「1カ月ルール」の"無視"に批判が集中。
写真・天皇、皇后両陛下が外国の要人
と会見されることは年100回以上に及ぶ
「BNNプラス北海道365」は、毎週新たなテーマを設け、読者のみなさんが参加す「365アンケート」を実施しています。
宮内庁の羽毛田(はけた)信吾長官が、11日、異例の内閣批判を行いました。天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が、これまで慣例とされてきた1カ月以上前に申請する「1カ月ルール」を破って設定されたことが理由です。
天皇陛下と習副主席の会見は、平野博文官房長官が総理の指示を受けて要請したものとされていますが、天皇陛下が前立腺がんの摘出手術を受けた2004年以降、宮内庁は「1カ月ルール」を徹底するため、外務省に文書で通知しています。
一方、民主党の小沢一郎幹事長は14日以降、「どうしても反対なら辞表を提出した後に言うべきだ」「天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」「天皇陛下のお体、体調がすぐれないというならば、それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか」などと、再三にわたって羽毛田信吾宮内庁長官の対応を糾弾しました。
鳩山由紀夫首相も「政治利用という言葉は当たらない」と小沢氏の見解に追従しました。
天皇陛下は、15日に習副主席と会見されましたが、以後も「1カ月ルール」のあり方が波紋を広げています。
「365アンケート」は、12月14日から20日までの1週間、「天皇陛下と中国副主席が"特例会見"、あなたの意見は?」のテーマで実施しました。
アンケートの期間中、5916人の方に参加していただきました。設問と投票結果は以下のとおりです。
(1)天皇陛下と習近平国家副主席の"特例会見"は妥当ですか。
・妥当 47票
・やむを得ない 13票
・問題 5767票
・無回答 89票
(2)「妥当」「やむを得ない」を選択した方にお聞きします。その理由を自由にお書きください。
・自由記述 37件
<「妥当」「やむを得ない」と答えた方の主な自由記述>
「今後の日中関係を良好に導くために妥当と思う」
「表敬訪問のたぐいだと思うから」
「憲法上そうすべきです」
「もう決定し、相手に伝えてしまったことなのでこれを反故にすると国益を損じてしまう。これからは、天皇陛下のご負担も考えた節度ある皇室外交をするように心がけてもらいたい。民主党は政権与党である間は、軽はずみな言動、行動を慎み、国益第一の政治をしてもらいたい」
「ルール違反は遺憾。しかし、役人に過ぎない宮内庁長官が官房長官とのやり取りをリークし、私的見解を押し通そうとする姿勢が危険だと思うから」
「日中関係は重要」
「日中友好は良識ある世論の願いだから」
「妥当。戦争じゃあるまいに、政治利用というマスゴミはあまりに大げさ。『行政機関の一員』ならばなぜ騒ぎになることをわざわざやるのか。羽毛田長官はでしゃばりすぎ。よほど民主党が嫌いか。こんなことを大騒ぎするほうがよほどおかしい」
「中国は日本の外交にとって重要な国だから。すべての国に平等と言うことはあり得ない」
「当たり前でしょう。天皇陛下どこかのお国の副首相や副大統領や副主席と会われること別に悪いことじゃないでしょう。決まったことなのに何故問題があると騒ぐの?天皇陛下にも会われるお相手にも失礼でしょう」
「天皇がいつ誰に会うかは、時の内閣が決める事だと思う。また、1カ月ルール自体の意味合いが不明、かつ内閣にルールを提示する法的根拠があるのかも不明」
「内閣の要請だから」
「憲法に沿った行為だから当然のことだ」
「批判しているひとの理由がわからない」
「日本はシルクロードの最終点に当たり、大陸からの伝統文化が伝わり、中国文化の原型が皇室に厳然と引き継がれているものもあり、関心を持つことは当然であり、アジア共栄圏を確立するという副主席の会見は妥当である」
「日本国・国民の象徴的存在である天皇陛下、外国の賓客と会うことは、日本の国益に合致するし、隣国との善隣関係構築に寄与する。まして日本がかつて迷惑をかけた中国のこと、なおさら会うべき。ことさらに、このことを大きく騒いで、国のイメージを悪くするだけである。天皇陛下を盾にして政権を、或いは隣国を批判したりするのは、これこそ政治利用ではなかろうか」
