月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

吉岡刑事物語 その7

2008年08月14日 | もしものコーナー 吉岡刑事物語
今日も朝から曇り空だった。
地上全ての呼吸を吸い込んだ空は
鈍色に淀んで膨らみ、
その鬱蒼とした重みに耐えている。
けれども、
ほら、
よく見てごらん、
“それ”はじんわりと、
気だるく緩慢な速度でもって、
全ての空間を蝕むかのように、
圧倒的な憂鬱さでもって、
僕らを鬱閉しながら
“ここ”に、
舞い戻らせているんだ。
そんな空だ。
そんな空なんだ、
この空は。
どこにも行き場はなく、
どこにも留まる場所もない。
ただ無造作に切り取られた感情の一辺が・・・


マ: 吉岡君?

吉: え? あぁ、マチャトン君、いつの間に戻ってきてたの?

マ: 6時間38分21秒前からずっと君の隣にいたよ。

吉: ごめん・・・・気付かなかった・・・。

マ: いいよ、そんなことには・・・もう慣れたから。それより大丈夫か?
また思いつめたような顔をしていたよ。

吉: ・・・・そ、そうだったかな?

マ: ああ。。。。 君は・・・・・時々ふっと透明になるんだ。
急にすっと全てが透き通ってしまう感じがして僕は・・・

吉: ?

マ: きゅい。

吉: え?

マ: いや・・・気にしないでくれ。 ま、こんな陰気な星で
半年も休む暇なき見張り捜査を電柱の影からしていれば、
誰でも気は滅入るってもんだよな。ほら、ランチを買ってきた。
もう夕食になっちゃったけどな。まぁ、いいかそんなことは。いつものことだし。
とにかく一緒に食べよう。

吉: マチャトンくん、

マ: なんだい?

吉: いつもありがとう。

マ: ・・・・・・・・。

吉: いただきます。

マ: ・・・・・・・。

吉: 食べないの、マチャトンくん?

マ: きっ

吉: え?

マ: きっ

吉: ?

マ: きぃ~ざくらぁ~~~~ドンッ! かっぱっぱ~るんぱっぱぁ~♪

吉: ???

マ: きっ気にするなよぉ~そんなことぉ~、吉岡君ったらぁ~!
(バシッ!←相棒の肩を叩いたらしい)あ、あんぱんが地面に落ちちゃったね。
いいよいいよ、僕のと半分コしよ~。え? え~~んりょなんてするなよぉ~、
相棒じゃないかぁ、僕たちぃ~。 あんぱんも分け合うあんぱん仲だよね~♪
水臭いなぁ~もぉ~。ハッ

お酒はぬるめの~燗がいい~♪

吉: もしもし?

マ: 気にしないでくれ、先ほどの僕の言動は。

ブチッ。ツーツーツーツー。

吉: ・・・・・・・・・・。

ゴ: おい。

吉&マ:え? わぁあああ~~~~~?!

ゴ: 何をそんなに驚いている、お前達? 

吉: 100㍍も後方から伸びてきた手でいきなり肩を叩かれれば
誰だって驚きます!

ゴ: シッ、大声を出すなっ! ホシに感づかれたらどうするんだ?

吉: そんな格好をしているゴリさんこそホシにバレバレですよ。なんで
ロボコンの格好をしているんですか?? 

ゴ: ロボコンじゃなくちゃこんな離れた所からお前の肩に手を乗せられないだろう? 
どうだ、こ~んなに伸びるんだよ~、ロボコンの腕~。便利だよね~。
これでロビンちゃんがいれば申し分ないんだけどな~。それに言っておくがな、
俺は98㍍後方から手を伸ばしているんだ。100㍍も伸びた腕だなんて
俺は化け物かっ?! おいっ、どこへ行くっ、お前達っ?!

マ: 帰るんですよ、署に。

ゴ: 帰っても無駄だぞ。

マ: なんでですか?

ゴ: 5時に門が閉まっちゃうんだよ、アンドロメダ署は。
(ニュィ~~~~ン ← 近寄ってきたらしい)
しかしな、俺たちはあくまでも七曲署のデカだ。
アンドロメダ署のルールに屈するわけにはいかん。
俺たちには俺たちのやり方で金メダルを獲る。いいな?

吉: そのロボコンの格好が七曲署のやり方なんですか?

