愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

考古学・民俗学・歴史地理学からみた愛媛の地震災害

2014年01月06日 | 災害の歴史・伝承
次の日曜日(12日)に伊予史談会で愛媛の地震・津波災害について喋る予定です。


日時 
1月12日(日)午前9時30分~12時

場所 
松山市持田町139-2 愛媛県生活文化センター

内容 
1考古学からみた愛媛の地震災害 柴田昌児氏
2民俗学からみた愛媛の地震と津波災害 大本敬久
3歴史地理学からみた南予の津波災害 柚山俊夫氏

例会は入場無料で、会員外でも聴講できるとのこと。

限られた時間で3人が話すので、数十分の短い口頭報告ですが、
私はタイトルに「民俗学からみた」とありますが、
古代から現代まで通史的に俯瞰した内容を話してみたいと思っています。



四国霊場開創1200年関連講座が始まります。

2014年01月06日 | 日々雑記
今年は弘法大師が四国霊場を開創して1200年目になる年とされています。弘法大師が42歳の厄年のときに四国霊場を開創したという伝承が基となっています。その根拠となる平安時代、弘仁年間の一次史料は確認できないのですが、100年前の大正3年には開創1100年記念事業が行われており、近年に「創出された伝統」というわけでもないようです。200年前に開創1000年記念の何らかの事業が行われたという記録にはまだ接していません。ただ、厄除の弘法大師信仰は江戸時代には既にあり、厄除と弘法大師と四国霊場が江戸時代以前には結びついていたことは確かなようです。

今週末から愛媛県歴史文化博物館で弘法大師空海や四国遍路の関連講座が開幕します。

講座では、平安時代の空海の史料を読み解きながら、同時代つまり奈良時代後期から平安時代初期の空海の事績を考えてみたいと思います。開創1200年というキーワードが広く使われている割にはその根拠や、実際の1200年前(弘仁年間)がどんな時代であったのか、知る機会がなかなかありません。その当時の史料をもとに弘法大師空海を改めて見つめなおす講座を設けてみました。


【四国霊場開創1200年関連講座】
会場:愛媛県歴史文化博物館 研修室
定員:80名

第1回「空海の史料を読む(伝記編)―六国史・御遺告―」
平成26年1月11日(土)13:30~15:00
講師:大本敬久(愛媛県歴史文化博物館学芸員)

第2回「空海の史料を読む(詩文編)―三教指帰―」
平成26年2月9日(日)13:30~15:00
講師:大本敬久(愛媛県歴史文化博物館学芸員)

第3回「道標から見た四国遍路」(企画展「四国遍路ぐるり今昔」関連講座)
平成26年2月23日(日)13:30~15:00
講師:今村賢司(愛媛県歴史文化博物館学芸員)

第4回「明治維新と八十八ヶ所」(企画展「四国遍路ぐるり今昔」関連講座)
平成26年3月8日(土)13:30~15:00
講師:内田 九州男氏(愛媛大学名誉教授)

第5回「邊路から遍礼・遍路へ」(企画展「四国遍路ぐるり今昔」関連講座)
平成26年3月16日(日)13:30~15:00
講師:小松 勝記氏(高知県立歴史民俗資料館調査員)

また、4月以降も「空海の史料を読むシリーズ」の続編講座や「へんろ道ウォーク」の開催を予定しています。

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.i-rekihaku.jp/event/2014/pre/index.html