愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

南予被災地支援事業 れきはくサマースクール

2018年08月14日 | 災害の歴史・伝承
【南予被災地支援事業】れきはくサマースクールin歴史文化博物館

この度の豪雨で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

愛媛県歴史文化博物館(西予市)では、子どもたちに夏休みの思い出を一つでも多く作ってもらうため、体験企画や宿題のお手伝いなどによるサマースクールを開催します。

ぜひこの夏、歴博で1日をすごしてみませんか。

日時 8月23日(木)、24日(金)
対象 小学4年生~6年生
定員 各日20人

参加費 無料(昼食は歴博で提供します)

申込み先
愛媛県歴史文化博物館
電話0894-62-6222
FAX0894-62-6161

被災した祭り・伝統行事への支援(伊予銀行)

2018年08月02日 | 災害の歴史・伝承
【被災した祭り・伝統行事への支援(伊予銀行)】

昨日、株式会社 伊予銀行(頭取 大塚岩男氏)が、豪雨災害で被災した郷土芸能等の地域文化活動への特別支援を公表しました。

今回の豪雨災害で、地域の祭りや伝統行事(無形民俗文化財・無形文化遺産)等の衣装、道具等が被災した場合、その修繕や新調、記録保存等が助成対象となります。

随時受付。

申込先は各支店。また、相談先は伊予銀行広報CSR室(089-941-1141)となります。

申請後は、伊予銀行文化振興顧問団による助言、審査の後、なるべく早く交付されます。(通常の助成制度では半年かかります。)

詳しくはこちら。

伊予銀行(お知らせ)
http://www.iyobank.co.jp/o_home09/chiikibunka_tokubetsu.html

応募要項
http://www.iyobank.co.jp/library/new/main/about_iyo/csr/jyosei_shinsei_201808.pdf

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「平成30年7月豪雨」で被災された団体向け「地域文化活動助成制度」の特別募集について

 このたびの「平成30年7月豪雨」により被災された皆さまに対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
  株式会社 伊予銀行は、被災地における伝統芸能をはじめとした文化活動団体・グループを対象に、「伊予銀行地域文化活動助成制度(特別募集)」を開始いたします。

【申請金額】1団体 50万円まで

【募集期間】2018年8月1日(水) ~ 2019年2月28日(木) (予定)

【応募方法】
「助成応募要領」の助成申請書に必要事項をご記入のうえ、被災状況がわかる写真や資料を添付して、最寄りの当行本支店へご提出ください。なお、「助成応募要領」は営業店の店頭にも備え置いています。

【対象団体】祭り・郷土芸能以外にも文化団体で使用道具等が被災した場合対象となります。

郷土芸能  獅子舞・鹿踊り・神楽・歌舞伎・伝承踊り・練り行事 等

創作芸能  創作太鼓・創作舞踊 等

音楽  コーラス・器楽・邦楽等

美術  絵画・版画・彫刻・写真等

演劇  ミュージカル・演劇等

文芸  俳句・短歌・川柳等

郷土史  郷土史・民俗学・考古学の調査研究書の出版等

国際交流  文化振興を目的とした国際交流活動等

生活文化  地域の発展向上に寄与する生活文化の習俗継承等

自然科学  ホタル保存等の自然環境保全に関する調査研究等

なお、地域文化活性化だけではなく、伊予銀行さんでは、福祉分野や災害ボランティアへの支援も(伊予銀行社会福祉基金、公益信託愛媛県災害ボランティアファンドなど)も行われています。

【感謝】宮崎歴史資料ネットワーク 山内先生

2018年08月01日 | 災害の歴史・伝承
愛媛資料ネット@ehime_s_n

30日に大洲市・八幡浜市と協力して、水損写真レスキュー講習会を行いました。講師は宮崎歴史資料ネットの山内利秋さん。市民の方も熱心に講習を受けていました。思い出のつまった写真は被災された方の心の支えとなります。身近な物を使って救えて、できるだけ早い処置が大切なことを学びました。

松野のおさかな館 再開!

2018年08月01日 | 災害の歴史・伝承
松野の「おさかな館」本日8月1日より再開館!

