これが私の生きる道

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セレソン東京DX「くちづけ」

2010年10月24日 18時15分07秒 | 演劇
秋も深まり、肌寒い季節になりました。
そのせいか最近調子があまりよくありません。
体調から言うと、どこが痛いとか風邪をひいたわけではなく
しかし起きていてもエンジンがかからないというか
低空飛行を続けている状態です。

精神面では、些細なことでも
常に悪い方向へ考え込んでしまうプチ鬱な状態で
いかんともしがたい状態です。
対処法は寝るかお風呂に入るしかありません。

そんな不安定な状態で取り溜めていた
「リリィ・シュシュのすべて」を観ましたが
30分で停止ボタンを押しました。
蒼井優が登場するまで持ちませんでした。
最後まで観てないのに、申し訳ありませんが
どこが面白いのかさっぱり分かりませんでした。
元々学生青春ものは好きじゃないけど
奥が深そうに見せようとする魂胆が
すすけてみえて何か嫌でした。

その後にセレソン東京DXという劇団の
「くちづけ」という舞台を観ました。
軽度の知的障害者グループホーム「ひまわり荘」に
漫画家の「愛情一本」とその娘「マコちゃん」が入居してきて、
そこでの生活を描いた作品です。
障害者への差別や、制度が抱える問題点など
笑いの中に上手く散りばめられていて
考えさせられる内容です。

健常者でも普通に生きていくのが辛いこの時代に
障害者の人を支える余裕がなくなっている現実、
この先、それが緩和されていくかどうかは
はっきりいって分かりません。
多少、心や現実の関わりを大切にしようとする雰囲気が出つつありますが
日本全体を覆うギスギス感にそれが勝てるかは
甚だ疑問です。

劇中では、親や肉親などの世話する人がいる間はいいが
その人たちがいなくなったときに
自立できない人は、ホームレスや犯罪者になる人が多いと指摘しています。
「愛情一本」がガンに侵され自らの余命が短いことを知ると
将来を案じて「マコちゃん」を
自らの手で首を絞めて殺害してしまいます。
そこまでしなくても、と感じる人もいるかもしれませんが
自分はこの行為には肯定的で
「マコちゃん」を一生引き受ける覚悟が無い人は
軽々しいことは言うべきではないと思います。

実際にあった事件がベースらしいですが
おそらく当時ワイドショーなどで
無責任なコメンテーター達が好き勝手なことを言ったかと思います。
どの事件でもそうですが、
あの放り投げのコメントを聞くとすごくイライラします。

番宣で「一番泣ける劇団」って煽っていたので
逆に泣くまではいきませんでしたが
夜寝る前まで色んなことを考えさせる舞台でした。
この劇団の作品を見るのは初めてで
本当は劇場で見ようかと思っていました。
でも入場料の6000円で迷ってしまい
時に流されて公演が終了してしまいました。
今回はWOWOWで放送されたので助かりましたが
観なかったら後悔するところでした。

「マコちゃん」役の加藤貴子さんは
野田秀樹の舞台「半神」に出演したときにはじめて知って
それ以降もドラマなどで見かけると
気になる女優さんで
今回の「マコちゃん」役は当たり役だと思いました。
とても40歳とは思えないルックスと声質で
ピュアな役柄を上手くこなしていました。
舞台はあまり出ていないみたいで
これからはこちらを主戦場にした方がいいのかなぁと思いました。


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