矢嶋武弘・Takehiroの部屋

われ在り 故に われ発信す
83歳のジジイ 日一日の命

江戸川乱歩の『芋虫』にショック!

2025年01月29日 14時06分52秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<以下の文を復刻します。> 文芸評論などは滅多にしないが、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』については何か書かざるを得ない。ショッキングな小説である。一言で云えば“グロテスク”な嗜虐(しぎゃく)趣味の極致だろうが、なかなかこんな作品は書けるものではない。乱歩だから書けたのか。1929年(昭和4年)の作品というから、当時のエロ・グロ・ナンセンスの風潮を背景にしていたのか。それ . . . 本文を読む
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電気あれこれ

2025年01月29日 14時05分10秒 | 経済・エネルギー・原発
<この記事は2011年7月13日に書いたものです。> 「電気予報」が毎日出る世の中だが(注・東日本大震災の直後だったから)、近代国家には電気が欠かせない。昔、ロシアの革命家・レーニンのことを何かの本で読んだことがあるが、革命を起こして政権を取った後、レーニンが最も頭を痛めたのが電気・電力のことだったと覚えている。革命を起こす前は電気のことなど全く関心がなかっただろうが、自分が新政権をつくり「為政 . . . 本文を読む
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フランスとフランス人

2025年01月29日 14時03分27秒 | 外国の話
<2015年11月18日に書いた以下の文を復刻します。> 若い人はあまり知らないだろうが、フランスと言えば、戦後日本のいわば“憧れの的”だった。それは芸術や思想、学問だけでなくファッション、映画、シャンソン、グルメに至るあらゆる分野において憧れの的だったと思う。そして、多くの精神的分野において、日本と日本人に大きな影響を与えたはずだ。そのフランスがいま、イスラム過激派との . . . 本文を読む
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『広瀬中佐』

2025年01月29日 14時01分07秒 | 映画・芸能・音楽
広瀬武夫中佐 NHKの超大作テレビドラマ『坂の上の雲』(司馬遼太郎さんの原作)をDVDで見ていたら、日露戦争の冒頭で、旅順港の閉塞作戦中に戦死した広瀬武夫中佐の話が出てきた。するとすぐに、あの『広瀬中佐』の歌を思い出した。この歌は軍歌の中でも最も好きな歌である。 個人的な話で恐縮だが、昔、私が某テレビ局に入社した際、職場で新入社員の歓迎会が行われた。会もたけなわになった頃、管理職の上司が好き . . . 本文を読む
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選挙報道の失敗談

2025年01月29日 03時40分54秒 | フジテレビ関係
〈2014年12月3日に書いた以下の記事を復刻します。〉 総選挙の公示で昔、テレビ局でいろいろな選挙報道を手がけたことを思い出した。大変だったが、今になれば楽しい思い出である。冬の選挙となると、雪の多い地域の取材は大変だった。ある時、たしか北陸地方や長野などを担当したことがあるが、短い期間に強行スケジュールで取材をしなければならない。ちょうどこの季節だったと思うが、長野県のある所で一泊し、北陸の . . . 本文を読む
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『サハリン物語』の背景とイメージ

2025年01月29日 03時35分29秒 | 小説『サハリン物語』
『サハリン物語』の背景は、まず分断された「南北朝鮮」がイメージとしてある。カラフト王国とロマンス王国がそれだ。 次に、ヤマト帝国はもちろん日本、シベリア帝国はソ連邦、ないしはロシアである。ゲルマン帝国は当然 ナチス・ドイツだ。スパシーバ王子やリューバ姫、マトリョーシカ女王らは完全に架空の人物で、スパシーバはロシア語で「ありがとう」、リューバは「愛」を意味する。マトリョーシカは有名な人形「マトリョー . . . 本文を読む
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<まとめ> サハリン物語

2025年01月29日 03時32分28秒 | 小説『サハリン物語』
過去の作品をまとめる必要が出てきたので、この場を借ります。ご了承ください。 サハリンの郷土博物館(ユジノサハリンスク) http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/35d73831cdeadad627897f278bb65974http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/80c7821795f4c82c4afc5262ad . . . 本文を読む
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サハリン物語(19・最終回)

2025年01月29日 03時31分12秒 | 小説『サハリン物語』
ヤマト帝国軍やサハリン軍が、旧都・トヨハラの一帯を完全に征圧したのは数日後のことでした。シベリア軍は主に西海岸の方へ撤退し反攻の機会をうかがうことになります。しかし、スターリン皇帝らは自信をもって臨んだシベリア艦隊が完敗したことに衝撃を受けていました。特に、あの「飛行船」の猛威はショックでした。ヤマト帝国がこれまでにない最新兵器を開発していたことに、してやられたと思わざるを得ません。戦いは振り出し . . . 本文を読む
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サハリン物語(18)

