自身で考え、悩み抜き、乗り越えて来られたかが紹介されています。おひとりおひとりのインタビューの後に、作者の取材後記と学んだことが記載されていて、それぞれのインタビューについて要約されています。変えられないことより変えることができることに目を向けたり、楽しむ気持ちを持ち続けることの大切さを説かれていたり、自ら悩み続けながらも前向きに取り組まれている姿勢は、見た目を超越した生きていく上での術、幅広い視点、柔軟な心の持ち方のヒントを示唆してくれているような内容の本でした。図書館で借りて通勤電車の中で読み終えた本でした。
コメント (2)
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読んだ理由

2018年06月09日 | ひとりごと
『顔ニモマケズ』という本を読んでみようと思ったきっかけなのですが、ひとつ前の職場で、ご病気で眼球がお顔に固定されておられなかった方を初めてお見かけたときに私が一瞬驚いた表情をしてしまったときのことをずっと覚えていたからでした。彼女は当時私が取りまとめていた委員会の委員の一人でした。こういう驚きの視線を投げかけられることは慣れているから特に何も感じていないというような心の強さをそのときに感じました。2回目以降に会ったときも、彼女の本来の明るさがとても光っていたのを今でも印象に残っています。この本に記載されていた、ご病気などで外見的に症状があおりの方々の生き方を通して、いろいろな事柄を乗り越えて行かれる心の強さとその方の周りの方々の環境が素晴らしいということがよく伝わりました。
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