『日本海詩人』第3次46号が届いた。
あゆかわのぼる氏、山形一至氏、小玉勝幸氏など錚々たる名が連なる歴史ある詩誌だが、
斎藤勇一氏の名が見当たらない。そう思いながら「航海通信」へ読み進むと、
創刊に係った斎藤勇一氏が脱会したという事が書かれてあった。
保坂英世氏の「菜時来」の表現形態に興味を持った。25字×9行で1篇をなしているが、
それぞれ1行ごとに25文字がワンセンテンスを成し、切りよく収まっている。
詩とも散文ともとれる世界がそこにあってなかなか面白い。(全国的には2行詩というのがあるが・・・)
晩酌
ニュースは暗澹とした事件だけ 明るい話題はないのか
週に三日、気分を変えるために飲む一日一合足らずの酒
米は磨かれ芳醇な香り 一筋のせせらぎとなって流れた
もう若くない 付き合い酒は必要ない ほろ酔いで十分
この日に縁取りをして明日を迎えるための 晩酌は儀式
平々凡々変わらぬがよい 淡々と過ぎていくありがたさ
酒は『明鏡止水』『美丈夫』『雪の茅舎』『正雪』『翠露』
さかなは 鰹のたたき ゴリ煮付け 冷奴 ミモレット
ぐい吞みは 織部 焼締め 備前の火襷き 赤絵 切子
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます