「ここから始まったよね」 あの日、家族のみんなは一様に頷いた
家族の控え室として、病院の好意により借りていた談話室~
去年の暮れに、家族はそこで十日余りを過ごした
集中治療室の母の様子も、あの時と何ら変わりない
変わったとすれば、窓の外の光が冬から春へと移ろいだだけ
ただっ広い室内に、大型の製氷機と暖房機の大袈裟過ぎる音!
最初はビクついていたが、やがてはそれにも慣れっこになった
久しぶりに聞く轟音も、なぜか懐かしかった
椅子を並べたり、キャンプ用のマットを持ち込んで、硬い床に
敷いて泊まり込みを続けてた(母の傍にいるだけで幸せだった)
時間があの時に戻って、もう一度動き始めたなら、どんなに
良いか~とも考えるが、終焉の時は刻一刻と迫っていた
ひと晩中母の手を握っていた…と言うよりそうしていたかった
細かった筈の体は、驚くほど浮腫が出て痛々しい限りだった
その母の手を擦りながら、夜の静寂を見送った
窓の外が白み始める頃、私は控え室に向かっていた
缶コーヒーをひと口飲んだその時、妹が慌てて駆け込んで来た
「みんな早く来て!」 家族は病室に急いだ
妹が言うには、私が母に背を向け控え室に向かったと同時に
計器の数値がグンと変化したらしい
それから間もなく、母は静かに人生の幕を閉じ臨終を迎えた
「母さんよく頑張ったね お疲れ様」
溢れ出る涙を拭いもせずに、家族の誰もが母を囲んで泣いた
「ありがとう」 そこにいた家族に、お礼を言っていた私…
もしかしたら、母の代わりに言っていたのかも知れない
今、悲しみの向こう側にいます 割りと冷静な私がいます
涙? あの日、思いっきり泣いたからかな~
不思議と落ち着いているのが、自分でもよく分かります
たまにジワッと目頭が湿る程度で、薄情にも零れては来ない
ただ、脱け殻になった自分の姿を、自分で支えています
重い…何でこんなに重いんだ
引き摺り女は、膝が笑うほど懸命に~懸命に~支えています
影が見たら、きっと笑うに違いありません「シャードウしょう」
な~ぁんてね- などと時折、素に戻る私であります
母は生前、私に幾つかの言葉を遺してくれました
その中には、娘を気遣う優しさや厳しさ等、色々ありました
もしかしたら、自分自身を諭していたのかも知れないと、思っ
たりも… 私の心の宝箱に、大切に仕舞ってあります
昨年の十二月中旬、M病院で匙を投げられT病院に転院...
奇跡的に回復し、私たちに再び笑顔を見せてくれました
命を繋いで四ヶ月…この度母は還らぬ人となりはしたものの
『神様からの最良の贈り物を戴いた』 そう信じています
ほんの僅かな時間ではあったけれども、みんなは幸せでした
だってね~ またあの笑顔に会えたんだもの
これ以上望んだら、母が困ってしまうじゃないですか
でもね、本当はまだ実感が湧かないのも事実です
ずっと夢の続きだと思っている自分が、妙に意地らしくてねぇ-
これでいいんだ......その内に、もっと強くなれるらからね
「それ以上強くなってどうするのね!?」
誰かの声が聞こえた気がした… だ、誰?
PS:明日からはいつもの自分に戻って、また元気発信を続けます
弟が言いました 「笑顔が一番だぞ」って~ その通りですね
家族の控え室として、病院の好意により借りていた談話室~
去年の暮れに、家族はそこで十日余りを過ごした
集中治療室の母の様子も、あの時と何ら変わりない
変わったとすれば、窓の外の光が冬から春へと移ろいだだけ
ただっ広い室内に、大型の製氷機と暖房機の大袈裟過ぎる音!
最初はビクついていたが、やがてはそれにも慣れっこになった
久しぶりに聞く轟音も、なぜか懐かしかった
椅子を並べたり、キャンプ用のマットを持ち込んで、硬い床に
敷いて泊まり込みを続けてた(母の傍にいるだけで幸せだった)
時間があの時に戻って、もう一度動き始めたなら、どんなに
良いか~とも考えるが、終焉の時は刻一刻と迫っていた
ひと晩中母の手を握っていた…と言うよりそうしていたかった
細かった筈の体は、驚くほど浮腫が出て痛々しい限りだった
その母の手を擦りながら、夜の静寂を見送った
窓の外が白み始める頃、私は控え室に向かっていた
缶コーヒーをひと口飲んだその時、妹が慌てて駆け込んで来た
「みんな早く来て!」 家族は病室に急いだ
妹が言うには、私が母に背を向け控え室に向かったと同時に
計器の数値がグンと変化したらしい
それから間もなく、母は静かに人生の幕を閉じ臨終を迎えた
「母さんよく頑張ったね お疲れ様」
溢れ出る涙を拭いもせずに、家族の誰もが母を囲んで泣いた
「ありがとう」 そこにいた家族に、お礼を言っていた私…
もしかしたら、母の代わりに言っていたのかも知れない
今、悲しみの向こう側にいます 割りと冷静な私がいます
涙? あの日、思いっきり泣いたからかな~
不思議と落ち着いているのが、自分でもよく分かります
たまにジワッと目頭が湿る程度で、薄情にも零れては来ない
ただ、脱け殻になった自分の姿を、自分で支えています
重い…何でこんなに重いんだ
引き摺り女は、膝が笑うほど懸命に~懸命に~支えています
影が見たら、きっと笑うに違いありません「シャードウしょう」
な~ぁんてね- などと時折、素に戻る私であります
母は生前、私に幾つかの言葉を遺してくれました
その中には、娘を気遣う優しさや厳しさ等、色々ありました
もしかしたら、自分自身を諭していたのかも知れないと、思っ
たりも… 私の心の宝箱に、大切に仕舞ってあります
昨年の十二月中旬、M病院で匙を投げられT病院に転院...
奇跡的に回復し、私たちに再び笑顔を見せてくれました
命を繋いで四ヶ月…この度母は還らぬ人となりはしたものの
『神様からの最良の贈り物を戴いた』 そう信じています
ほんの僅かな時間ではあったけれども、みんなは幸せでした
だってね~ またあの笑顔に会えたんだもの
これ以上望んだら、母が困ってしまうじゃないですか
でもね、本当はまだ実感が湧かないのも事実です
ずっと夢の続きだと思っている自分が、妙に意地らしくてねぇ-
これでいいんだ......その内に、もっと強くなれるらからね
「それ以上強くなってどうするのね!?」
誰かの声が聞こえた気がした… だ、誰?
PS:明日からはいつもの自分に戻って、また元気発信を続けます
弟が言いました 「笑顔が一番だぞ」って~ その通りですね