「内閣の意を汲まなければならないから」
「全く問題が無いから」
「日程が差し迫っていたから」
「民主党だけの問題ではなく、中曽根元総理が後押ししているのは、アメリカとの同盟関係を続けるにあたり、中国カードを有効に使える手立てとして担保する必要があるためではないのでしょうか」
「陛下がお会いするのかしないのかは陛下が決める事ではないのか。陛下を隔離して、取り次ぎをする者の腹一つのような権力こそが陛下の政治利用につながるのではないのか。陛下がお会いした、ならそれでいいのではないのか」
「中国の意向に逆らうことは出来ない」
(3)「問題」を選択した方お聞きします。その理由を自由にお書きください。
・自由記述 4765件
<「問題」と答えた方の主な自由記述>
「法律で定められていないにしろ、宮内庁が以前より申し入れているルールは守るべきである。対象国によって特例を認めるということは、今まで、そのルールに従ってきた国々に対して説明がつかない。一部の有力な民主党議員の政治的な利益で相手国を差別し特例を認めたとしか言いようがない。皇室を政治に使ってはいけない。今回の件に関しては、日本国民がなるほどと、特例を容認する理由は見当たらない。断じて認めてはいけない」
「お会いする方の国やお立場の問題で無く、明らかに政治的な意図がみえるのが問題です。また、調整しようと思えば1ヶ月前に調整は可能であり、それが無理だったので直前にと言うのは非常に問題に思います。中国との関係は確かに重要ですが、でしたら今後欧米諸国や他のアジア諸国から要請があれば緊急であうべきか検討する必要がでてきます。簡単に特例を作るべきではありません」
「1ヶ月ルールを厳格に運用してきたのは、どの国とも同様に接するという、『天皇は国政に関与しない』とする、象徴天皇制の要請であったはず。しかし、今回中国を文字通り『特別扱い』してしまった。これが天皇の政治利用以外の何であるか!そして、今後他国からの同様の要請を蹴れば、中国以外の国からは自分たちを下に見ていると批判されよう」
「親日は結構だが、中国大訪問団を終えたそのタイミングでの特例許可というのは、思惑があろうが無かろうが、民主というよりも小沢氏の権力の濫用にみえるし、民主党は陛下を政治の道具としてしか見ていないように見えるので」
「ルールを絶対視する事が良いとは思えないが、『公正・公平さを重視するというルール』を変更(無視)するなら相応な理由と今後の対応も提示するべき。それをする余裕がない程の緊急性のある事象だとは思えない。外交に関する方針が見えず、独善的で、そして自分に甘く・人には甘える鳩山政権の、場当たり的な対応の一例だと思う」
「鳩山首相はじめ小沢幹事長は、宮内庁の1カ月のルールというのは、天皇陛下の年齢、前立腺癌の手術後の体調を考え、会見の申し合わせは1カ月のルールを決めた意味の重大さを判っていないのではないか。しかもその後の情報によると、宮内庁が陛下の体調が思わしくない為に二度もお断りを入れているのを無視し、中国は大切な相手だからと国家元首でも無い相手との会見を無理矢理ねじ込んできたと聞いてます。国の大小でルールを無視するような民主党の政治利用には、他の事でも同じ様にルールや法律を無視するのではないかと不安になります。民主党以外の他の党も全て反対している中で、民主党内から殆ど反対の声が聞こえない事が不思議でなりません、小沢幹事長の独裁的な党運営のせいとしか思えません」
「天皇を政治に利用してはならない。外交のトップは総理大臣が果たすべき。すべては総理大臣で完結するような日本にならなければならない。特に師走のこの時期に天皇には神事が沢山あるはずで、マスコミは面ばかりではなくもっと深く取材して神事の内容などもきちんと報道すべきです」
「中国の後継主席問題と絡んでおり、中国がそれに天皇を利用しようとした意図は明確である。さらに、その中国外交に民主党が完全にのったとみられてもしょうがない。またも皇室が中国外交に利用されたと批判される結果になった。自民党はこの点に対して過去の政権時代に汚点はなく、民主党は自ら墓穴を掘り、自民党が堂々と政権批判できるポイントを提供した。普天間問題で日米が不安定化しているときに民主党の中国偏重外交は、アメリカに更なる不信感を与えるだろう。さらに来年の参院選を見渡せば、政権にとって不利な材料となるだろう。結果によっては衆参がねじれ、政局が不安定化することは間違いなく、機動的な景気対策を打つことさえできなくなりかねない」