2025年01月29日 03時24分23秒 | 小説『サハリン物語』
 ここでマリアやベラ、ナディアについてもっと詳しく述べたいと思います。マトリョーシカについては詳しく述べてきたつもりですが、他の3人については十分でありません。まずマリアですが、マトリョーシカの侍女として最も気心の知れた仲の良い娘です。叔母のカリンカの跡を継いで侍女になり、マトリョーシカとはほとんど行動を共にしてきました。「あなたは20歳になっても背が伸びるのね」とマトリョーシカにからか . . . 本文を読む
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サハリン物語(17)

2025年01月29日 03時23分13秒 | 小説『サハリン物語』
一方、サハリンではスターリン皇帝の決断など知る由もなく、ツルハゲ王が退位し、マトリョーシカがついに国王に即位することになりました。ツルハゲ王は体調が悪いばかりでなく、精神的にも疲れ切っていたのです。その上、スターリンに“不義理”をした責任を感じていました。いわば、責任を取る形で退位したのです。こうすれば、少しはスターリンに義理が果たせるとでも思ったのでしょうか。マトリョーシ . . . 本文を読む
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サハリン物語(16)

2025年01月29日 03時22分23秒 | 小説『サハリン物語』
 マトリョーシカが20歳になったことで、ツルハゲ王はにわかに譲位の気持が高まってきました。王はこのところ体調が優れず、公務も休みがちになっていたのです。彼女が20歳になったら・・・と考えていたので、それも仕方がないでしょう。ある日、ツルハゲ王はマトリョーシカを呼びこう告げました。「夏にはお前に国王の位を譲りたい。私は足腰が弱ってきたし、体調も良くない。前にも言ったが、その点は分かっている . . . 本文を読む
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サハリン物語(15)

2025年01月29日 03時21分23秒 | 小説『サハリン物語』
宴席ではシベリアの歌や踊りも披露されました。若い男女がかわるがわる歌ったり、みなで踊ったりとマトリョーシカを歓待したのです。スターリン皇帝はますます上機嫌になり、拍手をしたり大笑いしたりとご満悦の様子でした。「マトリョーシカ殿、どうですか。サハリンの歌でも踊りでもやってみませんか」スターリンがそう言うので、せっかくの勧めを断るわけにはいきません。マトリョーシカは歌も得意です。彼女は立ち上がると、サ . . . 本文を読む
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サハリン物語(14)

2025年01月29日 03時20分36秒 | 小説『サハリン物語』
マトリョーシカの一行は南部の旧首都・トヨハラで一泊した後、今の宗谷海峡を越えてヤマト帝国の北海道に入りました。その後も気球は順調に南下していきましたが、彼女やマリアは異国の風景に目を見張るばかりです。ほとんどが山林や田畑などですが、気温がどんどん暖かくなっていくのを実感しました。数日後に、気球はヤマト帝国の首都がある今の奈良盆地に到着しました。ナターシャと夫のスサノオノミコトが出迎えましたが、彼は . . . 本文を読む
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サハリン物語(13)

2025年01月29日 03時19分48秒 | 小説『サハリン物語』
マトリョーシカはオオドマリを探訪しながら、父母の思い出をたどっていました。スパシーバ王子には膝の上に乗せられあやされたこと、リューバ妃にはお菓子を貰ったり手を繋いで歩いたことなど、全てが幼い頃の思い出です。 4歳から5歳の頃でしたか、父母が相次いで亡くなった時、泣きじゃくったこともよく覚えています。そうした思い出にマトリョーシカは浸っていました。ナターシャは、夫のスサノオノミコトがこの辺りで戦いを . . . 本文を読む
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サハリン物語(12)

2025年01月29日 03時18分44秒 | 小説『サハリン物語』
クラスノヤルスク攻防戦は大変な激戦になりましたが、結局、スターリン軍が勝利を収めました。この戦いの詳細は省きますが、問題はその後の処置です。スターリンは反対派の息の根を止めるために、ここで“大虐殺”を行なったのです。それは極めて残酷・苛烈なもので、降伏しない者や抵抗する者は次々にその場で殺されました。 また、捕らわれたジノヴィエフやカーメネフら敵の将軍たちは、簡単な裁判の結 . . . 本文を読む
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