漁港の肉子ちゃんを公開日初日に観賞してきました。西加奈子氏原作のアニメ作品。明石家さんまさんが初めてプロデュースされたアニメで、肉子ちゃんの声を大竹しのぶさん、娘のキクコちゃんの声はCocomiさんが演じておられることでも話題になっていました。肉子ちゃんもキクコちゃんも大阪弁を話すのですが、関東育ちのお二人の大阪弁は流暢で全く違和感がなかったのも驚きでした。肉子ちゃんとキクコちゃんは漁港に繋がれていた船で暮らしていて、毎朝、日課のように、フレンチトーストを食べているシーンが出てきてました。肉子ちゃんがフレンチトーストを丸めて一口で食べていたシーン、いつも大きなお腹を出して寝ていたシーン、豪快にずっこけていたシーンなど、どのシーンも肉子ちゃんの温かくて明るくてほっとするような人柄を匂わすシーンに心が和みました。肉子ちゃんが作っていた大きなおにぎりもとても美味しそうでした。肉子ちゃんはキクコちゃんにトトロみたいと言われていたように、トトロそっくりの風貌でトトロみたいに愛想があって、かわいくて包み込むような優しさが溢れているお母さんでした。近所の水族館に行く時に二人でバスを待っていたときのシーンは、となりのトトロにそっくりでした。肉子ちゃんはいつもものすごく明るく振る舞っていますが、何度も辛い目に遭ったことがある苦労人でした。最後のほうでは肉子ちゃんとキクコちゃんのヒミツの関係性が描かれていました。肉子ちゃんがキクコちゃんと暮らしてきた道のりが描かれていたシーン、最後のほうで、肉子ちゃんがえ~んえ~んとものすごい勢いで泣いていたシーンが心に響きましたし、温かい気分にしてくれたようなシーンでした。東北の石巻に似ていた情緒ある港町の風景や田舎町の風景が美しかったことや、町の人々の自然な温かさもとても印象に残りました。
昔母とよく来た映画館で、母と娘のこのアニメを観賞したら、自然に母のことを思い出しました。母に何かをしてもらいたいというのではなく、ただ側にいてくれたらそれだけでいい存在だったのが母だったなあということを思い出せてくれたアニメでした。