豪雨災害で浸水し休館していた愛媛県松野町の「おさかな館」

日本一の清流・四万十川をはじめとする淡水に棲む魚たちを中心に、川の不思議や魅力を楽しく紹介している水族館。

夏の子どもたちの学び、遊びの場がまたひとつ復旧です。

水損写真講習

2018年07月28日 | 災害の歴史・伝承
水損写真講習会についてお詫びとお知らせ

大洲市立博物館さんより。

明日29日、大洲市立博物館で開催を予定しておりました水に浸かった写真の救出講習会は、台風12号の影響により、中止となりましたm(__)m 翌日、八幡浜市で開催される講習会は、予定どおり開催予定です。ぜひ、八幡浜講習会にご参加を。

〒796-8035 愛媛県八幡浜市若山1−330-1

水に浸かった写真を捨てる前に

2018年07月23日 | 災害の歴史・伝承
大洲市だけでなく、八幡浜市でも。水損写真レスキュー講習。30日夕方。八幡浜市のホームページに掲載されました。

水に浸かった写真を捨てないで!
~誰でも簡単にできる水損写真の応急処置~

「西日本豪雨」により、写真や写真アルバムが水に浸かり、大切な思い出を残せないかとお悩みの方も多いと思います。八幡浜市教育委員会では、愛媛資料ネット、宮崎歴史資料ネットワークにご協力をいただき、水損写真の応急処置講習を開催いたします。簡単に入手できる用具で、誰でも簡単にできる処置の仕方を、一緒に学びませんか。どなたでも参加できます。この講習を通じて、ぜひその方法でご自身の写真のほか、まわりの方たちの写真も救ってください。そしてまわりにその方法を広めてください。

日時  平成30年7月30日(月) 18時30分~20時頃

会場  旧双岩中学校 八幡浜市若山1-330-1

参加費 無料

講師  山内 利秋 氏 (宮崎歴史資料ネットワーク)

主催  八幡浜市教育委員会

協力  愛媛資料ネット、宮崎歴史資料ネットワーク

持参物 タオル、ぞうきん(1~2枚)

*ご自身の水損写真があれば持参ください。

*水を使った作業です。汚れても構わない服装でご参加ください。


災害の記憶を刻むもの

2018年07月22日 | 災害の歴史・伝承
吉田の知人が復旧作業の最中、わざわざ壊れた時計を持ってきてくれた。6時43分に浸水。「捨てるんのも惜しくてな」とのことですが、こういった災害を語るモノを、責任持って、後世に伝えなくてはいけない。歴博で保管することにしよう。



ちなみに東日本大震災のときは、こんなチラシでのよびかけもされてました。

無形文化遺産(民俗文化財)の保全に向けて

2018年07月21日 | 災害の歴史・伝承
一昨日は松山市内の某所へ。

今回の豪雨災害による愛媛県内の無形文化遺産(地域の伝統行事、郷土芸能、伝統工芸技術など)の担い手、道具、保管場所等の被災情報の共有や今後の対応を協議。

以前作っていた愛媛県内、特に被害の大きい南予地方の祭り・郷土芸能の地区ごとの所在リストを提供したのですが、日付みたら2008年作成。10年経っていて、既に古い・・・。