「日本国の象徴である『天皇』は、いかなる政治的利用もゆるされない。それほど、陛下の存在は、日本国民が考えているより世界的に重要なものであり、ましてや中国共産党の勢力争いに利用されるべきものではない。中国は、すべてのことにおいて、もっと社会性を身につけるべし。また、日本国政府は、すべてにおいて、毅然とした、国益を守る外交を展開すべし。『国民が選んだ内閣だから何をしても国民の総意だ』と論ずる小沢氏の傲慢さに、憤りを感じる」
「陛下の体調を考慮しての『1カ月ルール』なのにそれを守らないのはなぜ?小沢一郎さんは毎日2~3時間の昼寝を欠かさないそうですね。ちなみに小沢さん自身は会談を直前キャンセルし『第57回小沢一郎政経フォーラム』に出られるようですね。また『1カ月ルール』これは自社さ政権の95年に出来たものだそうです。で、この時のさきがけの代表幹事が鳩山由紀夫さん」
「私は、正直、天皇に対して、何の感情も持っていません。しかしながら、『天皇の、政治利用はNG』この部分には、強い、共鳴を感じております。その点からして、今回の小沢幹事長の言葉、『体調が悪いなら優先順位低いのを休んだらいい』という発言は、見逃せません。これは、政治利用だと、自白しています。アポイントは一ヶ月前から、などのルールは、今回、初めて知りましたが、今まで、どのようなVIPに対してでも、このルールにのっとっていたからこそ、『政治利用』との点において、表向きには『潔白』であったはずです。今回、例外を認めた事で、今後、小沢幹事長はどうやって、天皇への会談の申し込みを調整するつもりなのでしょうか?何故、あの人はよくて、この人はダメなの?最悪な事態です」
「まず、1ヶ月前ルールの慣例は、1995年に当時の自社さ連立政権によって定められ、当時の新党さきがけ代表幹事は鳩山由紀夫氏であった。その当事者の所属する政党が、天皇陛下の現在の体調を考慮せずに慣例を破ることは道義上の問題があると考える。次に、憲法第1章第7条には『天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ』とあり、日本国憲法の成立背景を考えれば、その行動の主体は天皇陛下御自身に帰属するものと考えられる。つまり、内閣が出来る『助言と承認』は、天皇陛下の主体的な行為に対する抑止力(国民に選出された議員の構成する内閣の善意に基づく抑止)であり、これは当然ながら内閣からの『指示』にはなり得ない。内閣の意図に沿って陛下に指示を出すのではなく、内閣の善意に基づいて陛下の国事行為を抑止するものであると考えるのが自然ではないだろうか。また常識的に考えて、選挙のたびに変わりうる内閣の行う『助言』と、陛下の公務多忙や体調を考慮して長年培われてきた『慣例』のどちらを重視すべきかは一目瞭然である。加えて、同条第9項には『外国の大使及び公使を接受すること』とあるが、今回の習副主席がこれに該当しない事を考えれば、さらに会見の『正当性』は弱くなる。最後に、鳩山首相は14日午前、首相公邸前で記者団の質問に答える中で『日中関係をさらに未来的に発展させるために大変意味がある。私の判断は間違っていなかったと思っている』と述べており、政治的意図が介在している旨の発言を行っており、これも憲法第1章第4条に抵触する可能性があることを言及しておく」
「まず陛下のご健康を考える事が第一である。陛下は日本または日本国民のことをいつも考え、祈ってくださっている。日常の祭事だけでも我々の想像を超える負担となっているに違いなく、そのような陛下にさらなる負担をかけるような会見のごり押しには日本国民として断固反対である」
「そもそも天安門事件や東トルキスタン、チベットなどでの人権問題を反省せず、解決しようともしない中国共産党の幹部と陛下が対面するなどとんでもない話である。また今回の会見は外交ルートで一度断ったにもかかわらず、中国共産党の意向を受けた小澤氏が慣例を破ってまでも押しつけたものである。内閣の外にいるはずの一政党の幹事長が内閣を動かしてしまったのである。こんな事はあってはならない。小澤氏には身分をわきまえよ、といいたい。また鳩山首相は国政を司る機関の長として非常に情けない。ふざけるな、といいたい」
「慣例は守るべきであること。特定の国にのみ特例を認めることは、特に天皇陛下のお立場上あってはならないということ。そして、何よりお体とお年を考えると、一ヶ月と言われていてももっと余裕を持って差し上げるくらいでなくてはと、思う。長官が批判したのは陛下に仕えるものとして当然だ。自民党が与党であればこういうことにはならなかったはず。万世一系の天皇陛下のお体と尊厳を、誇りを持って日本人は守らなくてはと思う」
