元映画女優の原節子さんが亡くなった(以下、敬称略)。享年95歳。謹んで哀悼の意を捧げご冥福を祈る。
原節子は日本映画史上最高の女優であり、もう2度と現われない大スターだと思う。これは私が勝手に言っているのではなく、今から15年前の西暦2000年に、『キネマ旬報』が「20世紀の映画スター」をみんなに選んでもらったところ、彼女が文句なく堂々の1位に輝いたのだ。
他にも大女優や美人スターは沢山いる。田中絹代や山本富士子、若尾文子や吉永小百合ら多士済々であり、それぞれが多くのファンを有しているだろう。しかし、原節子のように清楚で美しく、気品のあるスターは少ないのではないか。まさに“大和撫子”の典型のような女優だったと思う。
彼女は42歳で突如 映画界を引退した。それを惜しむ声は全国津々浦々にあったが、まことに見事な引き際だったと思う。あれから半世紀以上がたったが、今もなお原節子を慕うオールド映画ファンは大勢いるのだ。こういう女優は少ない。いや、稀有な存在だと言って良いのではないか。
原節子はあまりにも有名なので、私がここで拙い記事を書く必要はないだろう。すでに何回も書いてきた。あらためてご冥福を祈るとともに、彼女に関する克明なデータ写真集と、思い出深い映像を以下に載せて終わりにしたい。
ああ、永遠の大スターよ さらば!
原節子のデータ写真集・・・http://www.geocities.jp/yurikoariki/harasetuko
「青い山脈」・・・https://www.youtube.com/watch?v=bAKmKJxtWZg
「東京物語」は小津監督の評価が喧伝されがちですが、よく考えてみると原節子以外の「紀子」は考えられないと思えてくるから不思議です。
半世紀以上もたって外国のメディアに取り上げられるとは、原さん以外にはいないでしょう。
心よりご冥福をお祈りしたいと思います。
『晩春』『麦秋』『東京物語』の紀子三部作も、笠智衆一座への客演だったと思っています。
42歳で引退したのは、大島渚が桑野みゆき、芦川いづみ、山口百恵らについて言ったのと同じで、彼女たちは家族のために女優をやっていたので、それがなくなった時、引退したと考えればよいと思います。
原節子についてとても参考になりました。42歳での引退は惜しいものの、むしろ爽やかな感じがして見事だったと思います。