月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

三丁目の茶川さん

2007年04月27日 | 山崎監督作品

茶川氏は爆発している。

細さ爆発。
白さ爆発。
汚さ爆発。
へたれ爆発。
せこさ爆発。
みじめさ爆発。
卑屈さ爆発
哀愁爆発。
そして純情爆発。

わたくしランニング姿に爆発。(おっと余計だったずら・・・)

しかしあの髪型の爆発っぷりはすごい。
最初に氏の姿を見たときは、実写版きのこの山かと思ったですよ。

東の茶川、西のジェームス・ブラウンでありまする。


私などはですね、このあっぱれな茶川氏の感情爆発っぷりが、
この作品の核をなしているのではないかと思うわけで。

いやそんなこといったら、鈴木オートさんだって爆発している、
と思われる貴兄もおありでありましょう。うむうむ、確かにそうでありまする。
しかしこの二人の爆発はその種類が異なると思うのですぜ、旦那はん。

鈴木オートさんの爆発は、それ自体は基本的には形を変えない
瞬間湯沸かし器型だと思われ。

一方、茶川氏の爆発は、噴火したマグマがその後に溶岩となって流れ、
その形自体を変えていく火山大噴火型なのだと思われ。

茶川氏は、そのシーン毎に爆発しまくり、
そしてその爆発噴火によって、作品自体も新たな山を築いていくのであると
思うでごわすよ、おいどんは。


これは決して、誰の話がメインであるのかっ、などと
すっとこどっこいな事を言っているのではないわけでして、
だた、話の起承転結が茶川氏の爆発によって展開されている、
ということを言いたいのでありますだ。

うぅ、うまく説明できない自分が嫌だ~。


群像劇であるからですね、誰だってメインになると思うとです。
誰を主役にしてみるのかは、それは観客が勝手に発酵すればええんでないかい?
と思うですばい。

寅さん映画だって、人によっては満男君をメインにして観るだろうし(それは私だった・・・)、
おいちゃんやおばちゃんをメインにして観る人もいると思う。
ひょっとしたら、あの作業着ごと全身漂白されちゃったような三平ちゃんを
メインにして観る人だって中にはいるかもしれないですばい。
けれどそれはそれでいいのじゃないのか、星くんっ!(←突然登場、花形ミツル)

群像劇というのはそういう懐の広いものであり、
だからこそ「男はつらいよ」があんなに長年にわたって
多くの人たちに支持されてきたのだと私なんぞは思うのであります。


さて、このマグマ大使・文学を演じた吉岡くんでありますが、
感慨深いものがあったとですばい。
味のあるええ役者になったなぁ~、って思って泣けてきたですよ。


この人のすごさは、なにがすごいって、以前にも書いたけれども、
どんな作品でもカメレオンとなって色を変え、
そしてそこに棲んでしまう、という類まれな存在感。

決して自分だけを押し出すような演技はしない。
あくまでも三丁目の住人の一人・茶川さん、として作品の中に「住んでいる」。
しかし同時に、彼は自分の役目をしっかり理解しているから、
ここはというときにはすっと前に出て観客の心を掴み、
そしてしっかりと引っ張っていく。

ツボを絶対外さない究極の按摩さんじゃ~、ヒデタカよ~。
これだからたまらんのだよ~、君って人は。


しかしこの作品での吉岡くんの演技を受け付けられない、
と言う人も中にはいると思う。
私だって、茶川さん系の演技は、時々ならいいけれど、
あまり頻繁にはやってほしくないなぁと思うとですよ。
しかしそれは、あくまでも私の好みで言っているわけでありまするだ。

この作品での彼も素晴らしいと思うことには違いないわけであります。
名優になったんだなぁ、って本当に感動したとですよ。

この作品での吉岡くんは、作品全体を体現した、
という神業演技を見せてくれたんだと思う。

それをですね、彼自身に対する否定感情と混同して、
「純」の演技が大げさすぎて鼻に付くとか、まるで消臭剤レベルの
意見を言う人たちの言葉を聞いたりしますとですね、
あっしなんざ、「ケッ、顔洗って出直してきなっ。」
とついつい言いたくなってしまうのですぜ、親分。

しかし本当に顔を洗って出直されてきちゃっても迷惑でござる。
君たちの言いたいことはわかったぞい。しっかと耳にしたでござるよ。
けれどもそんな彼らの言葉を聞いて、「それじゃ、失敬!」と
エースをねらえの藤堂くんのように晴れやかにも立ち去れないのだっ。
なのでこちらの言い分も言わせていただく。

ええですか?
お目めをきち~んと開けてごらんなされ。
ついでに耳も澄ましていただきたい。

三丁目のどこに「純」がいるというのだ、スネオくん。

しゃ~~~~~~~っ、も~~~~~~~~~~~~っ!!!!!
吉岡くんは「純」じゃないって梅干食べてスッパマンも言っとるだろ~がぁ~っ!!!!
なんでそんな引退した日光猿軍団のおサルさんでもわかるようなことが
わからないんじゃいっ?!!
予習復習はしっかりしなさいっ、と進研ゼミの赤ペン先生が
その指にペンダコを作ってまでしつこく答案に書いていたでしょがっ!
いっそのこと、背負い投げしてエトロフ島まで投げ飛ばしたろかっ?
いや、君たちはインドへ脳みそ軟化の旅修行に行くべきだっ!

鼻につくのは、かまわんじゃないか。
そんなもん嗅ぎつけてるのは自分の鼻なんじゃい。
とっとと鼻をかめば済むことじゃ。
しかし、ちょいと待たれい、そこの小坊主。
大袈裟とはなんじゃい、エ、
聞き捨てならんじゃねぇか~、あんさんよ~。

いいかい、作品にはね、色というものがあるのじゃ。
この映画の色は誇張されているのじゃ。
その誇張色がこの作品の味なのじゃい。
そんな色の作品の中で、この名優くんが一人、
ささやきさんたろうみたいな演技をするとでも思うのかっ、
え、どうなのだっ?!

彼は「作品」というものをまず第一に理解している人なのだよ。
ただ単一に良い演技をしていればいいって人じゃないんだぜ、ヒデタカはよ。

君たちは、そのカチンコチンな石頭にエジソンバンドを装着したらいかがですかっ?

んもうっ、私まで怒り爆発になっちゃたじゃないか~。
お肌に悪いったらありゃしないじゃないのぉ、プンプンッ。

はぁ、気分を取り直してですね、再び三丁目にお住まいの茶川さんに
目を向けたいと思います。

でも長くなりすぎちゃった~。っていつものことだけどぉ。
この後は、つづくですだ。
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