愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

歌舞伎と伊達家

2009年08月08日 | 日々雑記
本日は、博物館で作家・松井今朝子さんによる講演会。講演の内容もさることながら、講演前のお話や、講演後に歌舞伎・文楽の展示室をご案内したことがいい体験になりました。

歌舞伎で愛媛といえば「和霊騒動」。しかし、愛媛ではこれが実は一般の人にはあまり知られていない。歌舞伎には伊達家に関する話が多いが、宇和島も藩主は伊達家。話自体、お家騒動で、伊達家にすればあまり気持ちのいいものではない。もしかすると、江戸時代も伊達藩主は、歌舞伎について、そのことを気にしていたのかもしれない。

実際、愛媛、特に伊達藩主のお膝元では、常設の芝居小屋は少ない。藩に許可をもらっての芝居興行が主で、徳島県や高知県に多い、神社での芝居小屋は、ほとんど無い。これは歌舞伎と伊達騒動に起因するのかもしれないと、松井今朝子さんとお話していて、ふとそのことが頭に浮かんできた。