従業員をボロ布のように使い捨てるな!
千種鉄工所の全従業員解雇に関する南勢ユニオンの主張
2022年3月2日 南勢ユニオン(地域労組)
2月28日、株式会社千種鉄工所(千種勲社長、伊勢市小俣町)は経営不振を理由に、従業員全員26人に解雇を通告しました。突然の解雇に従業員は途方に暮れています。
看過できないことは、従業員を失業のどん底に追い込みながら、法定の最小限の保障も実行されないことです。
従業員への解雇の説明で、社長は2月分の賃金と解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)を支払うと言明しました。しかし、この義務すら実行されないのです。
地域労組・南勢ユニオンは次のように主張します。
1.2月分賃金を支払え
会社側代理人弁護士の説明は社長とは違い、2月分の賃金は国の未払い賃金立替制度を利用すると言うのです。原資は会社の資金ではありませんし、給料日(3月21日)の支払いは無理で、しかも賃金の8割しか受け取ることができません。社長は会社の資金で支払うかのように言いましたが、実際は国の制度を利用する話だったのです。
発注会社である美和ロックの下請代金未払分が存在するならば、労働債権(賃金等)の支払いに最優先で充てるよう要求します。美和ロックも責任を持つべきです。
2.解雇予告手当の従業員口座への送金を止めるな
社長は2月28日限りで解雇するから予告手当を3月1日に従業員の口座に振り込むと言明していました。ところが百五銀行が送金を差し止めたため支払われませんでした。
予告手当なき、即日解雇は無効であり、労基法第20条違反です。南勢ユニオンは、3月2日、伊勢労働基準監督署に指導を要請します。
また、予告手当の従業員口座への送金を止めた百五銀行に3月1日厳重に抗議し、送金を要求しました。同行は送金に応じませんでしたが送金を強く要求します。
3.会社は諸制度の説明と再就職に責任を持て
解雇された従業員の社会保険、失業手当受給、アパートの家賃の支払いをどうするか、雇用保険未加入者をどうするか、突然、奈落の底に突き落とされた従業員は困り切っています。しかし、会社は何の説明もしていません。南勢ユニオンは3月1日、社長と代理人弁護士に利用できる諸制度の説明会を直ちに開催するよう申し入れました。
会社は従業員が1人残らず再就職できるよう責任を持つべきです。
以上