ゴ: フッ、いいか、よく聞けよ、そこのニョロニョロ~ズ。何も俺は
すき好んでわざわざオークションで落札したこのロボコンスーツを着込んで
自慢している訳じゃないんだぞ。こんな格好をしているのもな、全ては
捜査のためだ。ホシの目を引かないための苦肉の策なんだ。一体どこの誰が
ロボコンが実は優秀なデカだと思う? 誰も思わないだろう?
これが正真正銘のロボコップなんだぜ。どうだ、羨ましいだろう? 
おいっ、どこへ行くっ?!

吉: 他の場所から張り込みを続けます。

ゴ: 待てよ、チッチとサリー。
その前に何か俺に言っておきたいことがあるだろう?

吉: 何もありません。

ゴ: とぼけたって無駄だぞぉ~。いいかお前ら、なんで二人して
お揃いちっくなスーツを着ているんだ? 狩人なのかい君たち? まさか
8時ちょうどのあずさ2号で駆け落ちするつもりじゃないだろうな?

マ: っそれは・・

吉: なんで二人で駆け落ちしなくちゃならないんですか? 

マ: えっ?!

吉: スーツが一緒なのは単なる偶然の一致です。

マ: ええっ?!

吉: それに僕はこの一着しか持っていないんですよ。

マ:(フラ~~~~~)

ゴ: それならこの特注ロボコンスーツを貸してやろう。きっと似合うと思う。

吉: もう捜査に戻ります。さ、行こう、マチャトンくん。あれ、どうしたの、
そんなにうちひしがれて? なにかあったの? 顔色が悪いよ。

ゴ: そんなことはどうでもいい。俺の話はまだ終わっておらんぞ。

吉: まだ何かおありなんですか?

ゴ: そうだ、大有りだ。お前たち半年もの間コンビを組んでいるというのに、
未だに本名で呼び合っているとは一体どういうことだ? ニックネームなしで
捜査をつづけているとは、恥を知れ、ヤン坊マー坊よ。明日の天気は晴れか?

吉: 既にそうやって僕らのニックネームを付けてるじゃないですか?

ゴ: いいか、吉岡、よく聞け。僕の名前はヤン坊、僕の名前はマー坊、
即ち二人揃ってヤンマーだ、とはいい度胸をしているな。

吉: ・・・・・・?

ゴ: ヤンマー!とはっきりそう言いたいのなら、ちまちまと坊などつけずに、
僕の名前はヤン! 僕の名前はマー! とか、
僕の名前はヤ! 僕の名前はンマー! とか、
僕の名前はヤンマ! 僕の名前は ー! のほうが
潔くていいと思うんだよ、僕としては~。 おいっ、待てと言っておるだろう!

吉: ゴリさんのたわ言に付き合っている暇は僕らにはありません。

ゴ: いいから待たれい、そこの若侍。この際ここですっきりはっきり
させようじゃないか。まずはマチャトンからニックネームをつけよう。
お前の名前は確かマチャトン堺だったな。それならマチャトン、
お前のニックネームはマチャだ。そして吉岡、お前のフルネームは何だった?

吉: ヨシオカヒデタカです。

ゴ: うむ。 それならお前はミッフィーだ。

吉: どうしてそうな・・、

マ: ちょっと待ってくださいっ、ゴリさん! 
吉岡君がミッフィーだなんて、どういうことですかっ?!
吉岡君はミッフィーなんかじゃありませんよっ、
オバQの弟のO次郎です!

吉: っ?

ゴ: それではお前はテキサス出身のドロンパだというのか? 
おのれ~いいところをとりやがったな~。くそ~、それなら仕方あるまい、
俺はQ太郎で手を打ってやろうじゃないか。でもな吉岡、俺は・・・・・

吉: ・・なんですか?

ゴ: 俺はな・・・・だけど・・・・

吉: だけどどうしたんです?

ゴ: 犬にはとっても弱いんだってさ。

吉: いい加減にしてくださいゴリさんっ、僕はっ

ゴ: バケラッタ。

マ: ふざけないでください、ゴリさん。吉岡君はしばわんこじゃないですよ、
白い手乗り文鳥です!

ゴ: えっ、そうだったのかいっ?! なんてらぶり~なんだ。

吉: いい加減にしてください、二人とも!

