十数年も前から気になっていた秋田県大仙市角間川の「国登録有形文化財 旧本郷家住宅」へ行ってきた。
江戸末期から明治、大正、昭和の時間を刻んできたそれぞれの建屋。あるいは跡・・・想像以上にしっとりと
落ち着いた風情の9代続いた(パンフレットより)”大地主の邸宅”であった。
当家7代目当主の3男であった詩人、本郷隆の生家である。が、実は私はその作品を知らない。気になっては
いたが、時間の差がありすぎていた。彼の名を知ったのは、私がまだ若かった頃!?
県現代詩人協会の先輩である斎藤勇一氏が、1992年に「本郷隆 ある詩人の精神の軌跡」という著書を出版
していたから。その著書のタイトルにある本郷隆そのものを知らなかった。そして今も。
せめて、彼の作品の展示があってもいいのではないのかなと思った。が、そうか、ここは「本郷家」の建物文
化財施設であって、「本郷隆」の世界ではないのであった。
そういえば?旧家の子弟は高学歴者が多い。やはり財力が教育環境をつくっていたということか。
広大な仙北平野を縫ってドライブするたびに、いつも決まって迷ってしまう。その度にドライブナビを止めて、
自身の感覚で帰路へ向かってみる。今日も駐車場から確信をもって帰路はこちらであろうと動いたのだが、
しかしながら、なんと、まったく逆の南方向であった(笑)。
一面平らな地を這うようにドライブするチャレンジのような気概は捨てがたい。
<参考>
Jinjinのブログ 2017年5月24日 (水)
『本郷隆・詩の世界』
秋田・角間川出身の本郷隆について、内村剛介氏が絶賛していたので知っていたが、肝心の「第九回歴程賞」を
もらったという「石果集」は、古本屋でも入手できなかった。
ところが、偶然、草野心平らが編輯した『本郷隆・詩の世界』(1980年5月、湯川書房)を入手したところ、
「石果集」が収録されていた。おいおい、読むことにしよう。
昭和期の詩人。
生年大正11(1922)年7月4日。没年昭和53(1978)年12月19日。出生地秋田県。学歴〔年〕東京帝国大学心理学科卒
主な受賞名〔年〕歴程賞(第9回)〔昭和46年〕「石果集」。経歴中央公論社に勤務し、また「歴程」同人。「三田文学」
「無限」「ぴえろた」などに詩論などを発表し、現代詩の構造や機能をめぐる言語美学的研究家として注目される。
著書に詩論集「石果集」(昭45)。
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