「羽毛田長官の言うとおり」
「完全な政治利用だと思います。今までの皇室の努力をこの政権のために壊されてしまいました。鳩山さんと小沢さんは辞職して責任を取れ」
「不合理なルールであればそのルールを改めることも必要だと思うが、体調の問題もあり多忙な天皇陛下の日程に関する一定のルールは必要であろうし、30日ルールというのも十分合理的である。小沢氏は与党の幹事長とはいえ、内閣の一員ではないわけで、さらに今回の中国要人との会見は国事行為ではないわけであるから、ルールを捻じ曲げてまで強行されるべきことではない。さらに小沢氏の大訪問団を伴った訪中の手土産であるのは明白であり、鳩山首相は相変わらず指導力を欠いたアマチュア的な対応ばかりが目立つ」
「天皇陛下が大使でも公使でもない人物と会うのは国事行為でもなんでもない。このような人物に鳩山みずからが作成に関わった1ヶ月ルールを破ってまで会うことを強要するのは、小沢一郎一派の私的利益のために日本国を外国に売り渡す行為であり、天皇陛下の政治的利用を禁じた憲法第4条違反である。外国人参政権など一連の売国違憲法案とともに絶対に許されるものではない」
「そもそも習近平国家副主席とは、今年の7月5日新疆ウイグル自治区(本来の名称は東トルキスタン)ウルムチにおいてウイグル民族の大虐殺を指揮した人物であり、このような人権を無視した人物を天皇陛下に会見させる理由がない。何のために天皇陛下が国家元首でも無い、人道を無視した行為の責任者と会見せねばならないのか全く理解出来ない。また、今回の会見は民主党小沢幹事長が深く関わり、自分の日本国内の権力を中国にアピールする目的があるとの指摘がある。これは明らかに天皇陛下を自らの権力誇示に利用した国賊行為であり、断固として許せないものである。*「特例会見」についての意見件の一ヶ月ルールはいつ、誰が作ったのか?95年(平成7年)当時の自社さ連立政権時に文書に定められたものだが、この時の新党さきがけ代表幹事は、現首相の鳩山由紀夫氏である。つまり鳩山首相は、自分が連立与党の代表幹事時代に作成されたルールすら『杓子定規』として守ることが出来ないに等しい。また現在の民主党は予算計上にしろ、普天間基地問題にしろ、政策にブレが大きく見ていて危なっかしい限りだ。このような頼りない政党では外交においても、中国・韓国を重視するあまり、今回のような『特例』が今後いつ『悪しき前例』になっても不思議ではない。現政権の『媚中外交』が如実に現れたのが今回の特例会見である」
「たとえ1か月以前に申し込まれたとしても断るべきである。なぜならば、日本国の象徴であらせられる天皇陛下に謁見できるのは相応の者でなければならないから。今回については中国での次期権力者を選ぶための闘争に利用されている。天皇陛下は国民の総意に基づいてその地位にある。国民とは時の一政府や一与党では断じてあり得ない。国民とは日本建国以来の日本国民と未来の日本国民を包括した概念である」
「小沢幹事長の弁明で、『天皇陛下の国事行為は憲法に書かれている』と言っていたが、全くもって勉強不足である。憲法を見ればわかるが、『外国の大使及び公使を接受すること』とある。習近平副主席は大使でも公使でもありません。又、国家主席になるであろう人物であることは確かだが、それは確定していない。つまり、習副主席は権力闘争中であり、失脚することも十分考えられます。しかし、陛下と謁見したことで、彼の箔がついたのは確かだし、陛下のお墨付きを得るための行為ということは容易に想像できます。以上のことからも、天皇陛下が政治利用されたことは明らかであり、問題です」
「民主党はほんとうに日本をめちゃくちゃにしていると感じます。メディア、特にテレビが一生懸命フォローしているので、内閣総辞職や解散などの声は大きくなりませんが、私の周りで民主党に投票した人たちのなかからは『取り返しの付かないことをしてしまった』という声を聞きます。あまりにも国民を馬鹿にしすぎている」
「陛下はきわめて大切な日本の象徴であるので、特例を認めてはいけないと思います。また、中国(小沢氏)の指示を断れず、宮内庁に特例を認めさせた民主党も大いに問題だと思います。民主党は、日本のために政治を行っていないのがよくわかりますね」