ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

ブツブツ・・(引き続き)

2007年07月04日 | 現代音楽
ジョン・ゾーンが主宰しているレーベル、TZADIKのプロデューサー、杉山さんとCDのミックスについて話したことがあるんだけど。去年NYに行った時だったから12月だったのかな。

TZADIKはコンセプトごとにシリーズを設けているので、杉山さんはジョンがピックアップしたさまざまなジャンルのアーティストの録音、ミックス、マスタリングに関わることも多い立場。基本的にアーティスト自身が音源を仕上げることにはなっているレーベルだけれど、やはり相談にのったり手配をしたりと色々やることはあるんだって。

杉山さんにピアノの録音についてお話を伺っていて、コレはピアノにいい!と思うマイクが最近あったんですよ、とか教えてもらったりしてるうちに、ミックスについての話しにもなって。

「ピアニストっていうのはスピーカーに向かってピアノのCDとか聞く時、どうしても右側のスピーカー、つまりLeftから高音部、Rightから低音部が出ないと気持ち悪がるんだよね。ピアノっていうのは弾いてる時というのは右方向が高音、左方向が低音だから、それがスピーカーと対面した時にもそうならないとしっくりこないらしいんだね。でも、オーケストラなんて客席から見て右側にコントラバス、左側にヴァイオリンを配置してるじゃない?それは低音はLeft、高音はRightというステレオ的に正しい配置だと僕は思うんですよ。なので、ピアノでもCDにする時はそうするべきだ、と僕は主張するんだけど、やっぱりジョンは嫌がるんだよね」

なるほどー。ジョンももともとはピアノ科出身ですものねー。そんなことヤザワは考えたこともなかったけど、そういえばミックスの最終段階でエンジニアさまに「どっちに振りますか?」とは聞かれた覚えがある。シュミレーションもしたような気もするけど、徹夜作業でふらふらだったこともあって、どっちもたいして違和感なかった気がする。なので「フツーはどっちなんですか?」と聞いて、フツーな方にしたと思う。

というようなことを言ったら杉山さんは笑って「どっちでも大丈夫、というピアノの人はかなり珍しいですよ。そうあって欲しいけど。なんだか右利きの人が左手でお箸を使ってるような気分らしいですよ」と仰ってました。

へえー面白いですね!とかその時は笑って忘れてたわけだけど。

何ヶ月も経って思い出したわけだ。どっかで「コレはちゃんと考えてみる必要がある情報だ。酔っぱらってない時に」とか脳が記憶してたんだね。その時は無反応でも、何年も経って思い出したり、「ああ、そうだったのか」と解ることもよくあるヤザワ。長生きできるといんですけど。

もしピアニストがミックスに立ち会って:「右側(L)のスピーカーから左手が聞こえるなんて気持ち悪い!」とかゆって、じゃ、左右逆にしましょ、というミックスがピアノのCDのスタンダードになっているとしたら・・・

ピアノのCDは特殊ジャンルということになるんだろうか。

他のCDは全部L=低音、R=高音と振り分けてあるんだとしたら、そうだよね

うーん。もしこの「ピアノの常識」と逆のミックスをして、杉山さんが主張するところの「ステレオ的に正しい振り分け(ミックス)」をしたら、気持ちのいいものが出来るんだろうか?それとも気持ち悪いものが出来るんだろうか?

ピアニストのリスナーは圧倒的に「ん?なんかこのCD、ヘン??」とか思うんだろうか。

ピアノを弾かない人以外は:「お!なんだかいい感じ。フツーのピアノと違うね!」とか思うんだろうか。

どーなんでしょね


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Comments (2)
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