マ: ハッ

吉: 僕はミッフィーでもO次郎でもしばわんこでも白い手乗り文鳥でもありません。
吉岡です。

ゴ: え・・・・・ネス湖のネッシーの曾孫ヨッシーだったとは・・・。 
どうりであまり地上に姿を現さないと思ったんだ。。。ん、何を泣いている?

吉: 泣かずにはいられません。。。

や~るな~らい~まし~かねぇ~♪

マ: あっ、あそこで空中を飛びながら歌を口ずさんでいるのは?!

ゴ: 鳥か? 

マ: 飛行機か?

ゴ: いやよく見ろ、伝書鳩だぞ! しかもただの伝書ハトじゃない!!!

吉: 父さん!?

ゴ: おやっさん!!!

パタ。(←息子の肩の上に止まったらしい。)

鳩: 純くん、ガンビで火をつけられるようになったんですか?

吉: え?

鳩: 火がつけられないならもういい。さぁ、食え。

吉: え、でも・・・

ゴ: おやっさん、いくらなんでもそんなに沢山のかぼちゃを・・・

マ: 生のまま食べさせるのはちょと・・・

鳩: 子供がまだ食べてる途中でしょうがぁ!

吉: 父さん、僕はずっと言いたかったことが・・・

鳩: ルルルルル~。

吉: 父さん・・

鳩: 列車が来た。 帰りは一昼夜かけてこの夜行で富良野に戻る。
夜通しかぼちゃを抱えて飛んできたんだ。疲れました、父さんは。

吉: 父さん、

トゥルルルル~。
列車のドアが閉まりま~す。


鳩: 元気でな。

吉: 父さん、

鳩: 純、しっかりやれよ。

吉: 父さん、

列車が発車しま~す。


鳩: じゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!

吉: 父さん、僕は、

鳩: あ、伝言を渡すのを忘れちまった~!これがそのメモだ~! 
列車の窓から投げるから受け取れ~じゅ~~~~~ん! シュピッ!

吉: 無事に受け取りました! でも父さんっ、

鳩: じゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!

吉: 父さんっ!

鳩: いつでも富良野に戻ってこぉ~~いっ、じゅ~~~~~~ん!

吉: 僕は純ではありません!

鳩: えぇぇ~~~~~~~~~~~~~?

そして列車は夜空へと消えていった・・・・。
一人ホームに立ち尽くす吉岡刑事。

ゴ: 吉岡・・・。(ポン ← 肩に手を乗せたらしい)

吉: ・・・・・・・・・・・。

ゴ:(ニュィ~~~~~~~ン ←近づいたらしい。)

マ: 元気を出して、吉岡君。いつも傍に僕が、いや、
僕と不服だろうがゴリさんがいるじゃないか。

吉: ・・・・・・・。

ゴ: どうした吉岡?

マ: 吉岡君、この際だから携帯なしで言うが、僕は君と・・・・・
できることなら君とお友達になりた・・

吉: ゴリさん?

ゴ: どうした?

吉: 父さんから渡された伝言メモに・・・・

ゴ: ん?

吉: 「捜査の場所はアンドロメダではなく柴又だ、間違えるな、ボケ。」
と書いてあります。

マ: えっ?!

ゴ: そうか・・・。どうりで残業代が出ないはずだ・・・。 ま、
すんじゃったことだしね~、気にするなよぉ~二人とも。ささ、
そうときまったら地球に帰ろうね~。

吉: え、でも地球への最終列車はたった今・・・

マ: 出てしまいましたよ?

ゴ: 列車なんかに頼れるか、ばかもん。俺たちはな、燃える男の~ 
赤いトラクタ~♪

吉: 何を言っているんですか?

ゴ: それがお前~だぜ~♪

吉: は?

ゴ: これに乗って飛ばすんだ! 乗れよ、風に吹かれようぜ。

吉: 何で急に片岡義男口調になっているんですか?

ゴ: つべこべ言うと置いてっちゃうよ! 早く乗りなさい!
シートベルトはつけたね? さぁ出発~~~~~っ!!!

ぶぅぃいいいいいいいいい~~~~~~~ん。

ゴ: さらばだ、アンドロメダ星よ。宇宙から見るこの星は、
意外ときれいだったんだな・・・・。あ、しまった~。

吉: どうしたんです?