有形の歴史資料のみならず、地域住民の絆を確認する場となり、復興に寄与しうる無形文化遺産のケアへの第一歩。いや、まだその前段階。

愛媛の地震史と文化財防災の現状と課題

2018年03月15日 | 災害の歴史・伝承
1 「愛媛は災害が少ない」という忘却・誤解・油断
 一般に「愛媛は気候が温暖で災害が少ない」という言説が聞かれますが、これは事実ではありません。地震では南海地震、芸予地震が周期的にくりかえし発生し、今後30年以内にも南海トラフ巨大地震が約70%の確率で発生すると予測されていますし、また日向灘、中央構造線を震源とする地震も発生しています。風水害、土砂災害は2004年豪雨で26名の犠牲者が出たことは記憶に新しいのですが、1899年8月水害では県内死者828名、1943年7月水害では重信川が決壊し松山市周辺で広範囲に浸水し、死者、行方不明者134名の被害が出ています。また1945年枕崎台風でも死者、行方不明182名に及んでいます。1960年代以降に「災害が少ない」との説明が増えてくるのですが、これは過去の災害が「忘却」されたことで生まれてきたものだといえるでしょう。災害に対する防災意識の醸成、向上のためにも「災害が少ない」という「誤解」と、それにともなう「油断」は克服する必要があり、各地域での災害の歴史・伝承調査やその成果の啓蒙・啓発活動が求められるのではないでしょうか。ちなみに「天災は忘れた頃にやってくる」とか「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉がありますが、これは四国・高知県出身の物理学者で随筆家の寺田寅彦の言葉とされています。
 さて、今後発生が予測される南海トラフ巨大地震は、2011年に被害想定が見直され、静岡県から宮崎県まで、震源の想定域が拡大されました。この巨大な震源域の規模を2011年の東日本大震災と比較すると、青森県から千葉県までの直線距離にして約520キロが津波高5m以上の範囲となっていましたが、これが南海トラフの想定震源域とほぼ同じ距離幅になります。四国、特に愛媛など県レベルで約50キロ、100キロの範囲内での防災津波対策を考えるだけでは当然不十分です。距離感覚や、地理感覚、広さ感覚は西日本と東日本で大きく違っているため、常に課題として頭に入れておく必要があると思います。
 さて歴代の南海トラフ地震ですが、直近では、1946年に発生しており、その2年前の1944年に東南海地震が発生し連動しています。その前は1854年の安政南海地震、さらに150年前の1707年にも宝永南海地震という大規模地震が発生しています。地震はほぼ100年から150年の間隔で、周期的に起こっています。歴史資料で最初に確認できるのが『日本書紀』記載の684年白鳳南海地震です。この記録の中で最初に地名として出てくるのが「伊予」です。この時に道後温泉の湧出が止まったとか土佐国の田畑が地盤沈降して海水が流入し、没して海となったと記されています。直近の昭和南海地震は1946年12月21日に発生し、死者は内務省の統計によると全国で1,330名、愛媛県内では26名で、家屋の倒壊をはじめ、西条市などでは海岸部が地盤沈降により海水が流入し、農地が使えなくなりました。さらに、井戸水に海水が入って使えなくなるなどの被害も発生し、人々の生活に長期的な影響を及ぼしました。この災害では、松山市など瀬戸内沿岸各地で防潮堤、防波堤が沈下しています。沈下するとそれだけ海水が流入し易くなり、普段の大潮でも高潮被害をもたらす可能性があるため、防波堤を嵩上げする工事が1950~60年代に瀬戸内海各地で行われました。
 さて、今後の地震の発生確率は国の地震調査研究推進本部から公表され、南海トラフでは30年以内に70%程度で発生すると言われていますが、実際に愛媛に影響するものとしては、日向灘や芸予地震もあります。中央構造線断層帯に関しては、伊予灘から石鎚山脈にかけて30年以内にはほぼ0%~0.4%の確率と言われています。しかし、2016年熊本地震では布田川断層帯の布田川間の発生確率はほぼ0~0.9%とされていました。安心することはできない数字と言えます。そして愛媛では、過去15年間、2001年芸予地震、2006年大分県西部地震、そして過去三年では2014年伊予灘、2015年大分県南部地震、2016年熊本地震というように震度5弱以上の地震が5回、発生しています。ところが、2000年までの約30年間は、愛媛では震度5以上は一度も観測されていません。愛媛をはじめ西日本が地震の活動期に入っているのは間違いないと思います。

2 災害の伝承化―忘却・記憶の実践―
 個人・地域レベルでは、災害の事実は時間とともに「自然忘却」される側面もありますが、個人レベルでは「思い出したくない被災体験」を忘れようとする「忘却実践」の側面もあります。愛媛県では2004年豪雨から10年にあたる2014年に、防災意識の喚起を目的とした水害史シンポジウムの開催を計画していましたが、被災地の住民にとっては水害・土砂災害の記憶がいまだ鮮明であり、「歴史」として振り返るには早いという判断で実現しなかった経緯があるとうかがっています。これは地域(集団)での記憶実践と個人レベルでの忘却実践の相剋ともいえます。災害の記憶実践については、個人レベルでの記録(文書・日記・体験記等)・語りや、地域(集団)レベルでの災害体験記等の刊行等があり、これらが文字記録化された「歴史」として後世に継承される契機となります。また式典等の開催、災害碑等の建立も記憶実践の一種であり、災害の事実を物語化(伝説)したり、儀礼化(年中行事・祭礼・民俗芸能)したりすることも「伝承」を意図した記憶実践といえます。なお、災害の記憶を後世に伝承することを明確に意図していなくても、その起源が災害と関連している年中行事や祭礼は数が多いのです。京都祇園祭が災厄の除去を祈るもので、愛媛県宇和島市宇和津彦神社祭礼は慶安2(1649)年の地震での被災からの復興として開始された可能性があります。人々の不安やリスクの除去が起源とされる儀礼は多く、その意味でも文化財の中でも無形民俗文化財・無形文化遺産と災害研究とは親和性が高いといえるのではないでしょうか。

