南勢ユニオンのブログ

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病休の臨時職員の存在にフタをする南伊勢町

2017-04-25 13:32:00 | リポート


三重県南伊勢町は臨時雇用の職員2人に「地域起こし協力隊」の活動に従事させましたが、2人とも業務に起因する疾病のため出勤不能になっています。就任3か月ばかりなのに「成果がない」と断じたり、3時間にわたる叱責などによる精神的ストレスが原因とみられます。
出勤不能になった職員は南勢ユニオンに加入し救済を求めました。ユニオンは公務災害補償としての取扱を同町に要請しましたが、町は拒んでいます。

南勢ユニオンは、3月13日、4月11日の2度にわたり、南伊勢町に団体交渉を申し入れましたが、同町は交渉を拒否しています。

《下記のことがらは仲間外し「村八分」ではないでしょうか》

1.2人の職員から「職場の心身負荷により出勤が困難」との診断書が提出されているにもかかわらず町役場内に設置されている「衛生委員会」に4か月以上も報告、審議されていません。この間に衛生委員会が開催しているにもかかわらず報告していません。衛生委員会は精神的ストレスによる職員の休業事案を審議すべきではないでしょうか。

2.南伊勢町作成の動画「かま方文化が紡ぐ物語」には、「かま」と言われる地域の祭の復元にたずさった関係者の氏名が紹介されています。しかし、祭の復元事業に深くかかわった2人の臨時職員の氏名だけが掲載されていません。

南勢ユニオンは南伊勢町との交渉で、上記のような異常な仲間外し「村八分」と思われる事柄の経過、事情を質そうとしましたが、町は応じないため、その事情は明らかになっていません。

南勢ユニオンは、4月24日、三重県労働委員会に南伊勢町が団体交渉に応じるようにあっせんを申請しました。臨時職員の休業の取扱について南伊勢町の誠意ある対応が問われています。

※(注)「団体交渉」と聞くと大勢で威嚇すると受け取る人がいますが、そうではありません。労働組合法が保障している労使が対等に話し合うことを指す用語です。

臨時・非正規職員への差別的待遇の解消を!!

2017-04-22 13:01:00 | 南勢ユニオン便り

自治体で働く50歳代の男性が南勢ユニオンに加入した。専門職で正規職員と同様の市事内容、「勤務時間であっても、年収200万、月の手取り13万円で20年も非正規職員のままだという。低収入のため、結婚もできず、自動車や携帯電話は所有できない、切り詰めた生活が長年続いている。
現在、参議院で審議されている地方公務員法の改正により、このような非正規を正規にし、パートであっても格差を解消すべきだ。しかし、改正どころか、1年任用の「会計年度任用職員」として制度化するものという。また、公務の民営化、アウトソーシングを推し進めるものでもあるという。
20年非正規で働いてきた男性のことを考えると、とうてい認められない法案だが、共産党以外の会派の賛成で参院総務委員会を通過し衆議院段階の審議に入っている。

臨時職員すらも減らし民間委託化を構想する町

この地公法「改正」を見越して、市町では対応を検討しているらしい。ある町の検討案を見る機会があったが、正規職員への登用はおろか改悪だった。

その町には95人の臨時職員がいる。この臨時職員をどうするかが書いてあった。
  
  地公法22条適用  26人(27.9%)―-これまで通りの臨時職員
  任期付き職員   18人(19.3%)
  アウトソーシング、その他 49人(52.6%)

臨時職員を正規にするどころか、いっそう不安定な民間委託などのアウトソーシングに過半数を流し込む計画である。民間委託になるとブラックな業者は社会保険に従業員を加入させない場合も過去の相談例ではあった。
今回の「改正」で唯一の改善点とみられるのは、非正規職員へのボーナス(手当)の支給に向かうことだと思われるが、民間委託になるとその従業員へのボーナス支給も見込めなくなる公算が大きくなる。

正規職員と同様の仕事をさせておきながら、20年間、正規の3分の1以下の年収200万円で非正規のまま据え置いているのは、人権問題ではないでしょうか。こんな非人間的な労働条件はやめさせましょう。

どうなっとるの? 南伊勢の町おこし その3

2017-04-19 18:17:00 | リポート

三重県南伊勢町では地域起こし協力隊に臨時職員を採用して従事させていますが、隊員がパワハラを受けて出勤不能になっています。

臨時職員のBさんの手記より抜すい

〇月〇日 ……活動報告。成果があまりないということを言われたが、まだ3か月目であり、当初の予定通り最初の数ヶ月は町の人と仲良くなるのに充てると言う計画を無視された形になり、過大な成果を求めていると感じた。……
〇月〇日 ……上司を含む数人から約3時間、大声で叱責された。机で机を突かれ大きな音が出て怖かった
〇月〇日 ……管理職より「(あなたが)続けていくのは無理です」と断言され事実上の解雇通告と思った。希望を失った……
〇月〇日 ……管理職より「仕事で出合い作業に出てはいけない」と言われていたので、出合い作業参加を仕事にしたいと打診したが、そのような地域活動はボランティアで出ればいいじゃんと言われた。地域起こし協力隊の必要性を否定されて気力がなくなった。……


シンフォニア下請に労災損害賠償判決

2017-04-09 17:19:00 | リポート

津地裁伊勢支部は3月23日シンフォニアテクノロジー(神鋼電機)の下請である(有)福田製作所に対して労働災害の損害賠償金など165万円を元従業員に支払えとの判決を下しました。同製作所は判決を不服として控訴しました。

福田製作所(伊勢市一色町)でモールド樹脂加工の作業に従事したAさんは皮膚の炎症を起こしましたが、会社は職場を変更するなどの誠意ある対応をせず退社に追い込みました。困ったAさんは南勢ユニオンに加入し、伊勢労基署で労災の認定をかちとりましたが、福田製作所は後遺障害などの損害賠償、慰謝料を支払おうとしませんでした。このためAさんは訴訟を提起してたたかってきました。

裁判では福田製作所の安全配慮義務違反の有無が問われました。判決は会社が作業に用いる薬品の性状、有毒性、健康被害について作業者であるAさんに具体的な教育と説明を行わなかったと安全配慮義務違反であると断定しました。

裁判の決着は名古屋高裁に移ることになりましたが、南勢ユニオンは引き続きAさんを支援して、職場の安全衛生がしっかりと確保されるよう取り組んでいきます。皆様のご支援をお願いします。