ゴ: マチャトンを乗せるのを忘れてしまった。

吉: えっ?!

ゴ: ま、いっか~。

マ: 吉岡くーーーーーーん!!!

ゴ: あんなに姿がちっちゃくなっても叫んでるぞ、マチャトンのやつ。

マ: 吉岡く~ん、帰るのか、島に?!

吉: ・・・・・・・・・・・・・はい。

マ: 君と友達になりたかったぁ~~~~~~~~~~~っ!!!!!

ゴ: 希望は捨てるなよーっ、マチャトン! また会う日まで~!!!


そして銀河へと旅立っていった赤いトラクター。
それがお前だぜ。
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4 コメント

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アンドロメダへは何しに?? (まーしゃ)
2008-08-15 02:45:23
行ったんでしょうねぇ
本当の行き先は柴又だったとは・・・。
「吉岡く~ん、帰るのか、島に?!」という
意味深なセリフもありますが。。

今回は五郎さんが伝書鳩になってご登場でしたね。
重たいかぼちゃを抱えて飛んでくるなんてびっくりです!!
でもまさか、6個は持てないよね!?

今度は柴又へ、寅さんに会いにいくのかな??

風子さんのお話は、夢の中のお話みたいで
いっつも楽しいですぅぅ!!
返信する
アンドロメダへは (風子)
2008-08-15 07:49:53
研修旅行に行ったのでしょうか?
う~~~~~~ん、、、苦労の絶えない吉岡刑事。。。

そうそう今回は吉岡刑事の父も登場したですねぃ~。
かぼちゃは6個運んできたのではなく、
12個運んできたわけで・・・。さすがのゴロー。
彼の辞書には不可能という文字はないのかもしりないですだ。ナポレオンみたいですだば。
そういえばナポレオンは胃痛持ちだったらしいでぃすが、
もしかしたら彼も梅干の種をっ・・・?!
いやそんなアホな。。。。

今度は柴又で捜査をする吉岡刑事ですが、
くるまやの二階を借りてホシの張り込みをするのでしょうか?
頑張れ、吉岡刑事! 走れ、吉岡刑事!
ハッ、マチャトン刑事はまだアンドロメダのハトヤにっ?!


まーしゃさん、こちらこそいつも読んでくださって、
そして楽しいコメントも寄せてくださり
ありがとうございますです!!!
返信する
やっぱりマチャトンは・・・ (noriko)
2008-08-17 14:00:52
吉岡刑事とお友達になりたかったのね。
ずっと前から、電話で話す度に感じてたのよね~。やっぱりね~。そりゃー誰でも吉岡刑事と友達になりたいよね~~~。

ゴリさんに振り回されてるんだか、振り回されないんだか分からない吉岡刑事がいいです!次の任務は柴又なのね。

>犬にはとっても弱いんだってさ。
懐かし~い!不意打ちで笑えた。

>ゴ: ヤンマー!とはっきりそう言いたいのなら、ちまちまと坊などつけずに、
僕の名前はヤン! 僕の名前はマー! とか、
僕の名前はヤ! 僕の名前はンマー! とか、
僕の名前はヤンマ! 僕の名前は ー! のほうが
潔くていいと思うんだよ、僕としては~。 おいっ、待てと言っておるだろう!

ゴリさん、最高!

このコーナーはいろんな場面や台詞が出てきて、すっごく楽しいです!
返信する
回を重ねるごとに、 (風子)
2008-08-18 05:37:33
逞しくなっていくような気がしないでもない吉岡刑事。
並びに、
クールさが崩壊していくような気がするマチャトン刑事・・・・。
名コンビになる日は遠くない!
のでしょうか・・・・・?

せっかく意をけっしてお友達になりたい宣言をしたのに、
おいてけぼりにされてしまったマチャトン・・・・。
>ゴリさんに振り回されてるんだか、振り回されないんだか分からない吉岡刑事
もしや究極の天然泣かせ星人くんなのかもしりませんよね、吉岡刑事。フフ。

私もゴリさん、好きなんですよね~。
なんか今やゴリさんが影の主役になってきているような・・・。


norikoさん、ここでも一緒に楽しくお話することができて
ほんっと嬉しいです!
いつもお話してくださってありがとうございます♪
返信する

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