3 災害後の再構築―東日本大震災と愛媛―
 愛媛県南予地方は江戸時代には宇和島藩領内であり藩主は伊達家でした。初代藩主伊達秀宗は仙台伊達政宗の長子であり、慶長20(1615)年に宇和島に入部しています。藩主に伴い家臣団、職人等約2000人が宇和島に来たとされ、現在でも家の先祖が東北地方出身だと自認している住民も多いのです。民俗芸能「鹿踊」も南予に約90ヶ所で伝承されるなど、東北地方との歴史的、文化的繋がりは強調されていましたが、2011年の東日本大震災直後から南予と東北(宇和島と仙台)を繋ごうとする意識がさらに高まりました。2011年10月には宇和島市民文化祭「仙台と宇和島・伊達の絆」が開催され宮城県栗原市鶯沢八ツ鹿踊と宇和島八ツ鹿踊が共演したり、2015年には宇和島伊達400年祭が行われ、鹿踊の東北遠征も行われたりしています。もともとは400年の歴史ロマンを基礎とした繋がりであったものが、東日本大震災を経て、東北に学び、自らを顧みるといった防災も絡んだ繋がりに変化してきています。これは遠隔地であっても大規模災害によって地域が再構築される一事例といえるでしょう。類例としては松山市と郡山市の事例もあります。また、東日本大震災での愛媛県への避難者を支援するNPO法人えひめ311との協業で年齢、性別、出身を問わずに災害の体験を語り合うワークショップ「災害の『記憶』を『記録』する」を実施することで、避難者が地域の一員として、防災面で地域を再構築する機会となっています。

4 災害史の調査―課題としての啓蒙・啓発―
 2001年3月24日に芸予地震(震源は安芸灘、M6.7)が発生し、直後、愛媛大学と伊予史談会が中心となり「芸予地震被災資料救出ネットワーク愛媛」(現「愛媛資料ネット」・事務局は愛媛大学)が設立されました。県内各所の地域資料救出、整理、保管等の活動が行われ、今年設立15周年を迎えましたが、その活動が、資料保全のノウハウ・ネットワークの構築だけではなく、市民に対して防災意識を啓蒙・啓発する機会にもなっています。またこの数年、伊予史談会、愛媛県埋蔵文化財センター、愛媛県歴史文化博物館等で人文系研究者による災害史の調査成果の公表も増えており、今後、市民向けの啓発用冊子の刊行も計画されています。しかし2001年芸予地震に関しては地震被害を総括し、後世に伝える報告書・啓蒙書は未だ刊行されておらず、今後、人文系研究者による地震史料の収集や体験談の聞き書き等を行う必要があるといえます。

5 防災ネットワークの構築と制度の活用
 文化財ネットワークとしては愛媛資料ネット以外に、1960年設立の愛媛県博物館協会(加盟館52館・事務局は県総合科学博物館)があり、年2回の活動を行っています。2016年度総会では報告「災害と博物館―防災・減災対策とネットワークの構築―」があり、2017年当初にも同テーマの研修を計画しています。また、2005年設立の四国ミュージアム研究会では、四国内の学芸員約50名(愛媛16名)執筆の『もっと博物館が好きっ!―みんなと歩む学芸員―』(2016年)が刊行されるなど、現場レベルでの日常(平時)の交流が進んでいます。また、2013年には中四国9県2市の文化財行政主管課間で「中国・四国地方における被災文化財等の保護に向けた相互支援計画」が策定され、支援体制、保護対象、平時の活動(人的ネットワークの構築)等が明記されています。なお、愛媛県内20自治体の「地域防災計画」を分析し、文化財防災・減災についても効果的に明記されるよう、「大規模地震防災・減災対策大綱」(2014年中央防災会議)ベースに文化財や博物館・資料館担当職員で問題意識の共有を図っているところです。

