詩に対して意欲的な秋田の詩の書き手である矢代レイさんが第三詩集を刊行された。
2013年9月に処女詩集『水の花束』を上梓され、その2年後2015年8月に第二詩集『水を生きる』を、そしてその位置からまた2年を経ての第三詩集である。
個人誌『ピッタイン・ダウン』に発表された作品を中心に編まれた今詩集は、<矢代レイ>のこれまでとは少し異なった世界を感じることが出来る。
『黒』
目の前に
黒い絵がある
男たちが
ぎゅうぎゅう詰めの檻にいれられている
狭い空間には
恐怖
と
悲しみ
が降りつもっている
わたしのなかに囚人がいる
堅固な牢に閉じ込められて
ふだんは膝を抱え
じっと天井を見つめている
頬が痩け
おちくぼんだ眼窩には
無力な男たちの
拒否できない悲運が沈んでいる
背後には
漆黒の闇がうねり上がっている
(以下略)
黒の画家と称された香月泰男の絵『シベリア・シリーズ」に接し、衝撃を受けて書いたと聞く。いいことだ。もっともっとアンテナを拡げて感性を醸し出してほしい。
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