6 文化財レスキューと無形民俗文化財
 文化財の防災・減災は、従来、建造物、歴史資料等の有形資料が主な対象とされ、祭りや民俗芸能、民俗技術など無形の文化遺産(無形民俗文化財)については「防災」という側面では充分に取り上げられてこなかったといえます。「地域防災計画」でも無形文化遺産が明記される事例は少ないのが現状です。東日本大震災では生活の再建、地域の復旧、復興の過程で、祭りや民俗芸能などの無形文化遺産が復興のシンボルとして扱われ、その道具の復旧、担い手の確保、祭りの場の再構築が進められることとなりました。「無形」についても文化財の所在情報(①人:祭りの担い手・保存会会員、②道具、③場所・建物:儀礼等を行う場所、④環境:祭りを行う「地域」そのもの)の集積や、災害ハザードマップとの照らし合わせ作業も必要であり、南海トラフ地震・津波被害が想定される南予地方沿岸部を対象に、現在その作業を進めているところです。また、無形文化遺産の所在情報の共有(将来的に東京文化財研究所の「無形文化遺産情報ネットワーク」への参加)を意図して、2016年10月にホームページ「南予の祭りと芸能」を公開しました。有形、無形の地域遺産をいかに守り、残し、伝えるか。今後の活動に向けて、全国の多くの方々からご意見を賜ることができればと思います。ご清聴ありがとうございました。

【参考文献】
芸予地震被災資料救出ネットワーク愛媛編『愛媛資料ネット5周年活動記録集』2006年6月
拙稿「愛媛県における災害の歴史と伝承―地震・津波・水害を中心に―」『愛媛県歴史文化博物館研究紀要』第21号、2016年3月
拙稿「愛媛県の地震史―昭和南海地震を中心に―」『伊予史談』383号、2016年10月

※本稿は以下の掲載原稿である。大本敬久「愛媛の地震史と文化財防災の現状と課題」(愛媛史料ネット編『第3回全国史料ネット研究交流集会―愛媛-報告書』2017年12月発行、20-22P)



【参考文献】昭和南海地震 愛媛県の被害状況

2016年12月20日 | 災害の歴史・伝承
明日12月21日は、1946年に発生した昭和南海地震からちょうど70年。

全国で1330名、愛媛県内で26名の死者が出ています。愛媛では明治以降、最大の被害。

この昭和南海地震は紀伊半島南西沖を震源として、地震の規模はマグニチュード8.0。

同様の地震(南海トラフ巨大地震)は、今後30年以内におよそ70%の確率で発生されると予測されています。

この1ヶ月、昭和南海地震70年ということで、私のところにも新聞、テレビ等から問い合わせや取材が怒涛のように入ってきました。

その際、必ず聞かれるのが、愛媛での昭和南海地震の被害状況をまとめた文献があるかどうか、という質問でして、以下の文献を紹介しています。

大本敬久「愛媛県の地震史ー昭和南海地震を中心にー」(『伊予史談』383号、2016年10月)

この『伊予史談』は、愛媛県内各図書館にも配架されていますが、以下の伊予史談会のサイトに購入方法も記載されています。

http://iyosidan.jugem.jp/?eid=156


私たちの地域で起きた災害

2016年12月06日 | 災害の歴史・伝承
12/4、NPO法人えひめ311主催の防災・減災講演・ワークショップの様子が毎日新聞に掲載されていました。

当日は参加者約60名。実行委員のみなさまのご尽力で若い世代から年配の方まで幅広い年齢層が参加。

この講演・ワークショップで、過去の災害をふりかえる、参加者同士で自らの災害の体験・記憶を共有することにより、新しい愛媛の防災の取り組みの一事例が提示できたのではないかと思っています。


「私たちの地域で起きた災害」被災体験共有し備える 南海トラフに心巡らせ 松山 /愛媛
毎日新聞 2016年12月5日 地方版

http://mainichi.jp/articles/20161205/ddl/k38/040/313000c

第3回全国史料ネット研究交流集会

2016年11月28日 | 災害の歴史・伝承
第3回全国史料ネット研究交流集会が近づいてきました。一昨年は神戸、昨年度は福島郡山、今年度は愛媛松山での開催です。(昭和南海地震70年《本年12月21日》の直近の週末開催)

参加費:無料(事前申し込み不要、懇親会のみ要申込)

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【開催日時】
12月17日(土)13:00~18:00
12月18日(日)9:00~13:00
【会場】
愛媛大学南加記念ホール

1995 年の阪神・淡路大震災を機に設立された歴史資料ネットワークを皮切りに、全国各地で20 以上の史料ネットが立ち上がり、災害から歴史資料を保全し、災害の記録を保存する活動に取り組んでいます。
2011 年3 月の東日本大震災では、国の被災文化財等救援本部の活動とともに、史料ネット同士の連携と協力によって、地域に伝えられた多くの歴史・文化遺産が救出されました。2014 年10 月には国立文化財機構内に「文化財防災ネットワーク推進本部」が設置され、本年4 月に発生した熊本地震を経て、歴史・文化遺産の防災に向けた全国的な連携体制づくりの強化が望まれています。
2015 年2 月、阪神・淡路大震災と歴史資料ネットワークの活動開始20 年の節目に、神戸市で開催された第1回集会では「『地域歴史遺産』の保全・継承に向けての神戸宣言」が採択されました。東日本大震災5 年の節目にあたる2016 年3 月には、被災地の一つである福島県内で第2回集会が開催され、被災地で取り組まれてきた活動から得られた経験を共有し、大規模災害に対する日常的な備えのあり方を展望しました。
昭和南海地震70 周年の本年12 月、愛媛県松山市において第3 回集会が開催されるはこびとなりました。
本会では「神戸宣言」をふまえ、地域の歴史資料を保全する実践に向けての連携を発展させるとともに、保全した資料を活用して、災害に強い地域社会をどのように創っていくかについても考えてみたいと思います。

●1日目(12 月17 日)
13:00~13:15 開会
13:15~14:15 基調講演
髙妻洋成 氏(奈良文化財研究所保存修復科学研究室長)
「文化財防災ネットワークの構築について」
森伸一郎 氏(愛媛大学防災情報研究センター准教授)
「南海地震に備える史料学と防災減災学の連携」
14:15~14:30 休憩
14:30~16:30 各地からの報告(1) 報告時間15 分×8 本
「特集 南海地震を伝え、備える」
16:30~16:45 休憩
16:45~17:15 各地からの報告(2) 報告時間15 分×2 本
17:15~18:00 意見交流
18:15~20:00 懇親会*
●2日目(12 月18 日)
9:00~11:00 各地からの報告(3) 報告時間15 分×8 本
11:00~11:15 休憩
11:15~12:00 各地からの報告(4) 報告時間15 分×3 本
12:00~12:45 意見交流
12:45~13:00 閉会

【報告団体】
歴史資料ネットワーク、岩手歴史民俗ネットワーク、茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク、岡山史料ネット、鹿児島歴史資料防災ネットワーク、神奈川地域資料保全ネットワーク、熊本被災史料レスキューネットワーク、こうちミュージアムネットワーク、小豆島史料調査団、地域史料保全有志の会、千葉歴史・自然資料救済ネットワーク、長野被災建物・史料救援ネットワーク、新潟歴史資料救済ネットワーク、ふくしま歴史資料保存ネットワーク、NPO 法人宮城歴史資料保全ネットワーク、宮崎歴史資料ネットワーク、山形文化遺産防災ネットワーク、NPO 法人歴史資料継承機構じゃんぴん、歴史資料保全ネットワーク・徳島、歴史資料保全ネット・わかやま、愛媛資料ネット

主催 愛媛資料ネット、独立行政法人国立文化財機構

問合先:愛媛資料ネット事務局
Tel:089-927-9316
E-mail:ebesu.hikaru.me●ehime-u.ac.jp(●を@に置換)

なお、17日18時からの懇親会は事前申し込みが必要です。参加希望の方は、下記のページよりお申込みください。
http://kokucheese.com/event/index/433489/